いえねこ修行

野良猫や人が苦手な猫たちは果たして『人間との生活』に慣れるのか?
人馴れ修行の様子を綴る猫お預かりボランティア日記。

【雑記】激怒症候群/レージシンドローム(特発性攻撃行動)について

2020年07月30日 | ■保護や訓練に関する雑記■

↑こちらのリンクを先ずお読みください。



『特発性攻撃行動』と呼んだりもします。



突然猫(犬)が本気噛みで人を襲ってくるのですが

普通のシャー猫凶暴猫と違い

数秒前まで喉ゴロゴロ鳴らしていた子でも

本当に唐突に噛みます。


強い甘噛みとか

指先や手をガブっとされたとか

そういうツンデレ的なレベルではないです。


何針も縫うレベルの状態です。





以前、

メールで相談をされたことがあります。

この症例。




我が家に修行に来る子で

攻撃性ある猫も多数いますが

このタイプはまだ来たことがありません。



でも何匹か「そう言われると多分これかな?」って子は知っています。


この子(金太郎)とか…。




元々気が荒い子の場合もありますが


ペットショップで購入した甘えん坊の子でも

唐突に

人が血だらけになるほど噛んできます。

(メールで相談された子はペットショップ出身でした)




普通の凶暴猫とどう違うのか

実際対峙してみると分かるのですが…


噛んでくる直前に

目の焦点がおかしくなり

「今、正気じゃないな」という感じ。

(目がグルングルンする)


実際見ないと

ちょっと説明ではわかりにくいところですが。



あと、

怖い!とかむかつく!とかの

そんな感情が一切無い攻撃なのです。


嫌いだから噛むとか

好きな人には噛まないとかじゃなく。



「発作」という表現がぴったり。





原因はまだ詳しくはわからないそうです。


癲癇(てんかん)が原因という説がありますが

相談者さんの猫は癲癇の薬でも治らなかったとのことで

癲癇に近い別の病気の可能性もあります。



金太郎の時は

脳のスキャンとりましたが

特に異常無しだったそうです。

(今後出てくる可能性はありと言われたそうですが)



金太郎は

恐らくこの症状がベースにあって

その後元の飼い主が変な対処をしてしまったために

トラウマが追加してしまったのかなと思います。


保護された当初に比べると

譲渡時は頻度は落ち着いてきていましたが

それでも0になったわけでは無かったです。




症状が出る引き金が

一貫性無い子もいれば何となくある子もいるし。。。

(大きな音や猫の声など)



まだまだ未知。




単純な凶暴とは違い


人馴れ訓練で治るものではなく

正直私にも「こうすれば大丈夫」とは言えず、


うまく対策できて

ちょっとずつ発作の頻度が押さえれれば万歳ですが

猫によっても傾向が違うと思う。





「うちの子ももしや…」という方いましたら

病院に相談ください。


できるだけ脳に詳しい獣医で(いるのか?)

MRIで脳の異常を有無をみてから

行動学運動学の病院へ


…が一番スタンダードだそうです。



一応

対処法の記事もありましたが

参考程度に。






例は少ないですが

病気からくる

こういうケースもあるんだと

頭の片隅に置いていただけるといいかなと思います。








最後に

本気で噛まれた時の対処法。


この症例もですが

普通の凶暴猫や保護したての猫に噛まれた時は


噛まれた瞬間に

牙が刺さった状態で猫を振りほどこうと腕(足)を動かすと

皮膚が裂け何針も縫うことになります。


傷が大きくなる上に

猫が更に興奮してしまいます。



猫が噛み疲れて自分から離れるまで

(咄嗟なことで難しいとは思いますが)

動かず耐えること。

嵐が過ぎるのを待つ。

これが一番被害が少なく抑えるコツです。
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【雑記】猫を保護したら③《ダニや真菌のこと》

2018年01月30日 | ■保護や訓練に関する雑記■

保護活動に興味を持ってくれて

始められる方もいると思うので

【雑記】カテゴリーで

少しずつコツや注意点を書いていきたいと思います。 

 


 

猫を保護したら

まずは病院。

 

色々他の猫に移るものを持っていることがあるので

病院で検査してもらうまでは

他の猫と一緒にしない方が無難。

 

ケージ隔離だけでは

不十分な場合もあるので

出来れば部屋を分けるとか

無理な場合はビニールで囲うかした方がいいです。

 

 

 

保護したばかりの時に

よくある症例。

(猫風邪とお腹の虫以外)

 

 

 

 

★耳ダニ

 

よくいます。

外猫生活長い子とか

多頭飼いの家出身の子も多いです。

 

耳の中をのぞいた時に

黒っぽくなっていたら

高確率でいます。

 

耳ダニが活発に動いていると

黒い汚れがどんどん増えて

黒いカスが耳からこぼれる程に。

(カス=ダニの糞)

 

これを放置すると

治療に時間がかかったり

難聴になったり

掻きむしって耳が変形したりします。

 

多頭の場合は

猫同士移る可能性が高いです。

1匹耳ダニだったら

みんなチェックしてください。

 

 

駆虫薬、耳洗浄、綿棒で耳掃除等…で対処。

 

 

 

耳を痒がっている時は

マラセチアの可能性もあります。

 

(→千代丸とマラセチア

 

 

 

★真菌

 

要するにカビです。

人間でいうところの水虫です。

 

 

元気な子には移りにくいですが

少し体が弱っている時は

移りやすいです。

 

ハゲます。

 

そしてハゲた部分の皮膚が

ちょっとカサついた感じになります。

 

目の上

口や喉回り

指先や指の間

等々

毛が薄めの所に菌が出やすいです。

 

猫同士移ります。

 

 

 

 

ちなみに

人間にも同様、

免疫落ちている時は移ります。

 

赤い痣ができて超痒いらしいです。

(私は移った事ないですが)

 

 

飲み薬、塗り薬、シャンプーで対処。

程度が酷い時であれば薬湯もいいです。

 

シャンプーはなんでもいいわけでは無く

真菌対応のシャンプーで。

(コラージュフルフルとかマラセブあたりかな)

 

 

猫の真菌の患部を触ったあと

そのまま他の猫を触ると

手を仲介して移ったりもするので

かならず石鹸で手を洗います。

 

真菌の子が使った布物も仲介するので

布は極力使わせないか

使ったものは洗濯をしっかりします。

 

真菌は舐めてかかると

痛い目に合うので

早めにしっかりケアを~。

 

 

稀なケースだと思いますが

預かり猫の歳三が

恐らく傷口から真菌が体内に侵入し

皮膚が腐っていたということで

患部を切り取って縫ったことがありました。

 

(→歳三の真菌

 

怪我と真菌を共に患ってるときは

そういった事も含めお気をつけください。

 

 

 

★ノミ・ダニ・マダニ・シラミ

 

北海道はノミダニが少ないのか

あまり私は見たことはありません。

 

駆虫薬やノミ取りブラシで対処。

 

あまり数が多い時は

バスタブの中にケージを設置すると

脱走するノミが少なくて

よいそうです。

 

 

気を付けるのはマダニ。

 

これは何度か見たことがあります。

 

毛の中にあるので

触らないと分からないことが多いです。

 

イボかカサブタかな?って感じです。

 

マダニだった場合は

取るのにコツがいるので

下手に取ると失敗して拗らせる可能性も。

素人は手を出さず

すみやかに病院に連れて行きましょう。

 

 

シラミは

ぱっと見フケのようですが

黒っぽい毛の子であれば

よく見ると動いているのがわかるそうです。

 

駆虫薬でやっつけた後

シャンプー…

 

なんですが

 

シャンプーでもしらみの死骸を落とすのみで

卵は毛にへばりついてて落ちません。

 

卵も駆虫薬で死にますが

へばり付いている卵が気になる場合は

ちょこちょこハサミで毛をカットするか

病院で丸刈りです。

 

使った布ものは

潔く捨てましょう。

(捨ててもいい安いものを使いましょう)

 

 

 

マダニは草むらなどで付くことが多いですが

その他は

餌やりさんが外猫の為にと

簡易寝床を作った際に

中に敷く古い布で媒介されるのか

囲っているタイプの

餌やり場の猫に付いていることが多い気がします。

 

あとは

例え家猫でも

『汚部屋』の場合も付いてる時あります(^^;

 

あくまで私の周りは…ですが~。

 

 

 

 

その他も色々ありますが

保護ボラやっていて特によく聞くものを書いてみました。

 

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【雑記】猫を保護したら②《虫のこと》

2017年09月19日 | ■保護や訓練に関する雑記■

保護活動に興味を持ってくれて

始められる方もいると思うので

【雑記】カテゴリーで

少しずつコツや注意点を書いていきたいと思います。 

 


 

 

猫を保護したら

 

病院で初期検査。

 

 

いろいろ移るものもあるので

先住さんがいない場合は急ぎませんが

いる場合はは出来るだけ早めにしたほうが

安心です。

 

 

私がだいたい診てもらってるものは

 

・検便(お腹の状態)

・耳の状態(耳ダニ等)

・歯の状態(歯石等)

・皮膚の状態(ダニやシラミや真菌等)

・抗体検査(エイズ&白血病)

・血液検査(3歳以上、もしくは環境の悪い場所にいた子は特に)

 

です。

 

その他は必要に応じて。

 

 

 

この中で、

まず検便について。

 

 

 

主によく出るのは回虫。

 

 

野良はほぼみんな回虫持ちだと思って良し。

 

 

家出身の子でも

半外で飼ってたり

 

外から拾ってきた子を

検査せずにそのまま飼ってる場合もあるので

 

わりと出てくる率があるし、

 

保健所内で移っている可能性も

無きにしも非ず。

 

 

 

回虫を含め

虫の種類としては

私の知ってる範囲では

 

・回虫(輪ゴムみたい)

・条虫(お米粒みたい→長いけど千切れて出てくる)

・マンソン(ホタテのひもみたい)

・鉤虫(回虫より短いやつ)

・コクシジウム(肉眼では見えない)

・トリコモナス(肉眼では見えない)

・ジアルジア(肉眼では見えない)

 

 

こちらを参照(写真付き)

 

上記サイトに載ってないものは

調べてみてください。

 

その他も色々マニアックなものもあると思います。

 

 

 

虫によって

駆虫の薬や

消毒の仕方が違ったりします。

 

猫同士しか移らないものもあれば

 

犬や鳥や人に移るものもあります。

 

 

分からないものは

その都度調べたり

病院で指示を受けてください。

 

 

-------------------

 

猫が緊張状態の時は

 

虫が直ぐ出ない事もあります。

 

 

腸のひだひだの間に

卵や原虫が隠れていて

数週間~数か月後に

急に出てくる場合があります。

 

あと

病院によっては

検便が苦手だったり、

原虫レベルのものを見逃す&見間違うことがあります。

 

(特に野良や多頭崩壊系の臨床経験のあまりないインテリな病院は)

 

 

念のため

一度虫無しと結果が出た後も

 

10日間~1か月間ほど空けて

2~3回は検便した方が無難です。

 

 

譲渡する時も、

また虫が出る可能性が0ではない事を

一言伝えた方がいいかと思います。

 

 

 

場合によっては

5回以上再発したこともあるし

1年経ってから出た例もあるので

 

検便は安いですし

 

気が向いた時に検便をしてみるのがおススメです。

 

 

------------------

 

消毒は

 

私の場合はですが

 

 

 

キッチンハイターなどを薄めた

塩素消毒。

 

買えるなら

次亜塩素酸水を購入。

ペットの口に入っても安心。

(楽天などで買えます)

 

熱湯消毒。

 

スチームクリーナー等。

 

 

熱湯消毒は虫によってですが。

(主にコクシ)

できる方は念のためやった方がいいかも。

 

 

 

虫が落ちるまでの間は

トイレの砂は毎日そう取り換え。

トイレの容器は毎日消毒。

(便をした毎にだと尚良し)

 

※トイレ容器に新聞紙を敷いたり袋などでカバーをして

カバーごと砂をマルっと捨てるやり方もあります。

 

 

ケージ内も消毒。

 

砂が飛び散った

周りの床も消毒。

 

トイレスコップも

他のトイレと使いまわしせず。

 

 

布や猫ベッドなども消毒した方がいいので

 

面倒だと思う方は

虫が落ちきるまでは

使い捨てにできる古タオルなどだと

いいと思います。

 

 

 

ここまでやらなくても

落ちたりしますが

 

きっちりやると

やはり落ちるのが早いです。

 
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【雑記】猫を保護したら①《パルボのこと》

2017年09月15日 | ■保護や訓練に関する雑記■

保護活動に興味を持ってくれて

始められる方もいると思うので

【雑記】カテゴリーで

少しずつコツや注意点を書いていきたいと思います。 

 


 

 

猫を保護したら… 

 

 

先住さんがいる場合は

先ずは隔離期間が必要になります。

 

 

隔離の理由はいろいろありますが

 

一番怖いのが

パルボウィルス

(↑詳しくはリンク先へ)

 

普通の消毒では死滅しません。

 

特殊な消毒か

触れたものは全部捨てるなど。

 

下手すればリフォームで対応せねばなりません。

 

 

 

なので、

 

私は消毒のしやすい

お風呂場にいつも隔離しています。

 

 

パルボの潜伏期間は

長くて14日間。

 

被害を最小限におさめるために

2週間の隔離期間があると

安心です。

 

 

 

 

保護活動をしている場合は

「パルボを出した家」として

他の保護猫も譲渡しにくくなります。

 

死滅しにくいので

ウィルスを仲介する可能性もあるからです。

 

 

 

滅多に当たることは無いと言えば無いけど

保護活動をしていると

可能性は常にあるので

気を付けるに越したことはありません。

 

 

今は保健所でも

殺処分を最小限に抑えようと

パルボが出ても様子を見てくれていますが

 

少し前までは

保健所でパルボ発症した子が1匹でもいた場合

保健所内の全頭が殺処分されていました。

 

それほど怖いのです。

 

 

愛護団体の施設で

「連絡無しに急に猫連れてこないでください」と

注意しているのも

感染症が怖いからです。

 

 

 

病院へ行く際も

先に電話で「保護したての子です」と一言あると

いいかと思います。

 

(病院によっては、パルボを警戒して受け付けないところもあるし、車内待機をお願いされることもあります。待合室で被害を広げないためです)

 

 

 

見た目元気でも

パルボウィルスを持ってる場合もあります。

 

保護した時は元気でも

保護から12日目で急に発症した例もあります。

 

 

 

少なくとも2週間経つまでは

パルボの可能性を考慮。

 

もしもの場合を想定し

周りに移さないように

気を付ける必要があります。

 

 

 

野良でも保健所でもパルボを持ってる可能性はあるし

家(多頭)出身の子から出たこともあります。

ペットショップの子からもです。

 

 

 

保護してる方でも

まだパルボを知らない方もいますし、

 

これから保護を始められる方、

 

保健所から引き出して里親になられる方も、

 

 

保護した場合は

 

特に先住さんがいるお家では

 

気を付けてほしいと思います。

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