何かと年末年始。
銀座での用事を済ませていつものように博品館をひやかす。
そうだ・・・
中銀カプセルタワービルはいよいよ解体一直線になったようだ。
寄り道。
中銀カプセルタワービルへ。
時代がそれぞれに主張する不思議な場所。
中銀カプセルタワービル。
中銀カプセルタワービルは、1972年(昭和47年)に黒川紀章の設計により建てられたカプセル型集合住宅。メタボリズムの代表作品。
銀座といっても8丁目。ほとんど新橋。24時間戦えますか時代のビジネスマンのセカンドオフィスやセカンドハウスを想定したSRC造一部S造で地上11階一部13階地下1階。タイトな敷地に変則的に建つ。カプセルは10㎡の1R。
メタボリズムは新陳代謝。黒川等当時の若手建築家はメタボリズムと名付けた建築運動を展開。社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に可変していく都市や建築を提案した。
狭くて地価の高い銀座は色んなユニークなビルがあるけど、中でも中銀カプセルタワービルは意匠もコンセプトも全て図抜けて目立つ有名なビルだった。
ビルのカプセルは25年ごとにカプセルごと交換することでビルはその時代時代に合わせて新陳代謝を続けていくはずだったけど、カプセルの交換は一度も実現することなく、かなりの保存運動も起きたけど、結局解体が確定したようだ。
さり気なくプライバシーに配慮した窓が見えた。
内装をこのままの形で見ることのチャンスはたぶんもうないだろう。
バラバラで美術館等の収蔵品として展示されるカプセルはあるだろうけど。
ふと、高速道の向こう側のビルを眺めた。
ん・・・
歳月が流れてあのビルが解体される日が来たとなっても、はたして反対運動や保存運動は起きるだろうか?
とても起きるとは思えない。
そういう意味では、中銀カプセルタワービルはとても幸せな時代の幸せなビルだったのかもしれない。