半藤一利さんの本を読んでいて、
和製漢語のことが出てきたので、
メモ代わりに書き記しておこう。
明治維新によって外国語が流入してきた。
そこで時の文人たちは懸命にそれらを翻訳したわけで、
「社会」「経済」「科学」「汽車」「野球」などが有名だ。
森鷗外が訳したものとしては、
「交響楽」「詩情」「空想」「民謡」「女優」「長編小説」「短編小説」
といったものがあり、夏目漱石先生には、
「不可能」「価値」「連想」「打算」「電力」「無意識」
といった新しい言葉がその著『吾輩は猫である』に登場するという。
どれもよく使う言葉である。
☆
この年齢になっても勉強になることが多い。
春のうららの隅田川~♪は、滝廉太郎の「花」だ。
春のうららの隅田川 のぼりくだりの舟人が
櫂のしづくも花と散る ながめを何にたとふべき
この詩に原典があることを知らなかった。
春の日のうららにさしていく船は棹のしづくも花ぞ散りける
『源氏物語』の「胡蝶巻」にある歌である。
ちゃんと調べてみよう。