昨夜から冬を思わせる北風が木々をさわがせるようになった。まだ木の葉が落ちないので、ちょっとした風でも葉がこすれて大きな音を立てるのかもしれない。街路樹のハナミズキもところどころ色付き始めているが、まだまだ青い。けれども日はどんどん短くなって、仕事帰りの道はすっかり夜の景色だ。暗闇の中、遠くの家にポツンと明かりが灯っているのを見ると、淋しいような、ほっとするような何とも言えない気持ちにさせられる。寅さんが映画の中でそんなようなことを言っていた気がする。
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