今日から神無月。
今日から緊急事態宣言解除。
なんとなく疫病収束の光見えてきた気もする。
東京藝術大学大学美術館では「みろくー終わりの彼方 弥勒の世界ー」展開催中。
会期は9月11日~10月10日。
釈迦仏入滅で暗く沈んだ世界に救世の光をもたらすとされる未来仏・弥勒。
弥勒は、誕生の地ガンダーラからシルクロードを通ってヒンドゥクシュを抜け天山を越え海を渡り日本に来た。
が、近年の戦乱で中継地アフガニスタンの仏たちは著しく損なわれた。
この企画展は、スーパークローン文化財の技術でよみがえらせたバーミヤンE窟仏龕天井壁画・青の弥勒の展示を中心にガンダーラから日本へ弥勒の道をたどる。
お釈迦さまは入滅にさいして自分の像をつくったり墓をつくって骨を祀ることを禁じた。
しかし、入滅まもなくして遺骨は八つの部族に分骨され、数百年後には仏塔も仏像もつくられはじめた。
当初はお釈迦さまの像だけだったと思うが、いつの間にか色んな仏さまが増えた。
ざっくりと言えば、如来・菩薩・明王・天部。
菩薩は釈迦出家前の姿とされる。出家後の釈迦像は半裸に近くボロ布をまとうが、菩薩は出家前の王子だった頃の像だから様々に飾られている。
その菩薩にも色々とある。
釈迦如来の脇侍は文殊と普賢。阿弥陀如来の脇侍は聖観音と勢至。薬師如来の脇侍は日光と月光。脇侍ではない弥勒に地蔵に虚空蔵。
日本で弥勒菩薩といえば広隆寺の半跏思惟像。
でも、ガンダーラを出発した弥勒はその土地その土地の住人の顔立ちを反映しながら旅をしてきた。
お釈迦さまはインド人だったのだから、平べったい顔ではなかったはずだし。
スーパークローン文化財の技術でよみがえったバーミヤンE窟仏龕天井壁画。
敦煌莫高窟275窟の交脚弥勒菩薩像。
むふ。可愛い。
弥勒は釈迦入滅後五十六億七千万年後に仏陀として世に現れ衆生を救うという。
その頃に太陽系が寿命をむかえるという説もある。
なぜ弥勒は生まれたのか。
なぜ未来仏が欲しかったのか。
なぜそんなに遠い遠い先なのか。
なんとも謎めいた弥勒。
弥勒に惹きつけられてやまないのはなぜなんだろ。