「昔語り下絵僧」東京国立博物館蔵黒田記念館収蔵品 黒田清輝筆 明治29年(1896) カンバス・油彩 78.8×42.3 KU-a037
解説→「《昔語り》の着想を得たのは明治26(1893)年の京都旅行の折、東山の清閑寺で寺僧が語った平家物語中の小督悲恋の物語を聞いたことによる。画面は6名の人物で構成され、一人一人の入念なデッサンや油彩による習作を経て、完成作(戦災で焼失)へと至った。 」
解説→「清閑寺住職の岩佐恩順が僧のモデルとなっている。焚火をかこむ2人づれと仲居、舞妓に熱心に語りつづける僧侶の顔には年輪が刻みこまれているが、風貌にはどこか野卑さがあり、仲居と並んで興味深い個性を感じさせる。」
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