<前回から続く>
さて盛岡駅に到着して山田線に乗換え旅行用の大きなバッグはここでロッカーに預けないとですが、乗換え時間が14分しかないので忙しい😅
改札で「すぐ山田線に乗りますか?」と聞かれ「乗るけどロッカーに荷物をあ預けたい」と答えたらあと10分ないけど・・と「この先を右に行って右」と教えてもらえます。一応駅構内図で当たりを付けていたとはいえありがたい。
ちょうどsuica対応のロッカーが空いてたのですぐ荷物を入れて急ぎます。
盛岡駅の在来線の発車案内、この他に東北線青森方面(いわて銀河鉄道)と花輪線があるとはいっても、ちょっと寂しいですね。
発車2~3分前になり忙しいですが山田線に間にあいました。
ちなみにお父さんは荷物は小さいIKEAのリュック一つだけなので預けないで山田線ホームに先回り。1泊の予定なのに私が荷物多すぎるいっても、小さいリュック一つでちゃんと着替えるのかどうか・・
さて山田線の11時9分発の快速リアス・宮古行きに乗車します。なんと1両編成。
山田線は盛岡と三陸海岸の宮古を結ぶ102kmのローカル線。
盛岡からは3つ先の上米内までは朝夜に計3本区間列車があるものの宮古まで行くのは1日4本という一番本数が多い盛岡~上米内間でも片道7本しかないという限界ローカル線。途中の茂市から分岐している岩泉線が廃止になり宮古側は本数が減っているとはいえ、20~30年前の時点からこの状態だったはず。
乗りたくてもなかなか乗れなさそうなダイヤの山田線ですが、今回の旅行は山田線に乗れるというのも楽しみの一つ。
盛岡駅を発車、乗客はざっと数えて15人程度。なんとワンマン運転ではなく車掌もいます。ローカル線でしかも1両編成で車掌がいるのは、今日びなかなか貴重です。
約4分で次の上盛岡駅に到着。盛岡駅から距離にして2.8㎞ですが、山田線の線路は盛岡の市街地を回り込む形で遠回りなので、盛岡駅から徒歩でも約1.9kmで30分弱で来れる場所。
駅出口と反対側に県立病院の大きな建物や門前薬局なのか大きなドラッグストアも見えます。早速ここで3~4人が下車。
盛岡の市街地と言えるのは次の山岸駅辺りまで。山岸駅を出ると里山のような風景になり人家もまばらな田舎の風景になります。上米内までは本数が多めなのでもっと市街地かと思ったらびっくり。
盛岡から運転台後部で動画を撮影していたおじさんがいて宮古まで行くのかと思いきや山岸駅で下車。もしかして私たちが乗ってきて煩そうだから予定変更したのかも、それだと少々申し訳ないような。
限界ローカル線といっても線路脇にコンクリート枕木が並べてあったり、よく見るとところどころコンクリート枕木に交換されていて、それなりにお金はかけている様子。
盛岡駅から15分ほどで上米内駅に到着。盛岡から約10km、ここで行き違い待ちの為に3分停車。
駅舎をのぞいてみたら談話室?カフェのようにきれいになっていました。
ウルシ苗栽培セットが5500円で売っているのはびっくり!!
上米内はウルシが名物なのか「ウルシの街」のような建っています。上米内駅は駅舎の民間活用のモデルケースのようになっているとか・・。
地図で見ると駅から少し行ったところの高台?に住宅団地があるようで、通勤時間帯はそれなりに乗客がいるのでしょうか。
お父さんは「この辺りには盛岡市水道の水源地があって小学生の頃の遠足で来た」だそうで。地図で見ると上米内駅すぐのところに浄水場があるよう。水源地があるということはやはりそれなりな山奥ということなのか・・いやでも大和鶴間にも水源地があるけど。
対向列車は宮古9時19分発の盛岡行。向こうは2両編成ですが、こっちよりは乗ってそうですが空いてますね。
上米内駅を出て少しすると携帯電話が圏外になります(softbankとau)といっても人が住んでる家を見えるのですが・・、列車は山の中をどんどん進んでいきます。
この列車11時27分発の上米内を出ると次に止まるのは12時49分の陸中川井駅。途中の区界、松草、川内、箱石駅は通過といってもなんと1時間20分無停車。普通・快速列車で1時間20分無停車はなかなかレアのような・・駅の廃止が進んでる北海道ならあるのかな??
上米内から先の乗客は私たちを含めて7~8人程度、この先宮古までは殆ど変動はなかったです。
時々急カーブの手前で「パターン生成しました」ような自動音声が流れます。新型ATSで曲線の制限速度も見てるのかな??と思いますが、そもそも速度が結構控えめ、宇都宮ライトレールもびっくり??な40㎞/h~50km/h(お父さんの話では区界から先の下り坂で60km/h出してたところもあるとか)程度で走っています。
突然警笛が連呼されてブレーキがかかり停車。なんと線路前方に鹿が・・。しかも警笛で驚いて逃げるどころか線路際にいた鹿が軌道上に寄ってきます。なんとも図々しいのか怖いもの知らずなのか・・
御殿場線でも鹿と衝突して20~30分(以上)の遅れ。になることが時々ありますが、御殿場線は100㎞/h前後まで出すので鹿を発見しても止まりきれず衝突してるのかなと・・・。山田線は鹿を発見しても止まれるように速度控えめなのか。
この先も車窓を見ていると動物侵入防止のためと思われるフェンスが作ってある区間が結構ありました。
上米内駅の次は約25km先の区界駅ですがその間に大志田(盛岡起点19.2km)と浅岸(27.6km)の2駅が2016年に廃駅になっています。
大志田駅は気がつかなったものの浅岸駅の駅跡らしき場所にはホームはないものの保線小屋のような建物を発見。お父さんの話では大志田駅跡にも保線小屋があったとか。ただ人家らしきものは見当たらず、獣道のような道が伸びているのが分かる程度。
前夜殆ど寝ていないので、そろそろフラフラになってきてドア後部のロングシート部分の席で休んで、時々立って運転台後方から前面を見たりな状況で・・、沿線にふと慰霊碑のようなものを発見。写真に撮れなかったのは残念ですがネット検索情報では山田線建設時の犠牲者の慰霊碑のようで・・。
ようやく上米内駅から約26km先の次の駅の区界駅。
上米内駅を出てようやく多少は拓けた雰囲気がありますね。携帯電話もだんだん入るようになってきます(auだとB18対応なら大志田駅付近も入る模様)が、トンネルも多く電波が繋がる時を狙って・・ですね
地図によると区界駅の手前までが盛岡市、区界駅から先が宮古市の模様でこの辺りが分水嶺になっているよう。まぁ自治体の合併が進んだせいなのか市といわれてもよくわからないですね。
この辺りから時々沿線に新しい高速道路?バイパス??の姿が見えてきます。まだ新しいようで築堤に全く草が生えてなかったり建設中のように見える区間があったり。
盛岡起点の43.6kmの松草駅を過ぎて次のハイライトが2022年に休止され今年2023年に正式に廃止された平津戸駅跡。
昭和21年11月の災害で平津戸から先が不通に。更に翌22年・23年の台風でも大きな被害に遭い結局昭和29年に全線で運転再開、その間長期間にわたり盛岡側からは平津戸止まりだったそう。今のように災害で不通なって復旧費用を誰が出すかで復旧工事を再開できない時代ならいざ知らず、この時代に8年も不通になっていたというのはそれだけ被害が酷かったのでしょうね・・。
お父さんは子供の頃、盛岡駅で「平津戸」行の列車を見て印象的でだったのが思い出深くどんな場所か一目見たいということで、運転台の後ろで前面展望を見ながらまだかまだかと・・
辛うじて電波が入ったスマホで検索すると盛岡起点51.1kmのようで線路沿いのキロポスト(起点からの距離を表す標識)を頼りに目を凝らします。運転台の後ろで私たちがあまりに「平津戸平津戸」言ってたからか、運転士さんが「その先のカーブを曲がったら平津戸ですよ」と教えてくれました。
区界駅からは約20分ほどで平津戸駅跡を通過。先ほどの松草駅に較べるとホームも残っていてはっきりと駅の跡がわかります。
相変わらずの山の中の秘境駅。かっては転車台もありさらに駅弁(恐らく戦前期?)も売っていたというのは信じられないですね。お父さんは復旧後の高校生の頃(昭和30年代)にも山田線に乗っていて平津戸を通るのは二度目のようですが・・
もう数年早ければ平津戸までバスで来て列車で戻るような秘境駅探索も可能だったのかも??
平津戸駅跡から約10ほどで行き違い駅の川内駅を通過。
上米内からここまで約50㎞も行き違いできないなんて・・というか止まってもよさそうなのに通過。
だんだんと沿線に人家が見えるようになってきます。
川内駅にしろこの先の通過駅にしろ、駅周辺に人家が見えはじめて快速運転しないで各駅に止めれば若干は利用客がいるんじゃないか?という気がしてきます。大して速度も出していないので停車しても所要時間的にもそう変わらないと思うのですが・・
陸中川井駅の手前辺りで小さいダムを発見。如何せんずっと山の中なのでこういう大きな人工物は車窓の目玉ですね。
そして12時49分頃に上米内駅から1時間20分走りぬいて次の停車駅、陸中川井駅に停車します。小田急線では新松田から新宿ぐらいの時間ですね。
閉伊川の風景。右を見ても左を見ても木々の中。という景色が多かったので、こういう渓谷の風景はシャッターチャンスですね。
陸中川井駅から20分ほどで次の停車駅、茂市駅に到着。
茂市駅からは2014年(書類上で実質は2010年に災害不通になるまで)に廃止された岩泉線が分岐していた駅。限界ローカル線の山田線から更に分岐していたローカル線ということで何かと話題になっていた覚えがあります。
バリアフリー対応のスロープが設置されたようで様子は変わってそうですが、駅舎側のホームが岩泉線ホームだったのかな??
時刻表で見た限り確か岩泉線があった時は岩泉線から宮古方面の直通列車があって、茂市~宮古間は今よりも本数があった覚えが・・
茂市から先は閉伊川沿いに国道106号線(宮古街道)と並んで走る区間が多くなってきます。ただ山田線は一番山側を走っているからか、トンネル状になってる区間が結構あってその都度スマホが圏外になりますね。
先ほどから線路際に迫っている木が車体にビシビシ当たってる区間が時々あるのが気になります。だから速度を出せないのか??
茂市の次が最後の停車駅の千徳駅。ここはもう宮古の市街のよう。
車窓からはロードサイド店も見えて宮古は意外に大きな街のよう。
途中に新駅を作れば宮古の市街輸送の需要もありそうにも見えるのですが・・
久慈方面から来た三陸鉄道の線路と並走して、駅構内に留置されている三陸鉄道の車両を見ながら宮古駅に到着です。
盛岡から2時間21分。13時30分に宮古駅1番線に到着です。
新幹線で東京から盛岡までの時間と同じぐらいですね😅
秘境を走る限界ローカル線?山田線の旅でした。
山田線の路線としては本来はこの先三陸沿岸沿いを走り釜石まで続いているものの、2011年の東北震災で宮古~釜石間は津波などで甚大な被害を受け運休に。色々と検討協議された結果、2019年3月に三陸鉄道に移管された復活したそうです。
山田線の山田という名前は宮古~釜石間にある陸中山田駅の地名の山田から取ったものだそうで、「山田に行かない山田線」という笑い話も聞きましたが、昔の時刻表からのイメージなのか元々山田線は盛岡から三陸沿岸の宮古に行く路線というイメージが強く今一つピンとこないですね
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<次回に続く>
2023/10/9 17:50(JST)