川崎市岡本太郎美術館では第26回TARO賞の入選作品展開催中。
「第26回岡本太郎現代芸術賞展」。
会期は2月18日~4月16日。
「岡本太郎現代芸術賞」は、時代に先駆けて絶えず新たな挑戦を続けてきた岡本太郎の精神を継承し、自由な視点と発想で、現代社会に鋭いメッセージを突き付ける作家を顕彰するべく設立された。
26回目の今回は595点の応募があり23名が入選した。
岡本太郎賞と岡本敏子賞は該当作無し。
特別賞は、足立篤史、澤井昌平、関本幸治、レモコ・レイコの4氏。
都築崇広。
「構造用合板都市図|Plywood City」。
作品サイズ・400×500×400㎝
素材・構造用合板:軽量鉄骨:角材
合板の木目を見ていたら、雲がたなびき水辺に霞が立つ風景が見えてきたという。
木目が不自然に繰り返す工業製品の人工を感じたという。
人工と自然が交差する都市図の拝見は躙り口から入る。
私は出口の作品一覧表の中のこの作品にシールを貼った。
ながさわたかひろ。
「愛の肖像|Portraits of Love」。
作品サイズ・500×500×500cm
素材・鉛筆:水彩:アクリル絵具
ながさわは、憧れの人に会いにいき、その場で写真を撮らせてもらい、それを元に絵を描き、もう一度会いにいくという。
直接会話できなくても、絵をみてもらえたら、思いは汲み取ってもらえるはずと信じる。押しかけコラボ作品。
だが、コロナ禍でその押しかけがままならなくなり、ウィズコロナの肖像を描き続けて千枚になったので、千日参り。
西除闇。
「MANgaDARA」。
作品サイズ・100×500×500㎝
素材・少年ジャンプ(古紙)
香のかおりが漂い、読経が流れる。
西は、長年マンガを保存する仕事をしてきたが、職場の閉業と同時に大量の雑誌が廃棄される決定を受けた。
退職の翌日に、少年ジャンプだけを軽トラに目一杯積めるだけ積んで持ち帰ったという。
人の感情や欲求は我儘で気紛れで一貫性が無い。
西は、「みとる」という儀礼が人にとって必要という。
少年ジャンプを削っての立体曼荼羅。
向こう側の作品と相まって賽の河原。
でもなぜだか心が落ち着く。
NISHINO HARUKA。
「てんとう虫ダルマ-2022-|Tentoumushi Daruma-2022-」。
作品サイズ・300×400×100cm
素材・紙粘土:発泡スチロール:アクリル絵具:耐水性ペン:和紙:スチレンボード:ビーズ:リボン:レース:ワイヤー
NISHINOは、吉祥のシンボルとされる達磨にもてんとう虫にも吉祥を感じないという。
幸せという解釈と不幸という解釈の隙間に出現する曖昧な存在ととらえる。
自由で正解も不正解もない滑稽な唯一無二。
てんとう虫ダルマは、踊るように死に、オブジェのようにただそこに留まりながら生きてるという。
そして人々の心の隙間にひそやかに滑り込むらしい。