今年もそろそろ小田原城址公園のフジが咲く頃。
初夏のような陽気の中を駅から藤棚へと向かう。
この公園の片隅で育ってる小さなフジは後継ぎなんだろうか。
御感のフジ。
今年も綺麗だ。
小田原市の天然記念物に指定され、かながわの名木100選にも選定されているこのフジは、小田原藩主・大久保公愛玩の鉢植えで二の丸御殿にあった。
明治維新後は市内板橋の森元氏の手に渡り、明治16年には市内唐人町の西村氏が森元氏から買い取り育てていたという。
小田原御用邸に滞在されていた当時皇太子だった大正天皇が馬で西村家の前を通過したさいに、馬が藤棚の下に駆け込んで殿下に花がふりかかったという。殿下はお怒りになるどころ「見事な花にこころなきことよ」と感嘆されたという。
以来「御感のフジ」と呼ばれるようになり大正11年に今現在の場所に移植された樹齢二百余年のノダフジ。
昔は地面に触れんがばかりにボリューミーだったとうかがっているけど、老いた今でも十分にゴージャス。
馥郁たる芳香に酔いながら堪能させてもらった。
それにしても、4月でこれじゃ先が思いやられる強烈な日差し。
それでも、梅の実はふくふくと大きくなりアオサギは今年も子育て。
あっという間にハナショウブが咲きアジサイの季節になるのかな。