泉を聴く

徹底的に、個性にこだわります。銘々の個が、普遍に至ることを信じて。

完走

2017-10-08 12:22:02 | 
 

 一つの道を 走り終えたあと
 振り返って 帽子をとり
 頭を下げた 目には涙

 一つの道は 海沿いにあった
 大津波に飲み込まれ 破壊された
 大地の上に 人々は集い
 新しい道を通し 塩に強い
 トマトを植え 育て
 実りに かぶりつきながら

 多くの人々が 一つの道に
 命を吹き込んだ 完走した私が
 一つの人生を振り返り 充実の
 汗と涙を流した この道が私

 私たち 一人一人が
 命を吹き込まれた 大地に返り
 新しい道を 通していく
 一年後の再会を 支えにして

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4 コメント

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力強い! (E・T)
2017-10-11 19:22:09
この詩を読んでの第一声、
「なんて、力強い!」
初めて青い時間を読んでから15年、
もっとも書かれてからは、20年は経っているのでしょうか?
あの危ういばかりの繊細さも、それはそれで魅力的だったけど、私はやっぱしこっちがいいな。
言葉に少しのぶれがないのが、読んでてとても心地よかった。
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40にして (きくた)
2017-10-11 21:49:34
ありがとうございます。
私も今の方がだいぶ好きです。
あの繊細さを失ったとは思いませんが。
40にして惑わず、というところでしょうか。
今回ほど、マラソンと人生が一致したことはありませんでした。
完走して、心が動いて、できたのがこの詩。
書き終えて、ふと思い出したのが高村光太郎の詩。
「私の前に道はない。私の後に道はできる」
この気持ち、今ならわかります。
返信する
確かに! (E・T)
2017-10-11 22:13:55
道程ですね。
確かにぴったり!

そして
「この道より我をいかす道なし、この道を歩く。」
になるのかな・・・

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ですね! (きくた)
2017-10-12 08:15:23
「この道より我をいかす道なし、この道を歩く」
武者小路実篤の詩でした。
つながってるなーと実感します。
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