特別展『人、神、自然ーザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界』展の感想。忘れないための備忘録にお付き合いください(笑)
特別展は東京国立博物館東洋館第3室で2019.11.6-2020.2.9の3か月間行われた。行ったのは最終週に近い日でしたので大変混んでいました。
ザ・アールサーニコレクションとは…カタール王族のシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたもので、2020年には、パリのコンコルド広場に面したオテル・ドゥ・ラ・マリーンに特設されるミュージアム・スペースでも公開を予定されている。
ポスターがマスク10個が半分で表され印象深かった。
「人、神、自然」と分けられていたが、図録であとで確認しても、厳密な意味では分からなかった。
第1章<人>で印象に残ったのは①の「ラメセス2世像」下あごの一部から胸にかけてしか残っていない。②「王頭部」エジプト新王国時代さわやかな赤い赤碧玉が使われて金銅仏のようなお顔。⑧「男性像頭部」ナイジェリア前5~後5世紀のノク文化。大きい目と大きい口。西アフリカの素焼塑像。⑩「人物像(バクトリアの女王)」中央アジアバクトリア・マルギアナ複合、前2000から前1800年頃。高さ18センチだけど印象に残る。衣装は銀と金の天然合金のエレクトラムで出来て、顔と頭部は白色の石。前髪は黒色の緑泥石、両手足には貝殻。㉜「化粧用匙」エジプト新王国時代前1500~前1700年。長さ26センチの頭をあげて体を長く伸ばした泳ぐ若い女性の姿。㊳から㊸までは日本では珍しい古代ギリシアの赤絵式の壺。高さが100センチを超えるものもあり、少しゆっくり拝見。前300年ごろのもの。
㊹から㊻はマヤ文明の仮面。5~6世紀で翡翠と貝で印象的な仮面。
第2章<神>では㊾の「女性像(スターゲイザー)」アナトリア前3300から前2500年。抽象化された人物像で宇宙人のようで(笑)単純化された中に洗練されて20センチの大きさなんだけどスターゲイザー(星を見る人)の愛称がつけられているそう。
56は<浮彫>100年前の古代南アラビア。アラバスタ―に高浮き彫りで左腕に胸を当て、右腕から肘をあげる女性像。実際のイヤリングが耳たぶに通り、首のネックレス、ブレスレット。目には象嵌。富裕な女性。高さ108センチと大きい。60の<精霊像>中央アジアオクサス文化。前3000年紀と古い15センチの小さな像。
第3章<自然>
75「アイベックス」前1千年紀の古代南アラビア文化。青銅。アイベックスは後方に反った角をもつ野生のヤギだそう。高さ112センチと大きくて角も湾曲して立派。神殿の入口に置かれていたものと考えられているそうだ。76「ネコ」77「ヒヒ」78「ヒョウ」それぞれ素材は違うがエジプトの彫像。82「リュトン」アナトリア半島前2千年。金製の鹿型の容器。このあとリュトンが続く。109「鼻飾り」ペルーのモチェ文化2~4世紀金とラビスラズリまたはソーダ石でできていて、歯をむき出しにして唸る動物・・何かな・・(ネコ科のジャガランディとしている)鼻に吊り下げて、口元から顎を隠す鼻飾り。会場は狭かったけれど、面白かった。
全117点。
図録 279p 2500円+税