「舟橋蒔絵硯箱」東京国立博物館蔵 国宝 1合 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 総高12.0 蓋高9.1 蓋縦24.3 蓋横23.0
身高4.0 身縦22.6 身横21.1 (㎝)(寸法は文化遺産データーベースから)
身高4.0 身縦22.6 身横21.1 (㎝)(寸法は文化遺産データーベースから)
解説→「蓋(ふた)を山形に高く盛り上げた、本阿弥(ほんあみ)光悦(こうえつ)独特の形の硯箱。『後撰和歌集』の和歌「東路の佐野の(舟橋)かけてのみ 思ひ渡るを知る人ぞなき」の文字を散らし書きのように配す。豪華でありながら簡潔な印象を与える、光悦の蒔絵の中でも最も洗練された作行の名品である。硯(すずり)と水滴(すいてき)、筆やペーパーナイフを収めるための箱で、高く盛り上がった蓋のかたちと、大胆にクローズアップされた舟と橋の図柄が印象的です。蓋の表面は、漆を塗った後、金粉を隙間なく蒔きつけ、研ぎ上げて仕上げる「沃懸地(いかけじ)」で、さらに粘り気の強い漆で金粉を蒔きつけて線を表わす「付描(つけがき)」の技法によって波を描いています。並んだ舟の上に、斜めに大きく表された橋には鉛(なまり)の板を使い、ランダムに置かれた文字は銀の厚い板を用いています。文字は組み合わせると源等(みなもとのひとし)という平安時代の貴族が詠んだ和歌の歌詞となりますが、歌詞にある「舟橋」という文字は図柄で表されているので省略されているのです。作者の本阿弥光悦は、17世紀前半に活躍した京都の人で、刀剣の研師(とぎし)の家に生まれながらも、書や陶芸、そして漆工の分野で才能を発揮しました。この硯箱は、大胆な形状や図柄でありながらも、金・銀・鉛を巧みに使い分ける絶妙なバランス感覚や高度な技術によって、洗練された印象を与えています。 」(中写真と解説ColBaseから)
解説→「中世の意匠を伝統的に受け継いだ蒔絵作品とは異なる洗練された装飾性が見られる。この硯箱では、大胆な器形に草書体の文字を散らし書きにし、書の美しさを発揮している。下絵としての蒔絵が文字と舟橋とよく調和している。
こうした器形並びに意匠は大胆かつ斬新で、本阿弥光悦(一五五八-一六三七)の作品としてすぐれた芸術性をよく伝えている。」(文化遺産データーベースから)
こうした器形並びに意匠は大胆かつ斬新で、本阿弥光悦(一五五八-一六三七)の作品としてすぐれた芸術性をよく伝えている。」(文化遺産データーベースから)





