窯元日記復活

 初代宮川香山(1842-1916)作「褐釉蟹貼付台付鉢」その1東京国立博物館蔵

東京国立博物館 本館18室 近代の美術   2020年1月2日(木) ~ 2020年3月15日(日)
重要文化財 初代宮川香山(1842-1916)作「褐釉蟹貼付台付鉢」第二回内国勧業博覧会出品(明治14年 1881年)いつ見てもすごい焼物です。
初代宮川香山作 明治14年(1881)高37.0 口径19.6*39.7 底径17.1第二回内国勧業博覧会出品 東京国立博物館蔵
解説→「本物と見間違えるほどリアルな蟹。しかも蟹は二匹重なっているのが見えるでしょうか。蟹は土でその姿をつくって焼き、さらに釉薬と呼ばれるガラスを多く含んだ液をかけたのち再び焼いて大まかな色を出します。次にさまざまな色の絵の具で細部を描き焼き上げて作っています。鉢は蟹とは対照的に大きく歪んで釉薬のかかり方も奔放で、蟹のリアルさが一層際立つ工夫と言えましょう。初代宮川香山は、京都に生まれ、明治時代になると横浜に移って、主にヨーロッパやアメリカへ向けた陶磁器を多く手がけ、この鉢もモチーフをリアルにつくる輸出向けの陶磁器に多くみられる特徴を示しています。19世紀後半である明治時代の始め、こうした日本の工芸品はさかんに輸出され、人気を博していたのです。
初代宮川香山(みやがわこうざん)は海外輸出で早くから功績をあげ、明治29年(1896)に帝室技芸員となりました。卓越した技術で写実的な立体装飾を伴う作品を多く作り、本作では荒々しく力強い造形をした深鉢に、本物さながらの二匹の蟹が付けられています。明治14年(1881)の第2回内国勧業博覧会出品作です。 」(解説ColBaseから)




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