講談社学術文庫版「徒然草」も最終第4巻に入りました。
第百十三段「四十にも余りぬる人の」の一節
おほかた、聞きにくく見苦しき事、老人の若き人に交はりて、興あらんと物言ひゐたる。数ならぬ身にて、世の覚えある人を、隔てなきさまに言ひたる。貧しき所に、酒宴好み、客人に饗応せんときらめきたる。
これは、年老いてゆく者としては、心がけねばならない嗜みです。
第百十七段「友とするにわろき者」
友とするにわろき者、七つあり。一つには高くやんごとなき人。二つには若き人。三つには病なく身強き人。四つには酒を好む人。五つにはたけく勇める兵。六つには虚言する人。七つには欲深き人
よき友三つあり。一つには物くるる人。二つには医師。三つには智恵ある人。
上の一節はよく納得できるが、下の一節はいまいち首を傾げる。
第百三十七段「花はさかりに、月はくまなくに」の一節
花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは。雨にむかひて月を恋ひ、たれこめて春のゆくへ知らぬも、なほあわれに情け深し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見所多けれ
また一節
よろづの事も、始め終りこそをかしけれ。男女の情も、ひとへに逢ひ見るをばいふものかは。逢はで止みにし憂さを思ひ、あだなる契りをかこち、長き夜をひとり明かし、遠き雲井を思ひやり、浅茅が原に昔をしのぶこそ、色好むとはいはめ。
上の一節は夙に有名。

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