とうとう今年一番の寒さが来てしまう時期となった。朝の息子との散歩もきつい。それでも息子は元気よく飛び回っている。「とうやん、背筋が伸びてないよ」「そうかお前は寒くないのか」「寒くはないよ」「そだよな~、なにせ毛皮を着てるんだからな~」「へへ、いいだろう~」だって!
日曜日にうちの息子と散歩をしていたら子供達がいそいそと学校でもあるのか数人単位で歩いていた。今時なにがあるんだるか、気になった。「息子よ、後を付けて見るか」「とうやん、変質者に間違われるよ」「そうだな~、なにー、この野郎」ぴゆー。
酔いどれは切り絵の制作をする時なにか音楽がかかっていないとダメな方で、邦楽、洋楽とわず何でもかけて聞きその時々の気分の乗り次第で曲目を変えている。気分が乗ってくると段々と音量が上がり、家の奴に「うるさい!」と注意されてしまう。「ほっといてくれ」と思うのだがそうもいかない。途中でチャチャがはいらないいい方法がないものか‥‥。
かくいう酔いどれも古い物が好きでよく見て歩く。何故だかよく分からないが古い物を見ていると心が落ち着くのである。そしてその時にあったものへの郷愁心が湧き出てきてそれを切り絵にしてみたいと思うのである。そいう心に安心感を与える物を表現してみたいのである。
酔いどれの甥っ子はカメラが好きでその道にすっかりはまり今ではその仕事についている。小さい頃から変わった奴でみょうちきりんなものばかりに興味を持ち、親を困らせていた。古い物、年代物が好きでガラクタ同然ものを集めては喜んでいた。でも今やカメラ博士である。その道を極めてくれればよいのだが‥。ほんとに困った奴である。「とうやん、人のことは言えんぞ」「はは、その通り」
一気に寒さが訪れた。世間では炭鉱の救出劇、ノーベル賞で賑わい暖かい話が続いている。「息子よ、なんか世間が明るい話で持ち切りだけどずっとこういう話が続けばいいな~」「とうやんタッチはね~、なんか暖かいものが食べたい」「う~ん、お前とこういう話をすること事態間違っていたか」 「寒~、暖かい夏が恋しいな~!家、入ろっと」今日は湖に浮かぶヨットの切り絵です。
寒々としたベンチの前を通り、落ち葉を踏みしめサクサクと歩いていると息子が「なんか音がする、とうやん」というような顔をする。その不思議そうな顔を見て噴出しそうな笑いをこらえながら半袖姿で歩いていると、すれ違う人達に半袖姿を妙な顔をして見られているのにきずき「息子よ変かこのカッコ」「ううん、だってたっちは裸だもん」だって!
日々寒さが増してくる。新太郎と散歩していると公園の木々が色づき始め、落ち葉の数も増えてきた。公園ですれ違う人の格好も厚着の服装が目立ってきた。ベンチに降り積もる落ち葉もむき出しの姿をかばっているように見える。そんな中、一人まだ半袖で歩いている酔いどれである。「とうやん、風邪ふくなよ!」「馬鹿野郎、とうやんはまだ若い!」
昔、まだ20代の頃東京から飛行機に乗り遅れ汽車を乗り継ぎ雄武の駅で降り、そこから車で上幌内という所までいったことがある。なにせ時間がかかったのを覚えている。なんでそんな事になったのかは覚えていないが‥。