「Terminator 3 Rise Of The Machines」
スカイネット「ターミネーター上の架空のコンピューター」が人類に反乱し、核戦争が起きるはずだった1997年8月29日は無事に過ぎ去り、「審判の日」は回避されたかに思われた。母サラ・コナーを白血病で失い、青年に成長したジョン・コナーは、平穏かつ無目的な日々を送るが、未だに胸のどこかで不安を感じており、時にはターミネーターの夢を見ることさえもあった。
不安は的中し、2032年から新たに2体のターミネーターが送り込まれた。1体は未来のジョンの副官となる者達の抹殺を目的とする、強力な女性ターミネーターT-X。そしてもう1体は、前回ジョン親子を助け、燃え盛る溶鉱炉へ入って自決したT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)の改良版T-850である。すぐさま副官達の殺害に回ったT-Xは、その過程でジョンの行方を把握し、殺害しようとするが、そこへT-850が現れてジョンを救う。
スカイネットの誕生を阻止したはずなのに再びターミネーターが現れたことに驚くジョンへ、T-850は「核戦争は回避されたわけではなく、ただ予定が狂い延期されたのみ」かつ「審判の日は回避不可能」であることを告げる。幼馴染であり、未来では妻かつ反乱軍副官となるケイト・ブリュースターも巻き込んだ逃避行の中、ジョンはその新たな「審判の日」がまさに今日その日であり、ケイトの父かつ軍の高官ロバート・ブリュースターがその鍵を握る人物であることを知る。一行はスカイネットの誕生を阻止すべくロバートの許へ向かうが、一足遅く彼はT-Xに殺害されてしまう。自らもろともT-Xを倒したT-850に別れを告げ、スカイネットとは何であるかを確かめようとしたジョンが核シェルター内で目にしたものは、冷戦時代の時代遅れの大型コンピューターに過ぎなかった。すなわち、T-850の本当の目的は審判の日にジョンとケイトを生き延びさせること、そしてスカイネットとは巨大な中枢システムではなくインターネットで結ばれた破壊困難な分散型システムだったのである。
字幕は無いが女性ターミネーターT-XとT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)の争いは見ごたえがある。
「少林サッカー」
キャッチコピーは、「君はまだ、究極のサッカーを知らない。」。
かつてサッカー界のスターであったファンは、チームメイトで子分だったハンから八百長をもちかけられ小切手を受け取るが、試合でわざとシュートを外したことによって怒った観客たちに襲われ、足を大怪我して引退する。
20年ほどが経ち、ハンはサッカー界の絶対的な実力者へとのし上がっていた。いまやハンの雑用係となっていたファンは、ハンの配下のサッカーチームの監督を任されるという話を反故にされてハンに怒る。ハンはファンに、脚が使えなくなったのも八百長に手を染めた欲深さが原因ではないかと嘲笑い、さらに「実は観客が騒ぎを起こしてファンを襲ったのは全部自分が仕掛けた」と真相を話す。
自責の念と悔しさで街をうろつくファンは、偶然見かけた清掃員のシンの脚力にほれ込み、サッカーをしないかと持ちかける。シンは逆に少林拳の効用を説き始める。シンはかつて辛い修行に耐えて武術を修めたが、現代中国の大都市では武術を生かす仕事はないうえに武術以外のことを知らないのでつぶしがきかず、清掃のバイトに身をやつしながら少林拳の普及を夢見ていた。
一旦はシンの無礼さに怒ったファンだったが、やがてシンがサッカーボールで不良軍団を退治する場面に出くわし、改めてサッカーを勧める。サッカーは少林拳の宣伝に使えるかもと考えたシンは、ファンと共に、修行の歳月をともにした5人の兄弟弟子たちを訪れる。しかし全員武術の道をあきらめて仕事に追われたり職探しをしたりしており、シンの誘いを断る。だがシンの少林拳普及の熱意とサッカー全国大会の賞金の話に刺激されて全員シンのもとへ結集し、ファンの指導下でサッカーチームを組んだ。
最初の試合はならず者のチーム相手で、サッカーの素人で体もなまっている少林チーム(「少林隊」)はラフプレーで倒されたうえにリンチにあってしまう。しかしその最中に兄弟弟子たちは覚醒を起こし、超常的な技を蘇らせてならず者チームを倒す。仲間に入れてくれと頼むならず者たちの参加で少林チームは11人の選手をそろえて全国大会に臨む。
少林チームは少林拳とサッカーの融合で大会を勝ち進み注目を集める。シンは以前から、饅頭屋で太極拳を使って饅頭を作るムイという若い女性の実力を認めており、友人としてつきあっていた。ムイはシンに友人以上の感情を抱くが、シンは鈍感でなかなか気づかないうえに、全然似合わない精いっぱいのメイクを思い切りけなしてしまう始末だった。しかしあばただらけの顔で自信の持てなかったムイはシンたちとの交流で少しずつ自信をつけ始める。
少林チームは強敵を倒してついに決勝に進むが、その相手はサッカー界の権力者ハンが監督するデビルチーム(「魔鬼隊」)であった。ハンは新型薬物のドーピングと謎の科学トレーニングで選手たちを強化しており、デビルチームは少林チームのプレイをことごとくはねかえす上にラフプレーで少林チームの選手を潰してゆくが、ハンに買収されている審判や大会関係者は全く問題にせず反則をとろうともしない。ついに7人だけとなり試合続行が不可能になった少林チームだが、男装をしたムイが登場し、試合は続行される。ゴールキーパーになったムイは敵チームのシュートの餌食になるかと思われたが、襲い掛かるボールを太極拳で受け流して完全に支配し、シンへボールをパスする。シンの放ったシュートはデビルチーム全員とゴールポストを吹きとばして決勝点となった。
少林チームが優勝した一方、ハンは禁止薬物使用で逮捕され、全国的に武術が大ブームとなった。数年後、武術の達人だらけになった街角の上方には、武術ブームの立役者であるシンとムイのカップルが表紙になった雑誌の広告が掲げられていた。