なんか出会い系サイトのタイトルみたいだな…。
先週26日に文京区のホールで行ったバックカントリーのイベント、
「憧れのパウダースノーへ」にご参加くださった皆さん、
ありがとうございました!
たくさんの人が話を聴きに来てくれて、昨年のBC映像を見てくださいました。
ワクワクドキドキの季節となって、みんなハッピーな顔をしていましたが、
僕には、更にハッピーな出来事がこの会場であったんです。
この日の午前中に新宿の西戸山という小学校で講演をしてたんですね。
そこで、保護者のお母さんたちや先生たちに、
「子供たちに自然や山を体験させる事は大切なことですが、
翌日からすぐに、それらが好きになっていったり、
彼らの生き方に変化がおこると期待しちゃダメですよ…。」
「…でもきっと、5年後、10年後、20年後には、その頃を思い出して、
単純に自然を好きだと思ったり、大切だと思ったり、山に行きたいと思ったり、
人間が生きていくのに必要な“力”を自然と親たちが教えてくれたんだとか、
何かを感じてくれるようになってくれるはずです。」
…みたいな話を生意気にもしてたんですね。
そのときに、壇上で話をしながら僕は20年くらい前の事を
なぜか思い出してしまいました。
それは、まだ僕が大学生2年のときに近所の喫茶店のオーナーの子供とか、
知り合いの子供たちを連れて、北アの唐松岳に出かけたときの話で、
僕にとっては、子供のご両親から初めてガイド代金まで貰ったりして、
ガイドの仕事の第一歩、原点となっている出来事です。
“そういえば、俺のガイド人生は、あそこから始まったんだなぁ…”
“あの子達は今頃どうしているかなぁ?なんて名前だったっけなぁ?”
“あのときの事を覚えていてくれてるのかなぁ…”
なーんて、頭の中に次々思い浮かべながら講演をしていました。
夕方、文京区のホールに移動してBC講座の準備をしていると、
時間となって、お客さんが入場しはじめたんです。
その中から、髪の毛クルクルで無精髭の男性が僕に近づいてきて、
「あの~僕、母親がシャトーっていう喫茶店をやってまして…」
と、話し始めたとたんに僕は突然彼の名前を思い出し、
「クニちゃん?!クニちゃんだよねぇ?」って、口に出していました。
その男性は、あの唐松岳に連れて行った小学生の一人でした。
もう、全身鳥肌が立ちましたよ!!!
こんな事ってあるのか!ってね。怖いくらい。
「今日の朝に君の事を思い出したところだったんだよ!」って、
興奮して、感動して、もうウルウルしながら、
その“元小学生”と話をしました。
彼はね…、
「ケンジさんに連れて行ってもらった山やスキーが
今の僕の人生に大きな影響を与えている。」というような事を言うんです。
「その頃は気づかなかったけど、あの頃、山のゴミを拾って歩いたり、
自然にたくさん触れたりしたことが、人間として生きるのにとても大切だった。」
なんて事を僕に話してくれた。
「ああ、僕は世の誰に認められなくなっても、
僕がやってきたことを彼が認めてくれただけで十分に幸せだ!」って、
本当に思いました。
あの時はじめた事は、間違ってなかったんだってね。
中学・高校とスキー部に入り、20歳からスノーボードをはじめ、
結婚して子供が生まれ、登山も始めるようになった彼。
雑誌の登山教室の告知を見て、僕を発見して会いに来てくれました。
いい話でしょ!?今年のバックカントリー、幸先の良いスタートです!
PHOTO:カナダのBCエリア「キャンベルアイスフィールド」の夕陽