東京藝術大学大学美術館へ「あるがままのアートー人知れず表現し続ける者たちー」をみにいった。
東京藝術大学大学美術館はひとつだけの展覧会を開催しているわけではないのだけど、コロナ禍対策で事前予約になっているから以前のようにこんな展覧会もやっていたのかでふらりと立ち寄るわけにもいかない。
この展覧会は予約してなかったからなぁと思っていたら、受付にいた学生スタッフらしきおにいさんがぜひとも!とチケットを渡してくれた。
予定人数に達していなかったのかな。ラッキー。ありがたく受け取りましたm(_ _)m
「TURN on the EARTH~わたし は ちきゅう の こだま~」展。
会期は7月23日~9月6日まで。
監修は日比野克彦氏。
参加アーティストは、五十嵐靖晃・瀧口幸恵・岩田とも子・永岡大輔・大西健太郎・小野龍一・中村奈緒子・徳本萌子・松橋和也・高岡太郎・許允・布下翔碁・そねまい。
展示室全体を透明感のある21色の生地で10の共鳴空間を創り、10組の海外でのTURNに参加したアーティストの作品を展示するという。
ん?これなんだろ。
iPadでAR?
受付でiPadを渡される。
ゆらゆらと21色のカーテンをくぐって四角いプレートにiPadをかざす。
わお!!!
iPadが語り出す。
床も。
iPadをあえてかざさなくともあちこちからiPadがひろってくる。
ひとりで鑑賞しているはずなのに、アーティストたちとワークショップを体験した人たちが在廊して私に語っているようだ。
これはこれは素晴らしい。
そして未来形な展覧会だ。
そういえば、「あるがままのアートー人知れず表現し続ける者たちー」展では、会場に一台だけだけど鑑賞ロボットが動いていた。ロボットの目を通して在宅のまま館内を歩きながら鑑賞できるシステムだった。
へぇ~と覗き込んだらあちらにこちらの顔が映ったみたいで、先様がおお!と驚きの表情の後にニッコリ笑ってご挨拶してくださった。こちらもご挨拶。
美術館もコロナ禍での展覧会に工夫を始めたということか?
いやそれはたぶん違う。
コロナ禍前後の変化をコロナのせいでというけどそれは違う。
倒産にせよコロナ禍以前から曖昧な状態でCOVID-19にとどめを刺されたというパターンの方が圧倒的に多い。
これだけの展覧会なら少なくとも2年以上前から準備していたはずだ。
iPadによるARという発想もたぶん企画を詰めていくうちに実用へとむかっていったのだと思う。
日比野克彦の鋭い感覚は次世代の展覧会を見据えていたということだ。
でも、こめられたメッセージは原初から変わらないのだ。