借りていた本を返しに、仕事帰りに図書館へ行くと、道沿いのサルスベリの花が満開だった。夕暮れでも地面や大気に暑熱が残り、人影もまばらで、ものみな暑さに辟易している中、サルスベリだけ燃えるような花をつけていた。きのうはこの時間帯に夕立ちがなかった。
梅雨が明け夏本番になった途端、昨日は帰宅時間にものすごい夕立ちになった。野暮用があり、東の道から帰るか西の道から帰るか、空の雲とアメダスの状況を見ながら思案の上、東の伊勢崎方面に雲の本隊があるようなので西の道を選び、利根川を渡れば夕立ちは避けられるかと思ったが甘かった。前橋市内の道路はすでに水路と化し、低い所は通れず渋滞、徐行しても水しぶきが高く上がる。時折り、太い稲光りが走り、雷鳴が轟く。自転車と歩行者が気の毒だった。利根川を渡っても豪雨は変わらず、空の隅は明るく晴れているのに、なかなか夕立ちはやまない。家の近くに来たらようやく小降りになって車から降りられるほどになった。妻の話では家の周りでもいっときひどい雨だったらしい。昔の夕立ちはもう少し風情や情緒があったと思うが、近頃のは災害級でそんな呑気なことは言っていられない。それでも昔の方が雷は多かった気がする。雷が鳴ると、みんなで蚊帳の中に寝転んで、天井を眺めながら、雷が通り過ぎるのを待っていたのは遠い記憶だ。
今朝の時点で関東地方はまだ梅雨が明けていないが、二、三日前から、寝苦しい夜と日中の酷暑がまたやってきた。梅雨空のすっきりしない天気も嫌だが、猛暑酷暑もつらい。しかし農作物にとっても夏の陽射しは必要だ。高校野球の県代表も常連校に決まって、妻は「またか」と言ったが、生徒にしてみればその都度一回限りだし、決勝戦をテレビで見ていたら、やはりピッチャーがよく投げ、守備がよく守り、きちんと正攻法で攻める野球ができるチームは強い。全国大会も暑さ対策が望まれる。来年の東京オリンピックの暑さ対策は大丈夫なのだろうか。
夏(7月)の尾瀬といえばニッコウキスゲ。かつては当たり年と不作の年があったが、近年は鹿の食害もあって全般に低調と聞く。
尾瀬ヶ原のニッコウキスゲ
福島県側の大江湿原のニッコウキスゲ。白いのはワタスゲ(花穂)
大江湿原のある檜枝岐村では例年8月に歌舞伎をやっている。神社の御神楽
のような所で村民が演じるものだが、県内外から多くの人が訪れる。
夏の尾瀬といえば登山。至仏山からの眺めはまた格別。
山頂付近は蛇紋岩のガレ場。岩陰に尾瀬固有種のホソバヒナウスユキソウが咲く。
今年は定年退職前に尾瀬に一度行って見たいと思いながら、まだ行く機会がない。昔の写真を見ながら、15年ほど前の夏の尾瀬を思い返している。
子供達と大清水から入り、三平峠を越え尾瀬沼に至る。結構きつい峠だが、誰も音を上げる者はいなかった。
尾瀬沼の北岸、大江湿原を通って、沼尻を越え、見晴しに出て山小屋に泊まる。
山小屋での宿泊は、夕暮れから夜、夜から夜明けにかけて、静かで落ち着いた尾瀬を味わうことができる。
翌日は見晴しから、尾瀬ヶ原下田代、中田代、竜宮を経て鳩待峠を越えて帰路に。
この年は熊の目撃情報が相継ぎ、熊除けの鐘もあった。
ヨッピ橋
池塘に浮かぶヒツジグサとオゼアザミ
コオニユリと池塘に咲く花
ミズバショウ撮影のスポット下ノ大堀。ひと夏の思い出。
子供達は今も覚えているだろうか。