以心伝心 from Bolivia

青年海外協力隊として2年間、ボリビアの小学校で活動。

ソーランで一つに!完結。

2011年12月05日 | 日記
卒業式前日まで3日間出張があり、学校を離れていました。

出張の最終日、移動禁止で延期になったボランティア総会「虹の架け橋」も無

事に開催することができたくさんのボリビア人が来てくれました。
(後日紹介します!)

いつも8時間は睡眠を取るわたしが、出張中は様々な準備で約4時間、どっと

疲れがでました。

これでホッと一息。かと思いきや、任地に帰った卒業式前日、延期分の「分

数」ワークショップを開催し、間違いなくホッと一息・・かと思いきやその後

にソーランの最終練習をし、子どもたちを返した後は、はっぴ作りに遅くまで

励んでいました。これが思った以上に終わらなかったんです。

「先生が夜なべ~をして、はっぴーを縫ってくれた~」って疲れた頭の中で

流れていました。

さて、そんなこんなで、卒業式当日を迎えたわけです。

目の下は真っ黒、頭は重いし最悪のコンディション。

でも気合いは十分!

帯をビシッと締めて、浴衣を着ていきました。

スーツを着て指揮するラグビーの監督のような気分で。

学校へ着くと、子どもや親でごった返していました。

失踪していた校長もバッチリいます。笑 理由はここでは話せません。

舞台は整っています・・・が、あることに気づきました。

ぎゃーーーーーーソーランの曲を忘れた~!!!!

子どもたちそっちのけで、家へ向かって浴衣で走るはしるハシル・・。

「こんな時にこんな走りにくいもの着るんじゃなかったートホホ」と後悔。

机にあったCDをもぎ取り、元来た道をひたすら走るはしるハシル。

途中でタクシーがつかまり、歌は始まっていましたが間に合いました。

プログラムを見ると、8番目。なーんだまだまだじゃんと余裕をこいていた

ら、その歌はすでに5番目だったのです。

みんなのめあてを壁に貼り、ソーランの子に集合をかけました。

かけるといっても、人ごみの中から見つけていく感じです。

なんで卒業生なのに席がないのか疑問ですが、とにかく全校生徒でごった返し

ていました。

はっぴを一人ひとりに渡し、一人ひとりめあてを言いました。

私も自分のめあて「心をひとつに!Juntar las corazones!」と叫びました。

すると子どもたちが、「先生も踊ろうよ。ずっと一緒に練習してきたから、踊

りたい」と言い始めました。

わたしは、最後は子どもたち全体の姿を見るほうがいいかなと思っていまし

た。一人ひとりの顔を見れるし、と。

けれど、みんなが「そうしようよ!」とワイワイなってきたので、

「踊っちゃおっか!いえーい!」

ということになり、急いで事務室に置いていたはっぴに着替えたのでした。

あまりのドタバタぶりに、初めて最初の巻きのところでふらつきましたが、子

どもたちのパワーが背中を押してくれました。最後カメハメハの決めのポーズ

までみんな全力で踊ることができました。

完全燃焼!

踊りが終わったあと、一列に整列し「グラッシアス!!」と礼をしました。

一人ひとりと握手をすると、それはもう子どもたちの顔は誇らしげで、わたし

は心から嬉しくなりました。

子どもたちの心に何か伝わったかな、と思っていたら、最後に校長の話で驚く

べき事実が判明!

「バレンティンアベシア小学校は、これまで5年生まででしたが、来年から6

年生までになることが決定しました」

「エーーー!!!!」嬉しさと拍子抜けが混ざった感情でした。

驚きの発表に、保護者も子どもたちもざわついていました。

5年の先生が一番驚いたに違いありません。

ボリビアらしいといったらなんですが、いつもこうなのです。

なので卒業はなくなったわけですが、子どもたちとソーランを通して成長して

きたことは確かです。

ところで、反抗期女子は来ませんでした。

すべての踊りが終わった後に、彼女は来ました。

「ずっと待ってたよ」そう言うと、彼女はちょっと苦笑いをしていました。

きっと迷った末に踊らない道を選んだのだろうけれど、彼女が自主練に来てい

たことをわたしは知っています。彼女なりに精一杯できたんだと思います。

あと一歩、乗り越えられたらよかったけれど、それはまた次のステップに。

わたしもわたしなりに精一杯できたので、悔いはありません。

それでもやはり一緒に踊りたかったというのが本音ですが、それでも人には人

の心のペースがあるから、それでよし!とします。

               
               全員じゃないけど、残っていた子を集め記念写真。
               
               ボリビアで流行のポーズは?というとコレらしい。笑

                 
     ソーラン完結!!わたし早く担任したいッス!!!

                 

おもいをつなぐ

2011年11月26日 | 日記
本日は午前中田舎へ行って、午後は学校に行きました。

きょうは学校はないのだけれど、もしかしたら練習したいと思って来ている5年

が居るのではないかと思い、顔を出してみると・・・

うぎゃっ! 反抗期の女の子が!!

思い切り抱きしめました。

彼女の心も仕方なくONになり始めたようです。

間違ってもいいから、思いっきり!!だよ。

                

はっぴを着せてみると、明らかに袖が長い・・・。

反抗期女子に天然女子、スマイル男子の3人と練習をしました。


さて、田舎の話をちょっとしようと思います。

同僚のサンドラブロック似アナベルと、田舎の子どもへ靴を届けようプロジェ

クトの計画を話し始めたのは半年前。彼女のお父さんが働いていた学校の子ど

もたちはお金がなくて靴が買えないでいるという話を聞きました。もちろん靴

を売っている店なんてないので、タイヤのゴムで作ったサンダルをはいていま

す。靴を届けたい。でもどこから手に入れるかが課題でした。うちの学校

は公立なので、自分たちの暮らしで精一杯。そこで、アナベルが午前中働いて

いる学校が私立なので、いらなくなった靴を集めやすいのではないかと考えま

した。かなりの時間が経ちましたが、少しずつ集まり第一回は女子の靴がたく

さん集まり届けることができました。男子の靴がなかなか集まらなかったので

すが、半年かけてやっと男子の分も集まりました。

                  
                   ぞろぞろと集まる男子たち。
                  
                  サッカーボールがないと聞いていたので、
                  ボールをプレゼントしました。
                  
                      日本とボリビア。
                 「夢を見つけること、友達を信じること」
                 と願いをこめてメッセージを書きました。
                  
                   サイズがあってよかった。
                                   
          発展途上国は海外からの支援が必要な面もあります。

          けれど、同じ国の中でも助け合えるものはあります。

          自分のくらしを振り返り、人のくらしを見つめ共に生きる
          
          ることができれば、世界はもっとよくなるだろうな。

          

学ぼう

2011年11月25日 | 日記
壊れたスペイン語で暴走中です。

怒涛の2日間ワークショップが終わりました。

本当は3日間の予定だったのに、学校に行くと今日はないわよ~と言われ、用

意したのにがっくし。その代わり、ソーランを踊りたい女子が3人が来ていた

ので、誰も居ない広場で秘密の特訓をしました。本日嬉しかったのは、蚊の鳴

くような声しか出なかった、というか恥ずかしくて出せなかった女子が、大き

な声を出せるようになったことです。踊りも前と違って、やる気オーラが出て

います。デジカメの動画で自分たちの踊りを振り返りつつ、特訓の成果が出

て、彼女たちの踊りはとても上達しました。頑張り抜いた彼女たちの心が気持

ちいいです。


さてワークショップのほうは、一日目は高学年の「面積」を行いました。

                
                複合図形についても、既習を生かすことを
                大切に!

参加したいと言ってくれた他の学年の先生たちも何人か来ました。教員養成所

の先生も来てくれました。算数勉強会の先生たちも来てくれました。

先生たちの顔を眺めると、この1年4ヶ月でたくさんの繋がりができたんだ

なぁと感じます。

中でも嬉しかったのは、1年前木の棒でバチバチとものを叩いて子どもたち

を指導していたおじちゃん先生へナロが、自分の学年ではないのにやってきた

ことです。関係ができてきたってことかな。
                
                ヘナロ君、平行四辺形の面積をどう求めた
                のか自分の考えを説明中。

子どもの気持ちになって考えることでどんな手立てが必要か気づくこと、

そして子どもたちが算数のよさを感じる授業を目標にしています。

                 
                3年のスパルタ系おばちゃん先生の姿も。

学ぶ機会を保障するというのは、子どもだけでなく先生も同じだと考えます。

わたしも教えることで学んでいます。

日本の学校で学んだことをボリビアで伝えることは、文化や習慣も違うので

難しさはあります。そしてスペイン語で伝えるという難しさも。

けれどソーランの練習でも感じたように、ちがいはあっても、そこに価値を見

出していくことや本質を見るということは違わないと思います。

このブログのタイトルのように、最後は以心伝心。

心を以って心を伝えることではないでしょうか。

心は「ここ」にあります。

自分の中にじゃなく、自分と相手のあいだにね。

さーて今日はぐっすり眠れそうです。。

ソーランで一つに!9日目

2011年11月20日 | 日記
今週は、ちょっと疲れた。

いつも来ていなかったある女子が、久しぶりに練習をしにきた。

みんなで一生懸命に取り組んでいるのに、彼女は完全にやる気なしオーラ全

快。わざと腰を高くして踊ったり、顔もふてくされていた。

彼女の踊りが嫌な理由はただ一つ。

「きつい」

わたしは、足が痛いなら無理をしないでいいけど一生懸命にやろうって心が大

事なんだよと彼女に伝えた。

踊りに必要なのは、心だよ!心。

だけど、まだ彼女の心はそこまでいってない。

みんなが少しずつ上達する中で、そんなの自分にはできない、もう嫌だと投げ

やりな状態になっている。

「日本の踊りなんて大っっ嫌い!!!」

するどい目で彼女がわたしに向かって吐き捨てたとき、プチーーーーン。

沈黙・・・。言葉が出てこない。

「明日も練習においでよ。少しずつできるようになるからね。」

なんて単純な言葉かけ。

いまのわたしは日本語のようにスペイン語で話せない。

悔しくて泣きそうになる。

心が大事だよっていったって、なにか彼女に響くことを言えているかというと

そうでもない。はぁーー。

来週に、3日連続で算数の研修会をやるための準備も大詰め。

そっちのほうも言いたいことが言えないもどかしさ。

でも、やれないことを嘆いたってしょうがないんだってことには分かってる。

ないものをねだりを捨て、いまの自分の力でひたすら一生懸命にやっていくこ

とだけに専念しようと思う。

ソーランで一つに!8日目

2011年11月16日 | 日記
いよいよ練習も大詰め。

来週から子どもたちは学校へ来ないという情報を聞く。

今週でやれるところまでやるしかないってこと!?

それにしても何で2週間も間をおいて、卒業式なんだろう…。

みんな踊り忘れないかなって心配になってきた。

悲しいかなそれがボリビアなのです。

そして新しい校長も失踪してしまい、困っています。

色々納得のいかないことや空しくなることもあるけれど、もう自分の信じる道

を進むことにしています。

泣いても笑っても、残り5ヶ月を切ったのだから。

子どもたちには、常に目標を意識して取り組ませています。

              
              らっせーらーらっせーら。自分も気合い十分ッス!!

挨拶はもちろん「オッス!!!!!」

なんだか応援団みたいになってきました。

わたしは、こうやって熱くなってるときが一番楽しい。

一見くだらないようなことに、青春を感じる。

日本でもボリビアでも、宇宙に行ってもたぶんそう。

結局、人は変わらないのです。

この子たちなりに、少し根性が見えてきたかなぁと感じる今日この頃。

頑張りに応えるべく、日曜日に市場へ布を買いに行きました。

子どもたちのはっぴを手作りします。

正直、縫いものは得意じゃありません。

けれど手回しミシンを借りれることになったし、頑張っている子どもたちのた

めにやるだけのことはやってみます。

変てこなはっぴになったら、御免…ね。