「太郎くん、どうして何時も逢いに来ているのにかまってくれないの?」「俺りゃすねに傷持つ身、素人さんにかまってられないんでぃ」「この野郎、芝居がかりやがって、ただ小屋から出られないだけだろう」「とうやん、せっかく鶴田浩二風にかっこよくいったのに、そりゃなかろうぜ!」「いいからちゃんと挨拶せい!」「こにゃにゃちや」「これだよ、こりないでまた寄っていってな‥」
昨日窓から家の息子を見ていたら見知らぬ犬が散歩の途中に寄って行った。息子の様子を見て満足そうに戻っていったがまた別の犬が寄って行った。家の息子は人気者である。「そんなこた~ないよ、とうやん、照れちゃうぜ!」
インフルエンザが流行している。絵画教室の子供達の中にも「ゴホン、ゴホン」と咳をしていた子供がいた。どうも物貰いのよい酔いどれも頂いてしまったようだ。こういう時は「いりません!」と何故はっきり断れないのか?どうも育ちが貧乏性なせいなんだろう(笑)。
寒さのピークか、今日もしばれるねが挨拶代わりになっている。我が町も連日マイナス二十度越えで厳しい寒さである。そんな中、元気よく飛び跳ねている家の息子、「お散歩、お散歩嬉しいな、うっ、あ、足がちびたい」「だいじょうぶか!」と言うと「うん、足変わるがわる上げてケンケンして歩く」だって!
ここの所寒さがビリビリと肌に突き刺さる。本当に寒さが身に凍みる。それでも昔と違って家が暖かいので昔とは格段の差がある。昔はこれだけ寒いと朝起きると布団の縁が白くなっていたものである。「たっち、寒くないか~」
昨日は久々のスキー学習。スキーなんぞ小学生以来乗ったことがない。子供達の滑る姿を見ているとなんだか昔のことを思い出した。40数年前の友達の顔を思い出しゲレンデの上から「おーい」と呼ばれたような気がした。
昨日は寒かった。肌に突き刺さるような空気を何十年ぶりかに感じた。「とうやんもかあやんもお仕事で留守だからしっかり留守番を頼んだぞ」「合点だ~!」「もし泥棒さんがきたら‥」「うん、寝てる振りしてる」「それじゃだめじゃん!」
ご機嫌ななめがすっかり直ったたっちくん。「へへ、肉美味かった!」「そうかよかった、よかった」「もう、あんな奴いつでもかかってこいや!」「おお、いつもの生意気さが戻ったな。でもほどほどにな」「とうやんもね、その一言が犬を傷つける」「くそ~、生意気な奴!」
新太郎はいじけたまんま。「とうやんなんか大嫌いだ!」「悪かった、悪かった。もう他のわんこなんか買うなんていわないから、ほら、たっちの好きな肉だぞ」