天声人語に載っていたのは、『雨が降った/それもいいだろう/本が読める』(武者小路実篤)
庶民はそんなに本は読まないとの思いで、雨だとしんどい体を休ませてあげられるし、なによりゴロンと横になって好きなテレビやお酒をちょびり飲めるということにしたのである。
どっちにしろ、偉い学者に限らず庶民でも、雨を肯定的に受け止める人間のおおらかさや懐の深さが出ている名文句に違いない。
ここ何日も雨が降っていないが、こう連日の猛暑だと一雨ごとの涼しさが恋しい時期になってきた。
注:武者小路実篤と言えば、新しき村という理想郷をつくったことでも有名である。誰しもが考える崇高な野望だが、継続は力なりを実践するのは並大抵ではない。そこにこそヒントが隠されているのが、ちょっと一服という怠惰の勧めではないか。「仕事を休める」というアフリカの民のスローライフな生き方だろうと勝手に想像をめぐらす。