飾らない 素直な 自分らしい毎日に乾杯!

知床岬の携帯基地局事業反対の意見書に想うこと

世界自然遺産・知床の携帯基地局整備事業に、日本自然保護協会が事業への疑問や慎重な検討を求める意見書を提出。(朝日デジタル)

日本だから意見書で済むんだろう。環境問題に敏感な先進国だったら、こんな不細工な事業計画はそもそもあり得ないような話だろう。事業自体が相当に荒っぽいし、何を目的に開発するのかも疑問だ。

知床半島では2年前の小型旅客船「KAZUI(カズワン)」の沈没事故後、総務省主導で携帯電話のエリア拡大を進めるプロジェクトが立ち上がり、先端部の知床岬と岬東側のニカリウスの2地区で建設が進む予定 (朝日デジタル)

どうも粗雑な行政だと云わざるを得ない。最近の環境省はどうしたんだろう。省が出来たいきさつ(注)をも忘れたんだろうか。懇談会でマイクのスイッチを切るような省庁に成り下がってしまったようで、本当に嘆かわしい事件が続いている。
注:「環境の保全こそは、⾏政が注⼒しないといけない最も 国⺠に密接した政策課題で、いつも⼈々に寄り 添うという気持ちだけは持ち続けた省」だと省の50年史に書いている。また、公害問題について今後の最重点課題として取り組むために1971年にできたいきさつがある。
問題は、携帯電話が通じなかったことではない。電話が通じたところで、2時間以上かかって現場に到着しても誰も助かる人はいない(0度だと30分で死に至る)からである。問題の本質を外して枝葉末節な対策を打っても何にもならない。何をどう間違えて開発の音頭を執ったのだろうか?あまりに軽薄短小で噴飯ものである。
ここは国土建設省が音頭を取って、観光行政をきちんと見直すのが行政の常道である。こんな危険な観光をどうして許可するのか不思議でならない。観光ではなく冒険であることを肝に銘じて対応していたら、知床岬の開発も反対の意見書もでなかっただろうに残念でならない。
もう一つ付言すれば、海ほど危険な場所はない。何しろ海中が見えないし天候が急変することは日常茶飯事である。少しでも海の知識があれば観光船を寒い時期に走らすことなど絶対に許可しない筈だ。こんな行政では亡くなった方が浮かばれないことは明々白々である。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「社会の動き」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事