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リーンの翼 (アニメOVA DVD) 小説版とは全く違う内容

2007年04月07日 15時19分33秒 | 雑記
リーンの翼 1

バンダイビジュアル

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機動戦士ガンダムの監督として有名な
御大・富野由悠季さん。

富野さんが監督を手掛けた最新アニメが「リーンの翼」です。
もはや富野さんのライフワークとも言える「バイストンウェル物語」ですが
まさか、まだ商品として作っているとは思いませんでした。

「リーンの翼」の原作となっている小説は随分と前に
書かれたものなので、全く内容が違っているそうです。

そうです…という書き方をしているのは
私自身が読んだことがあるわけではない、ということです。

家族が以前持っていて、何度も読んだので
内容を覚えていて印象的な部分を聞いたことがあるんです。

ということで、リーン1~2巻
(1週間レンタル可能になっていたので借りてみた)を観ての
感想としては「全然違うものになっているな」って感じでした。

そして「面白いじゃん」……と。


小説版では、第二次世界大戦中に特攻隊として散るはずだった
パイロットが主人公になっています。

名は迫水真次郎。特攻した時の衝撃でオーラロードが開き、
異世界へ導かれた……というハジマリになっています。

アニメ「聖戦士ダンバイン」の主人公、ショウ・ザマは
高速道路をバイクで走行中にオーラロードが開いて
異世界、バイストン・ウェルに行くことになります。


バイストン・ウェルという名の異世界へ導かれた若者が
そちらで活躍する……というのは全てのシリーズに共通している部分です。

今回は反米思想の強い過激派を友人に持つ
主人公、エイサップ・鈴木が沖縄の軍港でオーラロードを開いてしまいます。
意識的にか無意識的にかは別にして。

そして、原作とは違い向こうの王になっている野心家・迫水と
出会うわけですが……。

迫水さんと主人公のやり取りが面白すぎます。

小説版ではオーラバトラーという名の生きてる
ロボット(モチーフは昆虫)は出てこないそうです。

アニメ版ではしっかりソレに乗って戦うんですけど、
まだ名の与えられていないオーラバトラーに乗り込んだ
主人公と王女、リュクス・迫水。

迫水(王様)
「そのオーラバトラーに乗っているのは、鈴木君かァ~ッ!?」

すずきくん、てww

主人公
「名無しのオーラバトラーに乗っているだけです!」

迫水
「ナナジンと名づけたかァッ! 七福神から名を取ってッ!!」

聞き間違えて名づけちゃったよこの人ww

迫水
「どうだ鈴木くん、リュクスを嫁にもらってホウジョウの国を
 継いでみんか!?」

主人公
「そんなこといって、油断させるつもりですか!」

迫水
「そうでもある、がァアアアアッッ!!」

一本背負い。
見事な一本背負い。ロボット同士で一本背負いww

迫水
「どうだ鈴木くん、うちに婿に来んか!?」

で、迫水王の声が小山力也さんなので
頭の中でマッドなホームドラマに変換されて変なことになってますw

(FF12のバッシュ・うたわれるもののハクオロ・
 妖奇士のアビ・武装錬金のヴィクターなどの声をつとめる)

主人公
「お父さん、リュクスさんを嫁に下さい!」

リュクス
「私からもお願いします、お父さん!」

迫水王
「そんなの認める、かァアアアッ!!」

やっぱり一本背負い、ちゃぶ台と
その上に乗った夕食が破壊。みたいな。


小説版では、富野由悠季さんらしい主人公死ぬエンドらしく
アニメではどうなるのかなーと思いきやハッピーエンドっぽいという
噂を聞いたので安心して観てます。

なんでも、モンスターに苦しめられている世界を救う為に活躍したのに
最後は同士・アマルガン(アニメでも出てきてる)に裏切られ
後ろから喉を刺し貫かれて死んじゃうんだとか。

で、魂だけが終戦後の日本に戻り
ラジオから流れてきた「りんごの歌」を聴いて
「この国は大丈夫だ、きっと立ち直る……」と心を穏やかにし
成仏する、というラストだそうで。

悲しすぎ。
劇場版Zガンダムとかキングゲイナーとかみたいに、
とりあえず全員死亡みたいな終わり方でないハッピーな奴がいいね。