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「パンダさんとハリネズミ」は久しぶりにクスッと笑えるドラマでした。
撮影現場の雰囲気が、最初からよかったです。最初のシーンから出演のないパク・ギュニョンさんが直接いらして一言ずつやってくださいました。撮影がどんなに大変でも、現場にいるとき一番気分がいいとおっしゃったので、その言葉を胸に刻んで努力しましたね。
ちょうど放送が始まりましたけど、少しも相手が気まずくなるような様子がなくてよかったです。
それもやはりパク先生とカン・ヒギョンさんが、息子のようにうまくまとめてくださってできたことにように思います。大先輩なので気を使いましたが、本当にやさしく接してくださって毎回演技指導もしてくださって。
今しがたの撮影時も、パクさんと自然に過ごしている様子を見ると、少し違和感も感じました。厳しくなかったんですか。
パク先生と一緒に演じたと話すと、みなさんから怖くなかったかと尋ねられるんですけど、私はただ、’はるべ(おじいちゃん)’と呼んでいました。先生は一生メールで返事することはないっておっしゃってたのに、私がメールを送るとメールする方法を習おうと送ってくださるくらいでしたから。先生はお弟子さんたちが嫉妬するといって、秘密にしてほしいとおっしゃって。本当は、初読み合わせの時、先生に(演技を)教えてほしいとせがんだんです。そしたら、「君は自分が準備したことをしなきゃ。どうして教えてほしいなんて言うんだ。私がすることを見て、それに倣うつもりか?」そうおっしゃったんですね。それで、私が「本当に理解できないんです。ほんとにわからないんです。どうかちょっと教えてください」とせがんだんです。他の先輩方には大ウケでした。
はは。大胆だと思ったでしょうね。
わ、こいつ何だ、って?ははは。皆、笑ってらっしゃいました。作家さんや監督さんは、「この子は他人に気を遣わない子です。笑って流してください」とおっしゃって。
正直な姿がいいと思ったんですか?
私が計算していたら、そうはならないでしょう。言いたいことを言って、気楽に教えてほしかったんです。先生から知識をもらうとき、聞く耳が開いていなければとおっしゃったので、そうするよう努力しました。お目玉をくらったとしても、恥ずかしくても、それは問題ではないでしょう。
そんな姿勢のおかげで、8・9回過ぎてから、呼吸が安定したように見えました。
演技しながら伸びるんだと思いました。誰でもすべてをうまく始めることなんてできませんから。2回でできないなら3回で身につけて残せるし、3回でできなかった部分は10回までに身につけて残せばいいと思います。
コ・スンジというキャラクターは、実際のドンへの姿と似ていたんですか?どこかのインタビューで辛い経験を(思い)浮かべながら演技したと言っていたでしょう?
特に、私の性格によく似ていました。作家さんも私の困難な境遇をよく知っていたので、私が理解しやすいように書いてくださったと思います。
俳優の中には、自分の過去が平凡で苦労したという人もいます。(演じる)役が経験する難しさに共感するのが大変だということでしょう。
小さいときから反芻してきた言葉があって、自分がどんなにつらくても、もっとつらい人が多くいるということです。家族の問題や、今の不便をいい経験にできると信じていました。演技する時、悲しい感情を浮かべられることは本当に重要だと思います。これまでの経験を通じて生まれた感情がなかったら、演技するのはもと大変だったでしょう。違う(面での)限界を多く感じました。特に、言葉を早く言いながら呼吸が切れて、苦労しました。
何というか、思いが詰まっているように見えました。一方では、常に真摯だという反証とも言えますが。
その通りです。今回の役では、さらに遊んでいなくてはなりませんでした。コ・スンジという役は気を遣わないのに、演技する前にすごく考えました。実際、こんがらがったんです。怒りもカッと怒ったり、視線だけで表現することもあるので、どんなことを選ぶべきか判断がつかないんです。けれど、多くを学ぶことができて、充分楽しめましたね。
軍隊へ行く前に、ターニングポイントになるような作品を期待していますか?
2年以内にいい作品に出られればいいですが、急ぎたくはありません。30歳を超えても良くなるかもしれないし、40歳を超えても可能ですから。
最近のように、2,30代のいい俳優が多い時期もなかったと思います。そのくらい競争も激しくなったという意味ですが、もし、本当にやってみたい映画があったら、監督や製作陣をどのように説得したいですか?
説得より、ひとまず準備ができないなければなりませんね。20歳の時、イ・スマン先生とSMスタッフの方たちと一緒に、カン・ジェギュ監督にご挨拶する席があったんです。その前日に、独白の一言だけは覚えたんですね。ご挨拶する時に「私はドンへといいます。演技を一つだけします」と言って、ただ、覚えて行った独白をしました。そうして、私の演技はまだ貧相だけれど、今後必ず監督の前で演技をしたいですと申し上げて、出ました。たぶん、私を覚えていらっしゃらないでしょう。正直にいえば、自分と似た同年代の俳優さんたちとの能力の違いが大きくなることもあるかもしれませんが、私はあんまり変わらないと思っています。普通、監督さんたちに聞かれるのは「演技うまい?」ですが、そう聞かれたら私は「私ができるだけのことをやります。でも、うまくやります。させてください。ほんとにとにかく、一生懸命やりますから。させてくれなかったら死にそうだから、させてください」と言います。私が演技を本当にしたいということをわかってほしいです。もし、私だけの魅力があるとしたら、こんな風にアクティブにいうことができるということでしょうね。私は小さいときからそんな風に生きてきました。したいことなら、無条件にしなきゃでしょ。歌手になる前にもテレビを見ながら、僕は歌を歌ってるだろう、僕は大賞をもらってるだろうって、思ってたんです。