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零式艦上戦闘機(92) 九一式改二魚雷(航空魚雷)
真珠湾に係留されている艦船を雷撃するためには、どうしても浅い海面でも使用可能な航空魚雷の開発が必要だった。
現用の航空魚雷は、ひどいときには一旦60~100メートルも潜り込んでしまうので、これでは魚雷が海底に突き刺さってしまう。
九一式魚雷には、空中における姿勢をよくするために、框板(きょうばん)という木製の安定板がついている。
ちなみに框板は、魚雷が水中に突入すると飛散し、42ノット(約78キロ)の速度で目標に突き進む。
もともと九一式魚雷は、120ノット(約220キロ)で、発射した時に安定しているのだが、荒れた海に突入したり強い衝撃を受けると、深く沈み込んでしまうどころか、しばしばスピン回転を起こし、水面に飛び出したり、あらぬ方向に走りだしたりと、実に扱いにくい。
それが魚雷発射時の飛行機の速度が、最大180ノット(時速 約330キロ)に引き上げられたため、さらに空中姿勢を安定させるために、框板(きょうばん)に動揺防止片が取り付けられた。
これで、沈度は27メートルにまで浅くなったが、まだ足りない。
昭和16年7月 航空技術廠の片岡政一少佐などが研究していた、水平ジャイロ応用の安定機、安定舵が完成した。
これで、空中での姿勢、水中での雷道が良くなり、浅深度の真珠湾でも雷撃が可能になったばかりか、全速力30ノット(時速 約55キロ)で航行する艦船に、180ノットを超える高速機からの雷撃が可能となった。
さらに、いままで炸薬は約150キロであったものを、204キロに増量し、破壊力がより強力になった。
早速、試作魚雷を作成し、10本程度が九州の出水基地で雷撃訓練にあたっていた、第一航空戦隊、第二航空戦隊からなる40機の97艦攻雷撃隊に届けられた。
三菱重工長崎兵器作成所で大急ぎで作成された九一式改二魚雷は、11月初旬、待ちに待った出水基地に届けられ、九七艦攻隊は水深12メートルの浅い海面下での実射に成功した。
ところが、11月17日 佐伯湾に停泊中の空母『赤城』で、山本五十六司令長官が本作戦の訓示をしていたころ、真珠湾攻撃で使うはずの魚雷はいまだに届いていなかった。
その後、順次『赤城』、『蒼龍』、『飛龍』、『翔鶴』、『瑞鶴』の各空母は、終結予定地の単冠湾に向い、ただ一隻のこされた『加賀』が、100本の九一式改二魚雷を受け取り、11月23日単冠湾に集結した。
そこで、一航戦 赤城雷撃隊12機、加賀雷撃隊12機、二航戦 蒼龍雷撃隊8機、飛龍雷撃隊8機、合計40機の九七艦攻雷撃隊を搭載する各空母に魚雷が分配され、雷撃準備が整った。
九一式改二魚雷は、雷撃機40機に対して100本。
2回分の攻撃使用数が、ギリギリのタイミングで間に合ったのでありました。
<九七艦攻関連>
零式艦上戦闘機(89) 九七式艦上攻撃機 2015-04-25
零式艦上戦闘機(90) 九七艦攻の水平爆撃 2015-05-02
零式艦上戦闘機(91) 九七艦攻の雷撃 2015-05-09
零式艦上戦闘機(92) 九一式改二魚雷(航空魚雷) 2015-05-16
零式艦上戦闘機(93) 九七式艦上攻撃機(UCC模型) 2015-05-23
零式艦上戦闘機(93) 九七式艦上攻撃機(UCC模型) 2015-05-23 につづく~
前の記事 零式艦上戦闘機(91) 九七艦攻の雷撃 2015-05-09
<ほぼ一年前の記事>
零式艦上戦闘機(41)長官機護衛の6機(4) 名将宮野大尉、森崎中尉の戦死 2014-05-17
=山本五十六長官機が撃墜されたときに護衛の任についていた若い搭乗員達の苦悩=
<関連記事>
零式艦上戦闘機リンク集 2013-09-14
零式艦上戦闘機のお話や、「所沢航空公園」、「零戦来日」の記事はリンク集を見てね♪
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零式艦上戦闘機リンク集・・・・・・・・・・・・・熈代勝覧(きだいしょうらん)リンク集
【乃木希典大将】シリーズリンク集・・・・・・・JRで行く南紀・伊勢の旅2013リンク集
国立東京博物館リンク集 2013-11-01・・・・・京都どすえ~!リンク集
早春の箱根総集編 2014-06-25
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真珠湾に係留されている艦船を雷撃するためには、どうしても浅い海面でも使用可能な航空魚雷の開発が必要だった。
現用の航空魚雷は、ひどいときには一旦60~100メートルも潜り込んでしまうので、これでは魚雷が海底に突き刺さってしまう。
九一式魚雷には、空中における姿勢をよくするために、框板(きょうばん)という木製の安定板がついている。
ちなみに框板は、魚雷が水中に突入すると飛散し、42ノット(約78キロ)の速度で目標に突き進む。
もともと九一式魚雷は、120ノット(約220キロ)で、発射した時に安定しているのだが、荒れた海に突入したり強い衝撃を受けると、深く沈み込んでしまうどころか、しばしばスピン回転を起こし、水面に飛び出したり、あらぬ方向に走りだしたりと、実に扱いにくい。
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これで、空中での姿勢、水中での雷道が良くなり、浅深度の真珠湾でも雷撃が可能になったばかりか、全速力30ノット(時速 約55キロ)で航行する艦船に、180ノットを超える高速機からの雷撃が可能となった。
さらに、いままで炸薬は約150キロであったものを、204キロに増量し、破壊力がより強力になった。
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ところが、11月17日 佐伯湾に停泊中の空母『赤城』で、山本五十六司令長官が本作戦の訓示をしていたころ、真珠湾攻撃で使うはずの魚雷はいまだに届いていなかった。
その後、順次『赤城』、『蒼龍』、『飛龍』、『翔鶴』、『瑞鶴』の各空母は、終結予定地の単冠湾に向い、ただ一隻のこされた『加賀』が、100本の九一式改二魚雷を受け取り、11月23日単冠湾に集結した。
そこで、一航戦 赤城雷撃隊12機、加賀雷撃隊12機、二航戦 蒼龍雷撃隊8機、飛龍雷撃隊8機、合計40機の九七艦攻雷撃隊を搭載する各空母に魚雷が分配され、雷撃準備が整った。
九一式改二魚雷は、雷撃機40機に対して100本。
2回分の攻撃使用数が、ギリギリのタイミングで間に合ったのでありました。
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