![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/ad/e929cadcf1fae215cace6e24ea89c2ac.jpg)
~変える必要のない家づくり文化~
㈱清武建設
代表取締役 一級建築士 清武修一
◆ヨーロッパ散策の思い出
『パリ』、『ロンドン』、『バルセロナ』
渡欧を重ね、歩いて廻った事があり
(数十年前のことですが・・・)
18世紀の欧州は、
広告や宣伝が不道徳であるとされ、
大きな看板やショーウィンドーはなく、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/d9/e949a4c92fad1d0e066209348dcd71a7.jpg)
『店舗名を示した表札』があるのみで、
美しい街並みを保存する地域が多く、
散策しました。
18世紀のヨーロッパでは、
帽子は帽子屋、
靴は靴屋、鍋は金物屋・・・、
というように専門店制がとられ、
そのような時代背景なので、
口コミや評判で商売をおこない、
前述のように、広告や宣伝が
不道徳という価値観もあったが、
そもそも、広告や宣伝が
必要のない時代だったともいえる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/f8/2e5c78dccc35a9f2a24de5d42ec7bbeb.jpg)
18世紀の欧州のユダヤの人々は、
ゲットーと呼ばれる地域のみで
生活する事を強いられ、
かつ既成の商売からは締め出され、
キリスト教徒と同じ専門店を
開けない厳しい境遇であった為、
このマイナス要素を逆手に
一つ屋根の下で様々な商品販売を
ユダヤの人々が始めた。
これが、デパートの起源である。
18世紀のヨーロッパで
デパートが発祥し、中世の経済
(ギルド中心の靴は靴屋、鍋は金物屋・・・という職人を重んじた制度)
を変えた近代資本主義へ動き出し、
日本においては、
個人商店を保護する為に、
大型デパート・スーパーの出店には
厳し規制がかけられていましたが、
官僚が威張って
民間のビジネスを縛る規制は、
外資系企業の機会損失、
一般消費者に不利益を生む
という旗印の元、
規制緩和されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/db/aa709749685c4db92b35b7a20319c6d6.jpg)
その結果は、ご存じの通り、
都市郊外の幹線道路沿いに
巨大ショッピングセンターが
建ち並び、
街の中心地であった
商店街はシャッター通りに。
町の中心が寂れると、
町全体が元気を失い、
たくさんの商店が廃業し、
雇用も失われました。
単に規制緩和をおこなっただけでは、
別の新しい問題が発生します。
地方都市の人口減少は、
街の活力が無くなり、
雇用減少したことが
大きな原因だと感じます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/c9/7d29333cb752d3fbfa40c600471c3476.jpg)
◆口コミ・評判で運営する清武建設
清武建設の創業は、1968年ですが、
2005年までの間、
二級建築士であり
大工の現会長の時代は、
18世紀のヨーロッパと同じで、
店舗に看板はありませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/ed/ccd9fae7d612ae3ef42038d744f344fe.jpg)
広告や宣伝が
不道徳であるという考え方は、
現在では信じられない
価値観だと思われますが、
実は身近な弊社の会長も
そのような価値観を持っており、
良い仕事から、お客様紹介が
いただけるという考え方で、
看板は不要という事でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/d3/5c636ddaa5772dc9813ed903ead6ebff.jpg)
しかし、その考え方を証明するように、
現会長の忙しい40年間がありました。
元請け工事のみで、
お客様とプランのお話から設計、
大工(現会長が棟梁)、他業者(左官、屋根、板金・・・)
の段取りまで
一貫しておこなっていました。
その後、現社長が
家業を継ぐことになりますが、
その経緯の中で、広告や宣伝が
不道徳であるという
会長の考え方に
現社長は悩まされました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/66/f920bedf4bd321aeaff5e29adfe60767.jpg)
しかし、そのような状況が
あったからこそ、
現在の弊社があり、
社会ニーズの変化、
ライフスタイルの変化で、
お客様とご縁をいただく手段の変化、
家づくりのプロセスに
変化があることは当然ですが、
『お客様の利益にならない家づくりプロセスの変化』も多く、
弊社50年の歴史とともに
考えてみたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/25/dc29b7101a0e282cd80d4cd4ec87af05.jpg)
◆清武建設の創業
筑前町(旧夜須町)に会長は生まれ、
7歳(昭和20年)の時に、
終戦を迎えました。
(大刀洗飛行場へのB29爆撃機からの襲撃も体験したそうです。)
日本全体が戦後の苦しい時代で、
高校進学率4割、
田舎の場合はさらに低く、
会長も家計に負担をかけない為に、
中学校卒業後、大工の
「丁稚奉公(でっちほうこう)」
へ行きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/58/ee6a87edd7d53f0408efecf0d6ba8c3f.jpg)
「丁稚奉公」とは、親方や兄弟子より
「仕事を教えてもらう?」という事で、
基本的に、給料はありません。
「食事」と「寝床」のみ
提供されるだけです。
何故 「仕事を教えてもらう?」
かと申しますと、
「仕事は、見て覚えろ!」
といわれる事が一般的な時代で、
無給で働き、今では
考えられない環境ですが、
昔は当然のことでした。
過酷な環境ですが、
考え方によっては合理的で、
「高校」や「大学」は学費が必要ですが、
「丁稚奉公」は学費無料の
「職人学校」といえます。
しかし、現在は「最低賃金制度」が
法律で定められ
「丁稚奉公」という制度は違反になり、
無くなってしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/49/b42fa78da449612d6b86277908608dae.jpg)
「丁稚奉公」のある時代は、
半人前だと賃金が発生せず、
早く一人前になって・・・・
という思いも強く、
必死に職人としての技術習得を
行っていたと思います。
大工仕事が出来て初めて
賃金が発生すべきですが、
現在は半人前でも賃金が発生します。
それらの理由もあり、「丁稚奉公」の
人件費が発生しない時代は、
大工手間(人件費)が多い
「純和風住宅」を、
一般の方々が
当たり前に建築できていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/d3/cda54759dd5bbb014ed02c528b097bf5.jpg)
現在「純和風住宅」を建築すると、
あまりにも高額に
なってしまう状況です。
また、現在では、
人件費が少なく簡素化された
洋風住宅が主流になってしまいました。
(システムキッチン等、設備器具が便利になった反面、
設備器具費用が、建築費用を占める割合として増えており、
その理由からも簡素化された洋風住宅になったと思います。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/a7/2a9b2ef8039ce51ebef5684ce4533da5.jpg)
会長の場合、約十年間の
丁稚奉公(大工見習い)という事で、
「職人」として、
一人前になるという事は
朝倉郡三輪町周辺
(三輪町と夜須町が平成の大合併で筑前町として誕生)
という農業を主体とする、
小さなコミュニティーの中での
口コミの影響は大きく、周知になり
「大工」「棟梁」として
尊敬を持って接していただき
「やりがい」もあったはずです。
田中角栄衆院議員による
田中角栄衆院議員による
議員立法からの建築士制度が
作られて間もない頃、
大工として一人前になった会長ですが、
これから建築士という資格がないと
建築工事(設計)の
許認可が取れない為に必要性を感じ
20代後半から大阪の
建築専門学校(夜間)に入学し、
2級建築士を取得しました。
それから約40年程、
注文住宅の設計~大工工事まで
会長は一貫してやっておりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/35/85d08dc380edff425c491e675a92fca2.jpg)
現在の住宅では、建築する事が
少なくなりましたが、
純和風住宅で屋根の反り(そり)
起り(むくり)を表現した
手書きの設計図が
たくさん残っております。
その後、会長も年齢には勝てず
その後、会長も年齢には勝てず
私(社長)は「清武建設」の跡を
継ぐ気持ちで、
上場企業(建築設計・不動産)係長を
経験し30才で退職、
家業(個人経営の清武建設)
を継ぐことになりました。
しかし、意見の衝突が始まります。
しかし、意見の衝突が始まります。
(前述の広告や宣伝が不道徳であるという考え方です。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/2f/f0c7e250dc8d762511e122fdff6a6231.jpg)
筑前町にある清武建設の
「事務所」といいますか
「大工小屋」ですが、
当時、「会社の看板」が屋外になく、
「いい仕事で、次の仕事もある。」
という会長の考え方があり、
「会社の看板」は
不要だと会長に言われ、
実際、会長は看板なし(PRなし)で、
口コミのみで
お客様(施主)からの依頼による
注文住宅の設計~
大工工事までおこない、
仕事が途切れる事はなく40年間、
忙しい毎日を送っており、
反論する事は難しい状況で、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/b0/1504cdc2771c70234a49baa64d823e73.jpg)
企業として(当時は法人化しておらず個人経営)必要不可欠な
PR(看板設置から広告宣伝)をおこなわない考えは、
会社を存続させる事を考えると不可能であり、
跡を継ぐ、という思いで
脱サラしたのですが、
結果的に跡を継いだ事になるのか微妙な状態ですが、
福岡市東区箱崎ふ頭にて、
支店という形で、
会長に相談する余裕がない中、
10坪の広さの事務所にて
「清武建設・博多支店」を
スタートし、
法人化しました。
その後、福岡市東区箱崎7-2-14
その後、福岡市東区箱崎7-2-14
へ移転し、
現在に至っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/ed/561dc4eb4e42070934fe4e7cbc8e0521.jpg)
◆最適と考える家づくりの流れ
~作り手が社会ニーズを変える現実~
この文章を書いている今では、
この文章を書いている今では、
昔の『笑える』思い出になりましたが、
企業PRは不要だという
会長の考えに悩みました。
ガンコな会長ですが、
ガンコな会長ですが、
物事の本質を考えると正しく、
「いい仕事をすれば、次の仕事も来る。」
という事を有言実行し、
会社の宣伝活動なし、屋外看板なし、
そのような状況でも多忙な
会長の40年間がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/a6/a4d3f90b5da1e7f91d82ff9cf1007692.jpg)
昔(昭和)の住宅建築は、ご近所の方が
大工さんに直接依頼するケースが
多かった代背景もありますが、
「住宅営業マン」、 最近は複雑化し、
工務店あっせんのプロ、
工務店紹介のプロという職業もあり、
元大工の棟梁であり
二級建築士の会長の立場では、
存在理由が分からないと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/15/06d1b629d098908b89d693768d401d0c.jpg)
現在に至っては会長の考え方は、
極端かもしれませんが、
本質的な考え方としては
謙虚に参考にすべきだと思います。
そこで現在の弊社ですが、
そこで現在の弊社ですが、
近年の住宅建築は「選択肢」が多く、
複雑であり、建築基準法に従って
「建築許可」を取る為に、
「建築士」という職業は必要であり、
弊社の正社員は、
一名の経理担当以外は
全て「建築士」です。
『施主(お客様)』⇔『建築士(弊社社員)』⇔『職人』
上記が『清武建設』の体制で、非常にシンプルです。
『施主(お客様)』⇔『建築士(弊社社員)』⇔『職人』
上記が『清武建設』の体制で、非常にシンプルです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/a5/fd075bec03a7892271184bd102ff1929.jpg)
『施主(お客様)』 ⇔ 『モデルハウス』 ⇔ 『営業』 ⇔ 『建築士』 ⇔ 『下請工務店』 ⇔ 『職人』
このような流れになりつつある現在の住宅業界ですが、
「丁稚奉公」 の会長の時代では、
『施主(お客様)』 ⇔ 『職人』
でしたので、
現在はお客様(施主)との間に、
いろいろなものが
複雑に加わっています。
当然コストが増える事は
一目瞭然です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/b8/993d722af2b04672b7273c73aaa26404.jpg)
個人的な考えですが、
複雑に多くの人が介在する
現代の多くの家づくりは、
間違った社会ニーズの創出であり、
作り手側等(広告コンサル会社・ハウスメーカー等)が
主導して変えてしまった社会ニーズだと思っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/02/709446e853f5ff15274830cd90f4ac08.jpg)
多くの方の介在は、
施主の安心に繋がり、
有益な面もあると思いますが、
近年は、「構造」、「防水」、「地盤」の保険制度があり、
10年保証(更新が可能で20年30年・・・・)をおこない、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/31/ec3efaf382f354b8f13f968c04ede64e.jpg)
瑕疵保険会社の所属建築士によって、
基礎工事状況、木造の軸組、
耐力壁の状況、完成状況まで、
細かな検査をおこなう体制が整い、
ハウスメ-カー、工務店、
住宅会社による品質の差は少なく、
(材質、仕上げ材の種類、
健康的な素材か否かは
会社によって違いはあります。) 、
複雑に多くの方が介在する家づくりを
おこなう必要はないと感じています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/e3/dda3bfc5f9a93792215ceeb82aabc628.jpg)
また、身近な大工さんに
聞いたお話ですが、
大工さんとしての、
「いい家を建てたい」
という思いは、
お客様、設計者と同じ、
あるいは、それ以上なのですが、
ハウスメーカーの指導では、
お客様と直接、職人が話すことは
禁止されているそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/04/c797f2ea2c60b64c8245053b24d9db74.jpg)
何故なら、職人として正しい事を
お客様へお伝えしても、
『営業トーク的には違うケースがある』からとの事です。
会長が 「丁稚奉公」 をおこなっていた時代は、
『施主(お客様)』 ⇔ 『職人』
でしたが、実際に作る人『職人』の意見が反映されない
会長が 「丁稚奉公」 をおこなっていた時代は、
『施主(お客様)』 ⇔ 『職人』
でしたが、実際に作る人『職人』の意見が反映されない
家づくりというものは、何かおかしいような気がしてなりません。
そのような状況が続くと増々、
『職人』さんの「やりがい」
というものが失われ、
木造住宅の伝統文化が
失われてしまう気が致します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/72/296aed50f5e4a8f1133d81f195f95a2a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/72/296aed50f5e4a8f1133d81f195f95a2a.jpg)
◆弊社の現状
弊社の状況ですが、
一級建築士事務所としての設計業務、
建設業と並行し、ミニ分譲、
また、引っ越しまでに必要な
また、引っ越しまでに必要な
諸費用を含めた総額計算、
住宅ローンの
シュミレーションもご提案し、
家計に負担の少ない事を
確認しながらのご提案が
出来ていると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/dc/b97d97d5e20b82a53adde96a993bda6e.jpg)
そして、現在の会長の状況ですが、
体力の衰えで
大工工事は出来ませんが、
現場の片づけをおこなっていただき、
たいへん感謝しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/07/41989c32a97c9e56dd81d44766e1246d.jpg)
『施主の利益にならない家づくりプロセスの変化』
について書いてみましたが、
『施主の利益にならない家づくり工法の変化』についても
弊社にてお話させていただきます。
(要予約になります。)
《参考文献:加瀬英明・ユダヤ人の知恵
山口二郎・政治のしくみがわかる本》
HOME PLAN KIYOTAKE
株式会社清武建設
一級建築士事務所登録
福岡県知事 第1-60550号
建設業登録
福岡県知事 第97896号
宅地建物取引業者登録
福岡県知事 第17677号
設計室:福岡市東区箱崎7-2-14
kiyotakeビル
(地下鉄貝塚駅徒歩8分・Pあり)
相談室:0120-01-5040
定休日:火.水.GW.盆.年末年始
連絡先:092-201-8201
定休日:火.水.GW.盆.年末年始
木工所:福岡県朝倉郡筑前町
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/8e/48b2d1b481496746f7c117dbaca9cd88.jpg)
㈱清武建設
一級建築士事務所
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/80/a9cc141004174d46900a40624aed1775.jpg)