「パビリオン・トウキョウ2021」は、「Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13」のひとつとして、東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京、パビリオン・トウキョウ実行委員会によって開催中のイベント。
新国立競技場を中心とする複数の場所に、建物やオブジェを設置し、自由で新しい都市のランドスケープを提案する試み。
会期は7月1日~9月5日。
参加クリエイターは、
藤森照信、
会田誠、
平田晃久、
妹尾和世、藤本壮介、石上純也、藤原徹平、草間彌生。特別参加として真鍋大度+Rhizomatiks。
渋谷区役所第二美竹分庁舎会場へ。
ここにはかつて渋谷小学校があった。
タイムカプセルが残る。
草間彌生のオブリタレーションルーム。
クリエイター:草間彌生
協力:オオタファインアーツ
設計サポート:フジワラテッペイアーキテクツラボ/甘糟ユリ
素材協力:大光電機株式会社/東リ株式会社/株式会社タニタハウジングウエア/日本ペイント株式会社/畳屋よこうち
施工:株式会社TANK
この会場は完全予約制。
もし予約時間よりかなり早く到着してしまったら、隣の建物の違う展覧会に寄るもの良い。
予約時間に受付。
一枚のシールのシートを渡される。
靴を脱いで会場へ。
一方通行で、靴は係員さんが出口へ回しておいてくれる。
この作品は参加型。
家の中に入った鑑賞者が好きな所にシールを貼っていくのだ。
草間彌生のパビリオン・トウキョウ2021へのコメント。
「たとえば、身体じゅうに水玉をつける。それから、バックもすべて水玉模様にしてしまう。それがセルフ・オブリタレーション(自己消滅)。あるいは、馬に水玉をいっぱいつけて、バックも水玉にすると、馬のフォルムが消えて水玉と同化してしまう。馬の塊が永遠なるものに同化していく。そうすると、私自身もオブリタレイトする。」(草間彌生『無限の綱・草間彌生自伝』)、2002年。
会期中に鑑賞者が貼るシールで真っ白な部屋が埋め尽くされ、部屋は次第に「消滅」していく作品。
けど、シールを貼る時になると、つい貼る場所を選んでいる自分に気が付く。
私のこのシールはぜひとも特別な場所に貼りたいという気持ちがムクムクとわき上がってくるのだ。
けど、その特別な場所は探しても探しても見つからない。どこでも特別な場所でどこでも特別な場所ではないのだ。
え~とどこに貼ったんだっけ?と振り返った時にはすでにわからなくなっている。
でも、その「消滅」がまるで永遠に取り込まれたようで存外に心地よいものなのが不思議。