世界最高齢の理容師認定を受けた人が栃木県の山あいに、今も現役で働いていると記事にある。御年107歳である。(朝日3/2参照)
記事の中で注目したのは、「山あいで小さな床屋を開いて70年余り。90年近く使い込んだ愛用のハサミは、今も自ら研ぐ。」というくだりである。90年前と言えば、1934年(昭和9年)のNHK記事に、『南満州鉄道に特急アジア号が走り、満州国のイメージアップと技術大国日本を喧伝した。』とある。それなりに高い技術が国内にもあったのか?あるいはドイツ製?だろうか。良いものを大切にする心意気と共に、なんとも気になるハサミである。
それと、栃木県の山あいの小さな床屋さんを70年営んでこられたことに、尊敬の念を禁じ得ない。小生の生まれた時からということだから、その商いの年月に驚嘆するばかりである。その床屋さんに通っている人々の幸せを、しっかりと支えてこられたのだと想う。
川の流れのように、刻一刻と新しい水が流れる川面のような社会で、その川の傍らでしっかりと動かない岩のような、川にも社会にもなくてはならない大きな存在なんだろう。