奈良国立博物館 重要文化財『如来三尊像』1面
石造 浮彫
全高104.5
彫刻
中国・唐時代 8世紀
石造 浮彫
全高104.5
彫刻
中国・唐時代 8世紀
奈良博のHPから解説「陝西省(せんせいしょう)西安市(せいあんし)宝慶寺(ほうけいじ)伝来の石仏群のひとつである。現在三十二点の存在が知られ、そのうちの二十五点が三尊形式である。中尊は、倚(い)坐像と坐像があり、右手を施無畏印(せむいいん)とするものと降魔印(ごうまいん)(触地印(そくぢいん))とするものがある。本像のように肩を露出する偏袒右肩(へんたんうけん)の服制で、かつ降魔印とする像は、釈迦成道(じょうどう)の聖地ブッダガヤの霊像の姿にもとづき、厄難の除去といった現世利益(げんぜりやく)を期待された尊像とされる。中尊の肩幅が広く胸を張った腰の細い体型や、脇侍の三屈法(さんくつほう)(トリバンガ)の姿勢は、インド風を消化した初唐期の様式を示すものである。(岩井共二)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2022, p.157, no.218. 」
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2022, p.157, no.218. 」
「陝西(せんせい)省西安市宝慶寺(ほうけいじ)に伝来した石仏群は、清朝初期に重修された現地の六角七層塔に今もある6点を含めると、現在32点(中国に7点、日本に21点、米国に4点)の存在が知られる。いずれも石灰岩の一石に尊像を浮彫しており、丸味ある顔立ち、肩幅が広く腰を絞った体型、薄い着衣を密着させた肉身表現など、インド風を消化した初唐様式の特徴が、顕著に示されている。本品の中尊にみられる触地印(そくちいん)は、釈迦成道(じょうどう)の地・ブッダガヤの霊像の姿に基づく形式であり、ここにもインドからの影響が認められる。
(稲本泰生)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2010, p.125, no.170. 」
(稲本泰生)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2010, p.125, no.170. 」