マッサージ整体
こんな記事がありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20120802-00000045-jnn-soci&1343927655
FBでも話題で賛否両論です。
骨折という事実は否定しませんし、身体的問題が生じたことも否定ません。
考えてみたい問題がいくつかあります。
1:肩こりや、腰痛を抱えている多くの人がマッサージや整体、カイロに来るか?
肩こり、腰痛を治す保険適応の医療機関は整形外科、柔整、鍼灸、、マッサージ師です。
ただし、柔整は急性が外傷の応急処置です。
いわゆる日本の医療系の国家有資格です。
ここまでは保険適応ですが鍼灸マッサージは医師の診断と同意がなければ保険適応になりません。
この範囲で患者さんの抱えている問題が解決すればokです。
現状は解決できないから民間医療に流れていくのでしょう。
この事実は否定できません。
2:有資格者の範囲で問題解決すればここから先のことは必要ありません。
そこで問題解決しないと、巷のマッサージ、整体、カイロといったいわゆる民間施術院に期待してきます。(期待が味噌です)
勿論、無資格と言ってもそれなりの身体に触れる際の知識や技術を身に付けて開業したり、勤めているわけです。
また駆け出しでも、そこで経験を積み、腕のいいせじゅつしゃになっていきます。
これは、民間医療にかぎらず外科医、歯医者さん、看護師さんも同じです。
現在の医療系の学校は知識や臨床技術を磨くところではなく、国家資格に合格するための学校です。
よって、資格を有しても臨床的に効果を出せるかというとそうでもありません。
臨床的経験を現場で積んで初めて臨床が出来るというものです。
勿論、人の体をみるためにはそれなりの基礎教育が必要なリますが、臨床医療とはまた違うものです。
そういう意味では、国家資格を取得する目的で学校に入ることで最低限の基礎医学は学べるます。
知識だけでいうと学校に入って国家資格を取得した方がいいでしょう。
ただし、総臨床ができるかというと言えないですね。
3:「門前の小僧、経を読む」毎日同じ事を繰り返し、あるいは腕のいい先生に師事して丁稚から磨きあげた技術は見逃せません。
臨床的経験からく知識や技術も大変素晴らしいものが有ります。
また、そのような方でも臨床効果は目をみはるような効果を出す方も沢山います。
看護師さんやお医者さんでも注射の打ち方が痛い方と痛くない方がいます。
たかが注射ぐらいで痛いだの、痛くないだの文句をいいうなと言われかもしれませんが、差にあらず名人は当たり前のことをさり気なくやります。
どうせ注射を打つんだったら痛く無いほうがいいに決まっています。
資格だけでは注射はうまく打てません。
小生はほねつぎをしていました。
ほねつぎは脱臼、骨折を無血で整復しますが、これは当たり前のことです。
無血で骨折、脱臼を整復し後療を行うことが仕事です。
これは技術云々で片がつく問題ではなく、怪我人に対して触れてもいいか(処置してもいいか)という問題が派生します。
よって、無資格ではありえないことです。
交通事故の現場を通りかかって怪我人を処置するのとは一緒にできません。
4:施術を行う(何を目的で)法律的には制限があるが、知識としての勉強をすることに関しては法律上の問題はありません。
勉強をして法律に触れるるから勉強しては行けない・・・なんてことはありえない。
まして、ネット社会では調べればありとあらゆる情報は入ってくる。
勉強好きにはたまらないだろう。
そうやって知識が増えると勘違いする方がいる。
何でもできると・・・・
特に、身体を機械的に見ている方が問題を起こしやすい。
機械的に見て力学的に力を加えて身体をなんとかしようと考えると問題が生じやすい。
人間は生命体であるがゆえ有機的な勉強をすることが矛盾がない。
現代医学は身体を機械的に見ていくことが得意とする分野であり、そちらの知識を学ぶことで更に臨床にも機械的にみる傾向があります。
5:法律的に見てどうなのか?
資格云々でこの問題を見ると、法律という枠でどこまでが施術でどこから癒しなのか明確なラインが定まっていないこともいえます。
また、無資格の方が「マッサージ」という文言が適切なのか、「マッサージ」はマッサージ師の資格を持っている方が使える文言であることが一般のかたはわかりません。
また、マッサージの頭に◯◯マッサージと付けていればなんでも可能になります。
まして、マッサージはすでに一般化された文言で社会に定着しています。
資格云々でもう一つ大切なのは、資格に胡座をかいて知識や技術を磨かず利益優先の治療を行うjことです。
こんな言葉が有ります。「治さず壊さず」これは小生が整形外科に勤めていたときによく聞いた言葉です。
何を言わんとするかわかると思いますが、こんな先生は話をよく聞いていい先生と云われることもあります。
法律では看板、広告の制約が有ります。
医療系の国家資格を有する方の開業できるのは、柔整、鍼灸、マッサージです。
これについては細かな施術院の開設に伴って決まりがあります。
治る、治す、ヘルニアが治る、脊柱管狭窄症・・現代医学で使用する傷病名や治るとか言った文言は使えません。
無資格の方は勿論、柔整や鍼灸も厳しい制限が有ります。
柔整の資格をとって開業して本来の脱臼や骨折は皆無に等しい現状では、慢性的な疾患を相手に、今は保険をとれるだけとれといった感覚で開業しているの
が方多いはずである。
資格を取得して臨床的な経験もなくてすぐに開業し、盛業を目指して集客に力を入れます。
この力の入れ方は患者さんの期待に答えようとしてのことだろうと思いますが、知識技術もないのに期待感を煽るのもいかがかと思います。
小生も代替医療の世界に身を置いているが、現状では「職業選択自由」という法の元ではきっちりした線引をしないと一番の迷惑を被るのは患者さんである。
資格云々より目の前の人とのラポールを構築させて行くことが大切だろうと思います。
また、施術者は金儲けに走らず、できるものとできないもの、やっていいものとやってはいけないものを明確に自覚して真摯に向き合うことが必要だろうと思う。
また、誇大広告で患者さんの期待を煽り結果が出ないと患者さんのせいにしているとミスマッチが生じて、誤解を招き感情的にこじれるとこのような問題が生じるでしょう。
また、治る治らないは患者さんの生命力であり、施術者はそのお手伝いであり、決して施術者の技術で治すのでは無いことも知らなければならないでしょう。
手技療法の方は意外と治すことに目を向けて、己の技術に酔いしれていつの間にか患者さんを置いてきぼりにしていることがあります。
技術の自己満足で患者さんの満足度がありません。
筋骨格系の問題を機械的に考えることこれらのことが生じやすいはずです。
そろそろ気づいて行かないとこのような問題は後を絶たないし、無資格者の制限が更に規制されることは予測できると思います
拳骨