神奈川絵美の「えみごのみ」

カラスにすげたい  完結編

ここ10日ほど、ずーっと家で原稿を書いていて、
今日は久しぶりの外出。



…といっても出版社との打ち合わせなので、
“仕事モード”で。
大高美由紀さんの草木染の帯に載せたのは、
道明の浅黄(うすき)の冠組。ここのところお気に入りの一本だ。


後ろはこんな感じ。


昼過ぎに、まずは浅草へ。



職人さんの提案で、カラスをいただくはずが
銀ねずというレアな台に。その草履をお嫁にもらいに行ってきた。


完成品は、コチラ
   ↓
   ↓
   ↓

どうでしょう?
お店で慌てて撮ったので、アングルに工夫がありませんが……。

でも、インスピレーションで何気なく、
鼻緒の裏にと選んだ渋めの鶸色が、銀ねずの台にぴったりで
茶にころんだ朱色のツボも目立って、
とても端正、かつ、そうそう他にはなさそうな草履に仕上がったかな、と。

この組み合わせ、もし職人さんが提案してくれなかったら実現しなかったし、
もし私が鶸色の裏を選ばなかったら、
やはりこの草履は誕生しなかっただろう。
いろんな偶然と、お店の方の心配りに感謝です

お店で改めて確認したところ、
この台の女性ものは、本当に在庫僅少だそう。
考えている方は、事前に電話問い合わせしていただく方が、
とのお店の方のお話でした。



以前、尊敬する着物の先輩からいただいた畳表の草履も
一緒にメンテナンスしていただいた。
春のオシャレが、楽しみだなあ

畳表にしても、銀ねずにしても、
「つま先とかかとが傷つきやすいので注意を」と職人さん。
   「そうそう、エスカレーターが危険なのよね」とお店の方。
(確かに、降りるときの「ギザギザ」につっかかったら……
もし傷ついて、編みこんである繊維がぴょんと出てきてしまったら、
木工用ボンドをたっぷり塗って、貼ってください、とのこと。

また、(これはよく知られているけれど)
水に濡れると繊維が水を吸って膨張し、元に戻せなくなるため、
雨の日は厳禁。


今日は何となく雲行きが怪しかったので、
履かずに箱に入れていただいた。だけど……



お店を出て、すぐはす向かいにある「浅草 むぎとろ」で
ランチをし、



夏の花火大会では“特等席”となる、
同店屋上のラウンジでコーヒーをいただきながら、外を眺めていたら、
(やっぱり、履いてみたいな)と思って、ごそごそチェンジ。

履き心地は…… お店で鼻緒をかなりきつく挿げていただいたので、
フィット感はとても良かった。
その後、いろんな歩き方をして家まで履いていったが、
いくぶん、体の重心を後ろにおいて、ゆっくりめに歩くと、
疲れず足も痛まない。
スタスタ早足になったり、前のめり気味になると、
底がすべったり、すねのあたりが痛くなったりするのがわかった。


小粋で渋めの銀ねずだが、
どうやら、見かけによらず“おしとやかな”草履のようだ。



※「カラスにすげたい」 過去ログはコチラ →   

※長谷川商店さんといえば、このやりとりが傑作 → 「草ですから」はコチラ

コメント一覧

神奈川絵美
りらさんへ
コメントありがとうございます
カラスよりも少し薄い色の台になったことで、より春めいた一足になったかと

鼻緒から誂えるの、私これで3足目かな(プラチナボーイの藤色の生地、吉田美保子さんの「シスレー」の生地、そしてこのハギレ)楽しいですよ~。でも、鼻緒つくったら遅かれ早かれ草履も誂えなきゃなので、予算が・・・
りら
素敵に出来上がりましたね!
良いですねぇ・・・・
ホント、春が来た!という明るい気分になりそうな感じですよね。
新調は何でも嬉しいですけど、特に鼻緒の仕立てからというのはひとしおなのではないでしょうか?
あやかりたいですわぁ。
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは
私も基本せっかちなので(こういうのって職業病みたいなところもありますよね
時間に余裕のあるときに履きたいと思います。
「ピカピカの一年生」ではないですが、新年と同様に春にも、何か新しいものが欲しくなりますよね
神奈川絵美
きむらさんへ
こんにちは
awaiさんもまた行きたいなーと思っていましたが、今回は銀ねずを誂えたので、次の機会に!
確かに銀ねず、濃すぎずニュートラルな色合いで、いろいろな着物に合いそうです

鎌倉彫で畳表なんて、お洒落じゃないですか
私は下駄が苦手なので、草履一辺倒ですが、履けるのなら積極的に誂えると思います。
Tomoko
なるほど!重心後ろでゆったり気味に。どうりで私には向いてなかったハズだ!と納得(笑)。
新しいお履き物、手入れしたお履き物、どこか新しいのは春はことに嬉しいですよね。
きむら
出来上がったのですね
これと心に決めて行ってみても思わぬ出会いがあるものですよね。
カラスも素敵ですが、銀ねずの方が何て言うかいろいろな着物にしっくりくる感じがします。
その上数がもう少ないとか言われたら私でも買いますね


私も着物を着始めたころ長谷川さんに行った際、とにかく畳表!と思って、草履ではなく鎌倉彫で畳表の下駄にしたのですが、草履にしておけばよかったーとちょっと後悔しています。
初心者だったから値段が安い下駄にしちゃったのです。

そうそう。先日のawaiでのカレンブロッソフェアでまたカフェ草履お願いしちゃいました
神奈川絵美
すいれんさんへ
こんにちは
「カラスにすげたい」シリーズ、読んでくださってありがとうございます
私も家にいるときはワンコが一番なので(夫ではない)世話するのに都合の良いラフなスタイル。その生活のテンポに慣れていると、いざおしとやかに…とはなかなかいかないですよね

桜の鼻緒の草履、刺繡がとてもキレイで…上がたとえ仕事仕様のシックな装いだとしても、この草履を履くだけで華やぎます
すいれん
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
「カラスにすげたい」、楽しいシリーズでした。渋くていいですね~。おしゃれだし。確かにお草履は、お淑やかに歩く履物ですよね。
最近、草履で歩く速さで生活したいな~と、思うのですがGパンに軍隊靴だと(普段はこれです)どうしても、ガサツにドタバタになってしまいます。もういい歳なんだし、エレガントに動くようにしたいな~と昨日も思っていたところでした。
畳表の草履、1年中履けるのでしょうが、私はどうしても春夏のイメージが・・・。
これを履きたくなるイコール春が来た、なのですよね~。 黒地にピンクのサクラが素敵です。
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