東京府中市の税理士 金成祐行の日々の気付き

税理士法人の経営、強度行動障害の自閉症の息子との生活、悪戦苦闘の毎日で、日々気づいたことを書いていきたいと思います。

BABEL「バベル」(ネタバレ注意)

2007-04-28 18:37:08 | 映画
今日、菊地凛子さんの話題で有名な、映画「バベル」を見てきた。


面白かった・・・・です。本当に。
ディテールまで本当によく考えられて、時間が本当に短く感じました。
4つの物語が、一つの銃をキーに、綿密に、寄り添いながら、
見事なメロディーを奏でてゆく。

以下感想。


バベルの物語。旧約聖書、創世記によれば、

遠い昔、言葉は一つだった。
神に近づこうと
人間たちは天まで届く塔を建てようとした。
神は怒り、言われた。

「言葉を乱し、世界をバラバラにしよう」

やがてその街はバベルと言われた。

(映画パンフレットにより)



昔、言葉が一つだった世界が、神の怒りにより、様々な言葉の国に分けられた。


その言葉の違いにより、一方の民族が阻害され、戦争が起こり、テロが起こり、
暴力も、法による非人道的な取扱いも起こる、私たちの人の世。

息子の結婚式で無邪気に喜ぶ母。その不良の甥。
しかし底抜けに明るいメキシコの結婚式で、白人の子供は、生き生きと、
とても楽しそうにしている。
イスラムの厳格な父のもとで、性に目覚める男の子と女の子。
麻薬は傷の痛みを取り去る優しさにもなり、都会では退廃的なものの象徴となる。
我が子が撃たれ泣き叫ぶ父、その兄を助けようと銃を壊し、投降する弟。
その投降する弟を見て、サングラスをはずした警官の優しい目。
傲慢なアメリカ男に、最後まで優しく接するモロッコの男性とその母。
アメリカ男が差し出す金を受け取らない・・・・
不法入国のメキシコ人の乳母を逮捕する黒人警官。
あくまで職務に忠実だが、「今、水をあげるから・・・」の一言。


私たちは、確かに昔は「一つ」だった。

この映画を見て、強く感じた。
様々な生活環境、宗教、言葉、その違いはあれ、
私たち人間が感じることは同じ。


一つだった私たちは、神の意志により、バラバラにされている。
バラバラにした神の意図は何か・・・・

言えることは、私たちは、バラバラであるがゆえに、人間らしくのでは無いか。
人間らしく、生きられるのではないか。

神の意図はわからない。
しかし、かつて一つであった私たちが、今はバラバラであることの意味を感じながら、
この日本という国で精一杯生きていこうと思った。


この映画を言葉で評価すること自体無理。
是非多くの人に感じてもらいたい・・・そう思いました。




コメント (1)
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