サックス奏者 中村健佐のブログです

サックス奏者 中村健佐のブログです。日々の活動やその他、徒然なるままに書いていこうと思います。

2009年01月03日 02時52分55秒 | Weblog

お正月2日です。だいぶ前にアマゾンしてたDVDで「三丁目の夕日」を観ました。
これまた「今ごろかいな?」・・・ですけどね^^;)

いろいろと考えさせられる?というか、考えてしまいました。
それは、ちょうど「崖っぷちニッポン」なんていう’朝まで生テレビ’を観て、年を越した
翌日でもあるから?・・・特にですね。ズッシリとしてしまった。

映画の舞台は「昭和33年」・・・東京タワーが建造中の時期。
映画の宣伝コピーにある
「携帯もパソコンもTVも無かったのに、どうしてあんなに楽しかったのだろう?」
「何もなかったけど、夢はあった」
・・・に集約されます。
自分が一番打たれたのはラストのシーン。
東京タワーが完成するが、それこそ
「木造の平屋?が立ち並ぶ平べったい街に’バベルの塔’がごとくそびえ立つ巨塔」。
そう、今でこそ高層ビルに囲まれて、何も驚きはしないのだが、「あの絵」には本当に
驚いてしまった。
何でなんだろう?と首をかしげてしまった。。。
それこそが「何もなかったけど、夢はあった」・・・という意味なのかもしれない。

この4年後に自分は生まれている。
色々な不思議が感じられる。

「日本最初のTVは力道山、それを町内に1個のTVで」とか言われる4年後です。
そして3つか4つの頃はウルトラマンや外来番組のサンダーバードを毎週観ていた。
この映画の舞台の昭和33年は終戦から13年・・・。たったの13年。
映画の中でも走っている自動車は外車ばかりだ。昔のビートルとか。
ひとくちに「高度成長期」とか言うが、この時代、そう自分もものごころ付く前の
この時代にいったい何があったのだろう。。。

「男達の大和」という映画を観た時にも痛烈に思った。
自分は終戦後たったの17年で生まれている。
親の世代、祖父母の世代が疎開していたという話はもちろん聞く。
けれども、実感は・・・ない。
記憶をたどってみても、「豊かな現代社会」に入りかけていた実感しかない。
・・・あれは教科書の中での出来事・・・のようにだけ・・・
そしてこのとんでもないスピードでの発展だけを成し遂げてきた・・・
「この時代の日本人」を考えて涙した。

「三丁目の夕日」を観ても同じことを考えさせられる。
街のお医者さんは舶来のスクーターに乗っている。
そして外車ばかりが出てくるが、ダイハツのミゼットがふんばっている。

「平たい街に’バベルの塔??’」という東京タワー。

そのバカげた??ぐらいの「夢に向かったエネルギー」があった時代なのであろう。
「絶対にでっかなビルジング建ててやる!!」というセリフがあったが、
まさしく「何もなかったけど、夢はあった」・・・なのだなぁと思った。

昨今のご時世に、こんなの観てしまったからかな??悔しいものである。
逆だなぁ・・・「何でもあるけど、夢はない」と、現代社会には当てはまるのか。

「夢」って何だろう?
以前にコンサートでもMCで話したのだが。
フジTVでオグラさんが
「男のロマン、夢・・・女性には子供っぽい?とかくだらない?とか言われるが
その無邪気な’夢’・・・それが原動力となって橋を架け、ダムを造り、
自動車を走らせ、飛行機を飛ばし、・・・高度成長を・・・」と語っていた。
そう、そうだよなぁ・・・と強く思ったものである。

どこまで、どうなってしまったのか?
今の時代、夢を持っている人はいない・・・とは言わないが、明らかに’昔より少ない’
のではないかと思う。
「安定した雇用」「先行きの不安」「生活していくのがやっと」「生きていくの
って大変」・・・
年越しの’朝まで生テレビ’、6時までやっていた内容は
「技術力では負け、自動車産業を主軸とした工業国としてはもう終わり。現在の
不況、失業社会を脱するには農業に株式会社の参入を許し、雇用の確保を。
そしてセーフティネットも充実させ・・・」であった。

なんで?
そもそも日本人は欧米人とは体の作りに始まり、国の構造からして違う・・・。
同じ食生活を送れば健康を害し、同じ社会システムを習えば少子化が起こる。。。
物を造って、売ってナンボ・・・物造りの国。
これが「お金でお金を増やす」欧米システムを真似る方向に走ったこと・・・なのか。

戦後、たったの15年で・・・とか書いてきたが・・・15年・・・
以前は長く感じたものだが、今の年齢だと「あっという間に感じる」時間である。
15年、高度成長が動いたのと同じくして、現代社会も何かの方向に大きく
動いても不思議ではないだけの時間でもある。

どう動くのだろうか??

諸先輩方が精一杯築き上げてきてくれた’工業国、世界一の技術国’・・・
この誇りを捨てざるおえない時代が来てしまうのかもしれない。
羞恥心とパボが歌っている曲をTVで目にするたびに、目頭が熱くなる。
一日中’お笑い’が流れている正月TV、社会に現実を忘れさせる手段は
これしかないのか?・・・と、笑いながらも悲しい。

どう動くのでも仕方ないと思う・・・
けれども、現代社会からこれ以上’夢’は無くならないでほしい。

長文御免m(_ _)m
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5 コメント

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がんばりましたね! (fumi)
2009-01-03 18:58:29
あけましておめでとうございます!
長~文頑張りましたね!
私も”三丁目も、男達・・・”も観ましたが、たしかに健佐さんの仰る通りですね!
2009年、色々不安で心配なことばかりの幕開けですが、突っ走らずじっくりと一歩ずつ前へ進みたいものですね!
物造り大国は、日本の男達が夢を追い造ってきたのは確かです!そしてその蔭で泣きながらそして強く見守り支えてきた女達もいたこと・・・。
その図式は今の日本に無くなりつつあります!
私たちは便利になり過ぎ、これ以上何を望むのでしょうか・・・

今年もおからだに気をつけて充実した一年にしてください!
今年もよろしくお願いいたします。
返信する
夢と希望 (hana)
2009-01-04 21:26:08
夢と希望は一番好きな言葉。どんな時もどんな所でもいつも持ち続けたいとこの年ですが思ってます。大事な事です!
…初夢も毎年楽しみにしてるのに今日になっても毎夜真っ暗で…知人に言ったら、真っ暗な初夢なんじゃん!と言われ、エエッと落ち込みました。お正月そうそう、一年を占う初夢が真っ暗!?やはり…夢と希望を大事にしたいです!
昨年に引き続き今年もよろしくお願いしますね。
返信する
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます! (たみ)
2009-01-04 22:58:29
三丁目の…は、ちょうど去年の今頃に観ました!とても感動した事を覚えています。私もあの時代を幼い時に過ごし、懐かしさで胸がいっぱいに…1日が今よりも、ゆっくり流れ、朝の色、音、匂い。昼間の喧騒、そうしてセピア色に染まっていく夕暮れ時…そんな風に感じて毎日を過ごした時代があった事、本当に良かったと思っています。。もう二度と、あの時代に戻る事は出来ないけれど、その思いを胸に今を一生懸命に生きるより他にないんだと思います…夢?う~ん、女性にもロマンはあります!内緒ですけど~明日から、また日常が始まり心が病んでしまいそうな時、健佐さんの音色に助けてもらおうと思っています。。なので、勝手ですがよろしくお願いします~!
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漆黒の闇 (Moonlight)
2009-01-04 23:51:10
hanaさん、夜明け前の闇が一番暗いそうですよ。ということは明るい一年の幕開けを意味する初夢ではないでしょうか♪穏やかな一年でありますように。
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Unknown (中村健佐)
2009-01-05 03:24:11
>fumiさん
あけましておめでとうございます。
そうですね、
「私たちは便利になり過ぎ、これ以上何を望むのでしょうか・・・」
って仰るとおりですね。
時代とともに「便利さに支払う対価」が薄れ、そう、昔のように「0→100」ではなくて近頃では「95→100」・・・XPあるからビスタいらない、みたいな。行き着いてしまったところで循環が止まった?のかもしれませんね。
あ、またあれこれ書きそう^^;)

>hanaさん
そうですか、私はほとんど毎日夢を見ますが、そういえば今年は見てないのかも?
滅多にないお正月のゆっくりで、眠りが深い(いかに普段が浅い?)という意味だと思っています。明日から毎日夢を見ることでしょう。hanaさんもそういう意味だと思いますよ。

>たみさん
あけましておめでとうございます。
セピア色の思い出な感じですね。
今の子供達が3~40年後に「あの頃は良かった」と言える社会になればいいですね。
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