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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

blogを始める前の備忘記から

2016-10-20 06:53:29 | ●Weblog

 ETCがまだ影も形もない頃。湘南での告別式から車でさいたま市に戻る帰路、斎場で一緒になった先輩を都内まで送ることに。ちょっとして有料道路が間近に迫った時、コンソール・トレイにたまっていた小銭で用が足りそうなので、「すいません、かき集めてくれますか」と私。すると先輩はおっくうそうにじゃらじゃらとやって、左ハンドルの私に「はい」だって。この人が車に乗り慣れてないことは、ドアの閉め方で察しがついた。パカーンと目いっぱい開け放ったドアを力づくで引っ張って、ガッシャーンと。まだ建付けが悪い車が多かった時代の閉め方だ。その次が、これは私の身勝手か、普通、足代がわりに通行料金くらい持ってくれるのが気遣いというはずが、そんな発想の微塵もないのに何だかなあと。さらに都内の自宅近くで降りる時、「なるほど、車だとこんなに楽なんだ」とだけ吐いて、再びガッシャーンとやって立ち去った。その後、何年かしてから同じ目にあわされた別の御仁にも申し上げたい。近現代車のヒンジ式ドアは、ボディから20、30センチくらいまで寄せておいてスッと押し込めば、閉まるようになっているのよ。それと、乱暴にドアを閉められると、密閉度の高い室内にいる者が鼓膜に空気圧パンチを食らうのよ。ドアを閉める動作に、なんとフォロースルーまで付けた斎場帰り野郎の無神経には、今も笑い泣きするしか手をなくす。まるでボーリングの球を投げ終えた時のようだったわけで。