東京都渋谷公園通りギャラリーへ。
東京都渋谷公園通りギャラリーは渋谷区立勤労福祉会館の中にある。
アール・ブリュット ゼン&ナウ2021「レターズ ゆいほどける文字」展。
会期は3月13日~6月6日。
アール・ブリュットとは、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによって提唱された言葉だけど、今では、専門的な美術の教育を受けてる受けてないに関わらず独自の発想や表現方法が注目されるアートを表す言葉となっている。
「アール・ブリュット ゼン&ナウ」は国内外のアール・ブリュットの動向を様々な角度から紹介する。
第1回目の今回は、文字に魅せられ深く深く執着していく8名のアーティストが紹介されている。
喜捨場盛也。佐久田祐一。ハラルト・シュトファース。新城千奈。富塚純光。西川匠。西山友浩。松本国三。
松本国三は大阪府生まれ。通天閣近くの家業の中華料理屋を手伝いながら文字を書き続ける。
新城千奈は沖縄県生まれ。数字への執着が文字へと広がる。
西山友浩は広島県生まれ。福山市の「あゆみ苑成人寮」で暮らす。
西川匠は神奈川県生まれ。石鹸水に水彩絵具を溶かす独自の技法で丹念に説明書きを書く。
喜捨場盛也は沖縄県生まれ。自宅で制作を行う。既成の図鑑やカタログを丹念にうめていく。
壁にも喜舎場作品が展示されている。
隣からチッと舌打ちが聞こえた。スマホを持った若い女性だった。
そう。この会場はどういうわけだかピントが合わない。コンデジの故障かと思ったのだけど、たぶんコンデジの目は額縁の中の細かい細かい世界を写そうと試みているのかもしれない。ましてや接写が不得意なスマホカメラでは上手くは写せない。
なんとか映えなんぞとは無縁に己の世界を追求するのだ。
富塚純光は兵庫県生まれ。新聞紙や和紙に物語と押絵を描いていく。
撮影禁止なので画像は無し。
佐久田祐一は沖縄県生まれ。自宅で制作に励む。
ハラルト・シュトファースはドイツ生まれ。ハンブルク市の職業施設に附属する「アテリエ・デル・ヴィラ」で制作を行う。
文字は音や意味から解き放されれば線や点になる。
でもやっぱり線や点から文字へともどっていく。
でもやっぱり解き放してみたい。
でもやっぱりもどっていく。