アナログにがっつりハマると、CDやSA-CDが気になって仕方なくなる。まさかそんなはずではとか、落差への興味は次々と止めどない。逆もまたまんまと正なりだ。贅沢な話に思えるかも知れないが、ハイエンド機のひとつとないウチを羨む人などいないだろう。ただ、目下話題のSHM仕様SA-CDの話題に付随して、解説の執筆陣にSA-CD再生環境にいない人がいると知ってあれっ? それはちょっとなあと。こういう手の原稿書きは、安手の機器だって構わないと思う。聴いた体験の積み重ねこそ物を言うからだ。機器を手なずけさえすれば、自信を持って語れる経験則を貫けるものだ。まあ、それはさておくとして、ここ半月は、山本巨匠から譲り受けた『フル・ハウス/ウェス・モンゴメリー』のオリジナルLPで、音の逞しさにひっくり返った次に、カヴァー写真の鮮明さに愕然。複写を繰り返した日本盤LPに、ウェスの右手甲のしわをさほどくっきり見て取れるものはない。やはり今後のオーディオが、配信とアナログに二極化しそうな気配を、そこに改めて見て取れた気がした。そうこうするところ、『2009モントルー・ライヴ/CTIオールスターズ』で〈ブルース・マーチ〉のトップ・ソロに出てくるジョン・マクラフリンにあれれっ? 出演するのを断るべきだった。断りなしのリリースだったかも知れない。出だしをよく聴くと、チューニングが済まないうちに曲が始まっちゃった感じがなきにしもあらず。マクラフリン通のご諸賢は、いかがお聴きだろう。