風と光と大地の詩

気まぐれ日記と日々のつぶやき

最近読んだ本

2019年06月05日 | 日記
  「古代東国のフロンティア上毛野」小池浩平著(みやま文庫)
  「上毛野国と大和政権」黛弘道著(上毛新聞社)
  「日本古代の豪族と渡来人」加藤謙吉著(雄山閣)

  わが郷土に将軍塚古墳という4世紀頃?につくられたと考えられる前方後方墳がある。その前方部に神社が鎮座ましまして、祀られているのは彦狭嶋王(ひこさしまおう)ということだ。かつて古墳の看板にも、埋葬者は彦狭嶋王と伝わると書いてあったと思うが、今は埋葬者について何も書かれていない。「日本書紀」には、崇神天皇の皇子、豊城入彦命の孫の彦狭嶋王が東山道十五国の都督に任じられたとか書かれてあるらしいが、併せて、任じられたものの東国に赴く前に亡くなったとあるらしい。将軍塚古墳に埋葬されたのは彦狭嶋王なのか、誰なのか。書紀の編纂にも携わったらしい上毛野氏の氏祖伝承として彦狭嶋王の名が挙がっているようだが、それと将軍塚古墳を結びつける何らかの史料があるわけではないようだ。
  上毛野氏もまた実態がよく分からない氏族で、紀伊国や河内国と関係があるかと思えば、渡来人とも関わりがあるようで、書紀には朝鮮半島に出兵したり、陸奥の蝦夷と戦ったともある。本当に上毛野国が本貫であったのかどうか。軍事や馬の生産、史書の編纂にも関わったというのは、いずれにしろ当時の先進文化を担った氏族であることには違いなく、その後の激しい抗争の歴史の中で、他の多くの豪族と同じように没落して名のみ残したということだろうか。

        

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