東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

秋晴れの沿岸部で

2023年10月18日 | いろいろ
この日は沿岸部のフィールドで、トンボ以外の昆虫にカメラを向けた。

アカボシゴマダラの若齢幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
エノキの幼木を見て回ると、そこかしこにアカボシゴマダラの幼虫が見られた。

アカボシゴマダラの2齢幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
二頭いるのがお分かりいただけるだろうか。冬場には多数の越冬幼虫が見つかることに期待したい。

ムラサキツバメの終齢幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
食草はマテバシイの若葉。一枚の葉に二頭の幼虫がつくパターンは初めて見た。

ムラサキツバメの中齢幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
幼虫はアリと相利共生することが知られている。

キタテハ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
周辺が緑色の草地なのに茶褐色の物体がぶら下がっている違和感で発見。
少しの間、陽射しが途切れていたので翅を休めていたに違いない。キタテハの休止は逆さ向きになる。
今シーズンは食草のカナムグラが偶然にも刈られていない事が幸いしてか個体数が多い。
冬場には越冬個体の発見となるか?

ツマグロヒョウモン ♀

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
右上に秋晴れの空を入れてセイタカアワダチソウの花で吸蜜するシーン。
ツマグロヒョウモンはオスよりもメスの方がカラフルな珍しい風体を持つ。

オオカマキリ ♀

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
今シーズンの沿岸部のカマキリはトコトン探してやっと見つかる程度。この時期にカマキリが餌場とするセイタカアワダチソウの花を見て回っても全くいない。個体数は例年以下。沿岸部の草地環境が整備により悪化している中、それに追い打ちをかけて幼虫から成虫、特に冬場には、あったはずの卵鞘まで何者かに取りつくされている。沿岸部のフィールドではここ10年で一番数を減らしている昆虫として深刻な状況にあると感じている。また、閉鎖された環境下での世代交代や長引く猛暑、アライグマ等の雑食性の外来哺乳類などによる影響があるのかも知れない。

セスジツユムシ(褐色型)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
そろそろバッタ達は日光浴に徹するシーズンになりつつある様子に感じられた。

ショウリョウバッタモドキ ♀

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
沿岸部では局所的に生息する。
再び秋晴れの青空の下で観察を楽しみたい。

撮影日:10月14日

久しぶりの東京湾岸で

2023年09月20日 | いろいろ
この三連休はサボり気味だった東京湾岸のフィールドで、虫を探しながら撮影を楽しんだ。
金曜日の雨で涼しくなる事に期待していたけれど、翌日の土曜日も変わらず真夏日が継続。

アカスジキンカメムシの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
到着時は曇り空だったので、この時期の曇り空の条件ならアカスジキンカメムシがいいと思い、コブシをチェック。すると、幼虫が多数みられた。背中に持つ模様が笑った顔のように見えて非常に面白い。
試しに匂いを嗅いでみると瞬間接着剤のような香りがした。他のカメムシよりも匂いは強くなかった。

サトクダマキモドキ ♀

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
エノキの幼木にひょっこり。先葉には糞あり...バッタの仲間では一番に目つきが悪いタイプ。
撮影主観では意外と敏感で近寄ると飛ばれてしまう事が多いから接近撮影する場合は慎重に。

ヒメクダマキモドキ ♀ 終齢幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
沿岸部のフィールドではサトクダマキモドキよりも観察する機会が多く、特にアカメガシワが大好物。この時期に林縁の日影にあるアカメガシワを見て回ると必ず葉上に見られる。サトクダマキモドキよりも小型で優しい目つき。幼虫の腹部には魚のウロコのような模様が見られるのが特徴的でかわいい。

オオカマキリ ♂

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
バッタやカマキリも暑さを避ける様に皆さん日影で見られた。また、今までオオカマキリとチョウセンカマキリのオスに限っては、この画像のタイプで緑色と茶褐色が混じる体色に限定されているかと思っていたけど、嬉しくも新たな発見あり!↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

チョウセンカマキリ ♂(褐色型)


Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
子供の頃から観察しているのにチョウセンカマキリの完全褐色型のオスを見たのは今回が初めて。
新たにカマキリ画像コレクションに追加。以前に観たハラビロカマキリの薄紫色をもう一度見たい欲。

撮影日:9月16日

朝寝坊

2023年06月21日 | いろいろ
この土曜日はミドリシジミの撮影を予定して、他県に訪れる予定だっだけれど、朝寝坊。。。
まあ、そんな時もあるよと開き直り、翌日に虫の会を予定していたので下見をする事にした。
すると...

アキアカネ ♀(羽化後)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
雨の日に訪れた時に撮りたかった場面が、晴れた日に叶うとは思ってもいなかった。
この日は朝寝坊したのが正解だったのかも知れない。下流側からスタートして徐々に上流側の田んぼへと移行している様子にあるけれど、かれこれ1週間継続している。いつまで続くのか気になるところ。

カナブン

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
毎年、樹液場は変わるので、そのチェックをしていたところシラカシで発見。
樹液場はこれからがシーズンになり、盛り上がりに期待している。

エサキモンキツノカメムシの抱卵

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
例年、この時期にミズキの葉裏で見られているけれど、今シーズンは例年よりも少ない様子。

ナナフシ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED+LEDライト
夏の昆虫だけれど暑いのが苦手で日影の林内が好きなんだよね。
被写体が暗い場所にいて背景が明るいパターンの撮影ってなかなか難しい...

アカシジミ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
今シーズンは5月4日が初見でその時は撮影できず、今になってやっと撮影が叶った。
だいぶ翅に痛みを感じる個体だけれど、経過を知ることができた嬉しい出会。

ニホンヤモリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ふと、目を向けてた時の違和感で発見。虫じゃないけれど虫探しは違和感察知がもっとも重要。

シラホシハナムグリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
オカトラノオに来ていたシラホハナムグリ。
シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリの明確な見分け方はまたの機会に掲載したい。ここに来てハナムグリの活動が盛んになってきた様子にある。ミドリシジミの撮影はまた来シーズンの楽しみに。

撮影日:6月17日

もう初夏

2023年05月07日 | いろいろ
ゴールデンウィーク前半は沿岸部のフィールドで虫探し。

アカガネサルハムシ

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

ホシベニカミキリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
両種、例年5月中旬からの記録だったはずだけれど、もう少し早くから発生していたのかも知れない。

フタイロカミキリモドキ ♂

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
今回はシャリンバイをチェックすると姿を見せてくれた。花粉を食べている場面。

フタイロカミキリモドキ ♀

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
メスは太腿を持たず腹部がオレンジ色。

エグリトラカミキリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
萌芽更新を推進して伐採されたコナラとクヌギの切り株をチェックすると、
沿岸部では初記録のカミキリムシを発見。例年観られる事に期待したい。

アオスジアゲハ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
春の草地らしいハルジオンでの吸蜜シーン。花から花へ忙しなく吸蜜を繰り返していた。

ジャコウアゲハ ♂

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
薄暗い林内の一定区間を飛翔。偶に林縁に出て来て静止する。その静止中の時。少し離れた所でも、別のオスが同じ行動を見せていた。まるでトンボの縄張り飛翔を見ているかのようで、ジャコウアゲハのオスは縄張りを持つ生態なのかもしれない。

アカボシゴマダラの蛹

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
幼虫時から観察を続けていた個体が無事に蛹化。まるで緑色の餃子。林縁に飛翔する成虫の姿も確認。

トビモンオオエダシャク(中齢幼虫)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
やっぱりこの幼虫は正面からの撮影でしょう。
まるでサーバルキャットの様な可愛い表情が特徴的。アケビにて。

オカモトトゲエダシャク(中齢幼虫)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
虫友さんご家族の方が見つけられたのを撮影させていただいた。鳥の糞に擬態してる様な体色が特徴。そういえばトビモンオオエダシャクもオカモトトゲエダシャクも、成虫は3月に発生するけれど成虫の観察は出来なかった。

やっぱり最後はトンボ。

ハラビロトンボ ♂

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ハラビロトンボ ♀

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ハラビロトンボ ♂の顔面

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
早くもオスメスともほぼ成熟に近いステージ。前額に美しいブルーの光沢を持つのが特徴。

アオヤンマ ♀ 未成熟

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
未成熟の複眼は不思議な模様が特徴的。これに似た面白メガネがあった気がする。

4月中旬から池でギンヤンマの飛翔を確認し、この日曜日はゴマダラチョウの飛翔も確認。
ゴールデンウィーク前半の沿岸部のフィールドは、もう初夏ですといった様子を見せていた。

撮影日:4月29、30日

ソラマメ畑で

2023年04月14日 | いろいろ
公園のソラマメ畑をチェック。すると...

ナナホシテントウ

アブラムシを探している場面ではなく、花でちょっと休憩中の様子。

コアオハナムグリ

今さっき越冬から覚めたばかりでぎこちないのか?土だらけの姿が印象的だった。
その越冬場所は畑の土の中なのだろうか。

ヤブキリの幼虫

いつも3月下旬頃から発生して、経過観察を楽しませてくれる。今年も豊富な様子で何より。
こうして並んだシーンの場合、カメラの角度を調整して2頭にピントを合わせるのが楽しい。

モンシロチョウ

陽射しが途切れると何故からともなく翅を休めに来る。ソラマメの葉の反射と翅の色がマッチしている事から、姿を隠すには最適なのかも知れない。


そろそろ食べごろのようだけれど、茹でた時の独特な匂いが苦手だな。。。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:4月8日