東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

黄色いコミミズク

2024年01月13日 | カメムシ
コミミズクの越冬幼虫

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
冬になると探したくなるのがコミミズクの越冬幼虫。いつもなら簡単に見つかるのにみつからない。
その理由はどの木の枝を見ても汚れていて元気がない。今シーズンはダメかと思っていると色艶が良いハンノキの枝を見つけたのでチェックすると、いた!しかもレアなイエロータイプだった。

撮影日:1月13日

ただいま産卵中

2022年11月29日 | カメムシ
クヌギカメムシの産卵

Nikon D810+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
例年11月中旬になると樹上から降りて来て、交尾後、時間をかけながらクヌギの樹皮の溝に産卵している様子が見られる。カシノナガキクイムシの被害樹でもクヌギカメムシの産卵が見られている木は元気な証拠。こうした生きものが棲家として利用しているにも関わらず、萌芽更新を奨励して伐採の対象になっているのが非常に残念。広大な里山の雑木林なら分かるけど、ここは公園の小さな雑木林なので、枯れていない木は伐採の対象外にして欲しい。

撮影日:11月26日

クヌギのコミミズク

2022年03月30日 | カメムシ
コミミズク(成虫)

Nikon D810+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
天気が悪く昆虫の活動が少ない中、クヌギで越冬していたコミミズクの幼虫を思い出したのでチェックしてみると、素晴らしい成虫になっていた。幼虫の時よりも体がゴツくなり、翅が生えた事でヘラ状の頭を持つセミのように見えなくも無い。生活史は鳴かず、冬芽や葉痕に擬態しながら針の様な口吻を植物や樹木に突き刺して樹液を吸う。ただ、セミよりも小さく全長は1cmほど。幼虫の画像はこちら

撮影日:3月26日

枝に密着

2022年01月27日 | カメムシ
例年、真冬になると探したくなるのがコミミズクの越冬幼虫。コミミズクと言ってもフクロウの仲間では無くセミやカメムシの仲間。全長は10mm程。扁平な体型がとてもユニークで、特に素晴らしいのが越冬スタイル。

コミミズクの越冬幼虫(ハンノキ)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
こうして樹木の枝にピタッと密着。まるで樹木の一部と化し、擬態しながら越冬すると言った姿が非常に素晴らしい。

コミミズクの越冬幼虫(クヌギ)

Nikon D810+AI AF-S Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
この個体は完全擬態に近い状態でクヌギと同化していた為、危うく見逃すところだった。

コミミズクの越冬幼虫(イロハモミジ)

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
越冬樹は主にコナラなどのブナ科が定番だけれど、ブナ科では無い樹木を探して見るのも、また面白い発見があったりする。沿岸部のマイフィールドでも深刻化しているナラ枯れが影響しているのか、今回、コナラの枝では全く見つからず。それ以外の樹木を見て回ったところ、ハンノキやクヌギも何故か枝が汚れている樹木が多く、樹木自体にあまり元気が無さそうに感じられた。その影響なのか、発見できたコミミズクの越冬幼虫は今のところ少なく例年以下。

撮影日:1月22日

樹木に目立つ

2021年09月06日 | カメムシ
セミを探している最中、大型のカメムシを多数発見。それは...

キマダラカメムシ

Nikon D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
検索したところ、朝日新聞デジタルのワンページにも取り上げられていて、急速に分布を広げ注目度が高まっている存在だった。観察地ではソメイヨシノ、イロハモミジ、アラカシ、ヤマボウシなどの樹木で確認。天敵は野鳥、カマキリ、ヨコヅナサシガメなどのが候補。ただ、食樹が豊富で個体数が多く見られる事から、天敵にも負けない繁殖力の強さを持つと言っても過言ではなさそう。小学校の校庭にあるハナミズキにもいたと娘が教えてくれた。

キマダラカメムシ 幼虫

Nikon D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
成虫とは全く体色が違い、背中の赤い一つ目模様は外敵を寄せつけない効果がありそう。

キマダラカメムシ 成虫

Nikon D810+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
セミと同じように針の様な口吻を樹幹に刺してこれから吸汁しようといった場面。

キマダラカメムシ 成虫

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
カメムシと言えば最も肝心で気になるのはその臭い。恐る恐る素手で捕まえて臭いを確認してみたところ、ファーストインプレッションは森永ハイチュウ、グリーンアップル風の爽やかな甘いリンゴの香りがしていた。しかし、しばらくすると、あのカメムシ独特の濃く強烈で嫌な臭いに変化。速攻で洗面所に向かい手を洗った。食樹によって臭いが異なるかも知れないけれど、今回はヤマボウシにいた個体を実証。天敵はこの嫌な臭いを嫌い捕食に至らず、それが個体数の増加に役立つているのかも知れない。この先も更なる増殖が見られるのか注視を楽しみつつ、成虫越冬するタイプなので、冬場は何処に潜んでいるのか?その姿を探してみたい。

撮影日:8月28日