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鬱陶しい梅雨空のもと、なんとなく晴れ晴れしない日々が続いている。日本列島がそうなんだろう。
仕事先での話。早朝の時間帯、たまたま入り口のマットを見ると波打っている。これではお年寄りがこけてしまうと想い、ガムテープを剥がしてやり直した。その直後にお婆さんが雨の中を押し車で来られるのが目に入った。小さな段差に押し車が押せないようだった。
急いで駆け寄ってお手伝いをして入り口まで来たとき、よろけて倒れこまれた。咄嗟のことで手で支えることすらできなかった。直ぐに抱きかかえるようにして起こしたが、怪我でもされていたらと思うと気が気ではなかった。お礼を言われたが、我ながらもう少し気配り目配りが出来なかったのかと自責の念にかられてしまった。
ただの親切心だったとしても、状況をきちんと把握し、やるべきことを明確にせずに行動に走ったら『生兵法は大怪我のもと』であると痛切に感じた出来事だった。