一昨日の最後の目的は東京国立近代美術館。
「ガウディとサグラダ・ファミリア展」。
会期は6月13日~9月10日。
スペインの建築家アントニ・ガウディは1852年の今日カタルーニャのレウスに生まれた。
ガウディはバルセロナを中心に活動し、カサ・ビセンス、グエル公園、カサ・バッリョ、カサ・ミラなど今でも世界中の人々を惹きつけてやまない数々の作品を残した。
最も有名なのはやはりサグラダ・ファミリア。
バルセロナのサグラダ・ファミリア贖罪聖堂は、ジュゼップ・マリア・ボカべーリャによって1860年に設立された民間カトリック団体サン・ホセ協会の創建による。
1882年にバルセロナ司教区の建築家フランシスコ・デ・パウラ・デル・ビリャール・イ・ロサーノが無償で設計を引き受けネオ・ゴシック様式で着工されたが、翌年にビリャールが辞任してしまい、1883年からガウディが引き継いだ。
「聖堂を任されること以上に建築家は何を望み得るだろうか」。
ガウディは壮大な聖堂を計画し建築についての自分の全ての知識を注ぎこもうとし、結局は未完のままに、1926年6月7日にミサに向かう途中に事故でその生を終えた。
ガウディの意思を引き継いだ多くの人々によりその後も聖堂の工事は続いたが、工事はなかなか進まずに「未完の聖堂」と言われ、いつまでも工事が終わらない建造物の代名詞とすらなっていたが、いよいよ完成の時期が見えてきた。
最新の映像を見ながらほんとに完成するんだなと思っていた。
そしてどういうわけだかそんなに感激もしていない自分がいた。
図録は買わなかった。
帰宅して本棚から20年前の図録をひっぱり出した。
東京都現代美術館で2003年10月4日~12月14日に開催された「ガウディ かたちの探求」展。
30代が終わろうとしていた時の私と今の私は何が違うんだろ・・・
「独創性とは起源に戻ることである」
「すべては大自然の偉大な本からである。人間の作品はすでに印刷された本である。」
「建設はゆっくりとしている。なぜならこの作品のご主人(神)は急がない」
20年前あたりまでの私はきっと迷宮を彷徨っているような謎めいたサグラダ・ファミリアに惹きつけられていた。完成した瞬間に途方もない奇跡が起きるんじゃないかとすら思っていたかもしれない。
今は、サグラダ・ファミリアは、祈りの場ただただひたすらに祈る場であること以外の場ではないとようやく理解できるようになったのかもしれない。。。
今宵は月が見えている。
明日は上弦。