神奈川絵美の「えみごのみ」

20足目の人みたい

(前回の続き)

九段の器店「花田」で開催中の中尾万作展。
その初日に、うつわ好きの友達と訪れたときの一揃いは……


ピンクの絽の着物に、カヅラの帯。
見難いですが、着物に入っているグレーの斜め格子は、すべて手描きだそう。
帯締めは道明。この一本で秋の訪れを語ってくれる。
お太鼓は下線が決まらず、残念

お友達は……

Mさんは平山八重子さんの夏紬に、藤田織物さんの帯。
繊細な彫金の帯留めは、秋濱克大さんの作品。
まだまだ暑い日差しの下、一陣の高原の風がさっと横切るかのような
清涼感のある装い。

キモトモTさんは鹿児島の有名な織元「中川」さんの夏大島に萩の帯。
こちらも秋の風情が垣間見える、大人なコーデ。


--------------

さて、花田でうつわづくめの幸福感に包まれた後、
タクシーで六本木へ。


カジュアルな中華料理店だけど……、とTさんはおっしゃったが
ここは知る人ぞ知る「鶏そば」の名店、香妃園。
「コラーゲンたっぷりで、翌日にはお肌ぷるぷるになるんです~」

鳥がらスープのコクと塩味のバランスがとても良く、
飽きずにたくさん、美味しくいただきました


そして……

香妃園から歩いて5分くらいのところにある、awaiさんへ。
秋のカレンブロッソフェアを開催中とのことで
「カジュアルなカフェ草履が欲しいな……」と。

思い描いていたのは
   茶色の台に茶色の天、
      鼻緒は白系で、ちょっと模様が入っていてもいいかな。
         台の高さも低くてOK。普段使いにできる、クセのないものを…  だった。



ところが。



女将のブログにも載っていたこの鼻緒が気に入って
    ↓

「これに合わせるとなると、天は茶色よりも他の色の方が……」と
お店の方。
確かに、確かに。

「この色なんか、いいじゃない?」
私がふと選んだ天のサンプルに、MさんもTさんも大乗り気。それが……
    ↓

コチラ。赤味の強いボルドー系。ちなみに台は黒。


なんか、最初に考えていたのと、全然違う……
少しの間、躊躇したが、

とても可愛くなりそうなので、結局、この組み合わせでお願いすることに。

「絵美さん……」 キモトモTさんが一言。
   「それ、どう見ても“20足目くらいのお誂え”の草履ですよね」
初心者は、そういうの、つくらへんなあ。

確かに、確かに


別に、普通がイヤなんて思っていないけれど、
着物歴がだんだん長くなると、こうやって“こなれて”いくものなのか。
   いやいやそれとも、“はずれて”いくのか。



※awai「世界にひとつだけのカレンブロッソフェア」は9月9日(月)まで。詳細はコチラ

コメント一覧

神奈川絵美
ねねさんへ
こんにちは
こちらにもコメントを、ありがとうございます

今回、私はいつにも増して
「こういうデザイン(茶の台に茶の天、地味目の一足)で
誂える!」と強い決心をしてまいりましたのに、
こんなに脆くも崩れるものかと(笑)

カレンブロッソは人気らしくて、
挿げあがりが11月なんだそう…手元にきましたら
またアップしますねー
ねね
かわいらしいですね♡
履かれたところのup楽しみにしています。
…ご予定とは…
ずいぶん違う用でいらっしゃいますが(笑)

素敵です。
神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
10足くらいはあるような気がするのですが、
結局ヘビロテなのは、カレンの2足+夏は科布の草履
くらいなもので…よく履くもの、そうでないものが
ハッキリ分かれてしまっています
これはどうなるかなー。
香子
とうとうお好みの物を御誂えですね♪
自分が出来ない分、人様のお買い物で楽しんでおります~
20足とは言わないまでも10足はお持ちでしょうか?
ついつい皆さまの草履の所持数に興味が…
神奈川絵美
straycatさんへ
こんにちはー
そうそう、店内にもスッキリ清楚な白×白の
サンプルがあって、
とてもいい感じでしたよ。サイズが小さいとなおさら
キュートで
もしお誂えしたら、ぜひお披露目してくださーい
神奈川絵美
セージグリーンさんへ
こんにちは
いえいえ、実際はそれほど持っていないと思います。
意外とオーソドックスなのは少ないので、
今回も、無難なテイストにするつもりだったのですが

そうですよね、地味目紬に合いそうな気がします
神奈川絵美
K@ブラックジャックさんへ
おおー、同じものが目に留まったとは
色違いでボルドー系もあり、
そちらにも惹かれました。
裏打ちやツボの色(ツボは有料で替えられるそうですが)
でも、雰囲気変わりますよね。
挿げあがったら、またアップしますね
神奈川絵美
朋百香さんへ
こんにちはー
をを、朋百香さんは「大物」でしたか
拝見するのが楽しみ~。

>赤の部分はちょっとしか見えないから
そうなんですよね。
意外と「スーツ着物」とか「トルファン」、
地味目紬に合うような気がします。
神奈川絵美
りらさんへ
こんにちは
まあ、20足目というのは例えで、
実際はそれほど持っていない…はず(笑)

「はずす」って難しいですよね。
自分らしさを残しながら、でもちょっとだけ
冒険してみる、みたいな?
洗練されたはずしができるといいのですが…
straycat
絵美さま♪

わー、カレンブロッソの情報ありがとうございます。
白い天に白い台のものがあればいいなぁなんて、ずっと思っていたのですが、awaiさんのサイトにまさにそんなのが出ていますね。
時間を見つけて是非行ってみようと思います。
皆さま、個性に合わせた三人三様の装い、目を楽しませていただきました。
セージグリーン
お大尽
草履が20足とは、お大尽ですね、
それだけお持ちなら、思い切ったお色のものもほしくなりますね。地味なお着物からちらり、コックリとしたボルドー色が覗くなんて、心憎いです。
K@ブラックジャック
画像見てびっくりしました
結局週末はawaiに行く事はなかったんですが
行くとしたら、awaiのサイトに載ってるこの鼻緒がいいなぁって言うのがあったのですが、神奈川さんの選んだ鼻緒なんですよ(笑)
好みが一緒だーーーーと思って笑っちゃいました。
私どっちにしろ行っても買えませんでしたね
台は私は選ばないなぁって言うものなので、本当20足目位のお誂えって言うのには私もそう思います
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
おお、awaiさんは「これ」だったのですね~。
私は別物(ご案内頂いたのに、カレンちゃんの事は
忘れてましたー)

草履だけで見ると華やかそうですが、履いてしまうと
赤の部分はちょっとしか見えないから良いアクセント
になるかも・・・。
まさに「私だけのカレンブロッソ」ですね!
りら
20足目の~!
良いですねぇ。
こなれて外れて、そういうお楽しみこそ着物の醍醐味かと思います。

神奈川絵美
とうこさんへ
こんにちは
この近藤伝、凝っていますよね。
こういうのを手描きでというのが、、、
現代の着物にはまず見られないと思います。

草履…履くと天の赤はチラリズムで
そんなに目立つわけではなく、
使いやすい一足になってくれるといいなあーと
挿げあがりに期待しています
とうこ
私が行きたかったところシリーズ?をありがとうございます。。。器も欲しかった~~。カレンちゃんも~~。と思いながら見ておりました。
絽のお着物、格子だったのですね。すごく凝っています。帯締めで秋の香り・・・見習います。だんだん、季節に合った染帯を増やしていきたいな。。。
そして、草履!!!素敵!!!せっかくですもの、うきうきするお色目で楽しみたいですよね。出来上がりが自分の事のように楽しみです。
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