東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

2月下旬のオツネントンボとホソミオツネントンボ

2025年02月28日 | トンボ
週末は気温が高くなる予報なので、越冬観察はそろそろラストシーズンになるかと思い、オツネントンボとホソミオツネントンボの越冬地へ訪れた。先ずは前回までホソミオツネントンボが見られていた越冬ポイントを一通りチェックしたが皆無!その様子から水辺に近い場所に移動しているのかも知れないと思い、ポイントを変えて探してみた。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
ここは通称 陽だまりのブッシュ。気温が高ければフチグロトゲエダシャクも現れそうだけれど、この日は低気温。オツネントンボと出会える可能性も高いポイントだ。ゆっくりじっくりと探した。すると...

ホソミオツネントンボ 雄

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
越冬トンボは何処に身を潜めるているのか分からないので、なるべく植物に触れない揺らさないように意識した探し方が鉄則。

ホソミオツネントンボ 雄

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ホソミオツネントンボ 雌

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ホソミオツネントンボ 雌

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

オツネントンボ 雄

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
あ、これオツネン!何時もひょこりと姿を現すパターン。この日に発見できたのはホソミオツネントンボが2オス5メス。オツネントンボが1オス。例年の知見では3月に入ると暖かい南風の日が増えるとともに、ホソミオツネントンボは目線よりも高い場所で活動する様子にあり発見しづらくなる。オツネントンボは水辺周辺の陽だまりに出て日光浴。また、ホソミオツネントンボは薄い水色に変わる時期。それを確かめに暖かい南風の日に訪れたい。

撮影日:2月24日

早春の水辺で

2025年02月27日 | いろいろ
この日はヤマアカガエルが大好きなSさんをお誘いして、卵塊の観察とヤゴ採り等を楽しみに多摩方面の水辺を回った。ヤマアカガエルの産卵のきっかけは2月の雨で夕方から夜間に産卵するとSさんからご教授いただいた。例年のこのタイミングなら点々と卵塊が見られているはずなのに、やはり雨が少ないせいなのか卵塊が無い...

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
また、水の中が小綺麗にされている場所も多く、観察しやすいけれどかえってカエルと卵塊が目立ってしまい、天敵に狙われやすくなるのでは?などと妄想話しをしながら次々と水辺をチェック。すると...

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
あった!ここは東京都の里山好きの人なら知っているはず?通称ブルコンビオトープ。ブルコンにも産卵することが判明。この里山で発見できた卵塊はたったの2つ。。。まだトウキョウサンショウウオの卵嚢も無くやはり雨待ちか?ブルコンで何やら観察している方がいたので声をかけると、ナガコガネグモの卵をチェックしているとの事。ナガコガネグモ...減少傾向にあるらしい。偶然にもその方と地元が同じだったので、地元のナガコガネグモの産地を教えると、知らなかったらしく大笑いしていた!
年によっては多産していますから是非、笑いながらチェックしてみて下さい。

ヒロバフユエダシャク

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
コナラの大木に発見。思っていたよりヤマアカガエルの卵塊が少なくガッカリ。。。
せっかくなのでエノキの根元をチェック。すると...

オオムラサキの越冬幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
一頭みつかればOK。それ以上の深追いはしない主義。次の水辺に移動しましょう。


Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
ここは湧水池で早ければ1月下旬から卵塊が見られるポイント。落葉が堆積していて良さそうな雰囲気だけど残念ながら皆無...ん〜やはりどこのヤマアカガエルも雨待ちなのか...次は何処に行こうか迷い...

そう言えば、春先に水が溜まっていてシオヤトンボが飛び交う、秘密の田んぼを思い出したので、
そこに今の時期でも水があればきっと見られるはず。そう思い向かった。すると...

ヤマアカガエルの卵塊

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
ようやく画になる数の卵塊を発見することに成功。ただ、分厚く氷結していて卵塊は氷の中に閉じ込められていた!翌日の午後にも訪問したが氷結のまま。これはいったいいつ産卵したのかが疑問になる。
ヤマアカガエルの産卵は夕方から夜間とSさんにご教授いただいていた。もしかしたらカエル達は水辺の近くに身を隠しながら、氷結しない日を狙って産卵したのかも知れないと感じた。

最後に訪れた沼地

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
雨が少ないので減水中。湿った場所にある倒木の下に隠れているヤゴをチェック。すると...

マメゲンゴロウの仲間

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
水生昆虫は堆積した落葉の下や倒木の下に越冬している例がある。来週明けから雨の予報が続いているので、沿岸部のガマ合戦やら、今回、見られなかった水辺でもヤマアカガエルの卵塊やトウキョウサンショウウオの卵嚢がそこかしこの水辺で見られる事に期待して、再び観察に訪れたい。
今回、細流で採集したヤゴを持ち帰ったので暇をみて撮影しUPする予定。

撮影日:2月23日

2月下旬のホソミイトトンボ

2025年02月26日 | トンボ
チョウ目線から越冬トンボ目線にチェンジしてホソミイトトンボの越冬状況をチェック。

ホソミイトトンボ 2雄

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
以前から大人気のエノキの実生。上のオスは近寄られるのを嫌がっている様子。
こうした嫌がりも性格があり様々なのが見受けられて面白い。午後からは曇天に。

ホソミイトトンボの越冬環境例

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
つる植物がランダムに見られ如何にもホソミイトトンボが越冬場所として好みそうなポイント。

ホソミイトトンボ 雌

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
薄褐色のつる植物の一部分だけが黒い。その違和感で発見に至った例。

ホソミイトトンボ 雌

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ホソミイトトンボ 雄

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

この日の発見は3オス3メス。越冬状況を観察しながら一番気になっているのは、
沿岸部に水辺で初めての生殖活動が見られるのかどうかと言うところ。この様子なら期待できそうだ。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
前回までススキに越冬していたホソミオツネントンボが消えていた。近くにいるはずだと思い、徹底的に探したけれど残念ながら発見出来なかった。徐々に陽が長くなり太陽高度が高くなりつつあるので、それを感じてそろそろ水辺を意識した場所に移っているのかも知れない。

撮影日:2月22日

2月下旬のチョウ

2025年02月25日 | チョウ
モンシロチョウの幼虫

畑をチェックすると、あれ!モンシロチョウの幼虫がノラボウナ?の葉を食べていた。モンシロチョウはサナギ越冬だったはず。いつから幼虫で越冬できる様になったのか。いや、まだ完全に冬を越せた訳では無さそう。何故なら天気予報では来週に再び早春の寒波が来そうだから。そこをクリアできればきっと...無事を願いたい。

キタキチョウ

昆虫の世界も人間の世界と同じで、良いニュースだけではない。越冬中のキタキチョウをチェックすると残念ながら死んでいた。。。越冬トンボの場合は越冬中でも活動ができる暖かい日に、キノコバエの様な小昆虫を摂食する場面を観ているので、命を繋げられていると感じるが、成虫越冬のチョウの生命線は水分補給以外に思い浮かばない。沿岸部は殆ど雨が降っていないし、霜や放射冷却も少ないので、乾燥が原因と考えられる。冬を乗り越えるための条件に水分が必要だと言う事を改めて理解できた。

クワコの越冬卵


チョウではないけれど、まだ沿岸部で未確認のクワエダシャクの越冬幼虫を懸命に探している時、このツブツブを発見。例年クワコの幼虫と繭を確認していたので、いつか見つけられたらと思っていたところ嬉しい新発見。冬場にこのツブツブを探す楽しみが増えた。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:2月22日

常緑樹の林床と落ち葉溜めで

2025年02月20日 | 甲虫
沿岸部の運河よりも内陸側を調査する予定だったが、管理者と繋がりが無いので、
勝手にほじくる訳にもいかず、運河よりも海側の管理者と繋がりがあるエリアをチェック。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ここはトウネズミモチ、マテバシイ、ツバキ等の常緑樹が多い緑道。

リュウキュウツヤハナムグリの糞だまり

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
糞だまりは林床の所々に見られ、この時は特にトウネズミモチの根元で当たりが良かった。

リュウキュウツヤハナムグリの土繭

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
一ヶ所に複数みられ、細根に絡んで土繭が形成されている様子から、細根からも栄養供給をしている、根喰い系ではないかとも感じられる。

リュウキュウツヤハナムグリの土繭

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
定着して10年以上経過しているので、そろそろ自然淘汰による衰退期に入ったかと思ったが、全く気のせいだった。南方種の勢力には想像を遥かに超えた計り知れないものがある。ここではリュウキュウツヤの幼虫と土繭のみでカブトムシの幼虫は見られず。

落葉溜め

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED ※一般の方はほじくり禁止。
別の日に場所を変えて、ここは自分も加盟してるグリーンボランティアで、生きものの為に作った落葉樹専用の落葉溜め。囲いにはタマムシやカミキリムシ等に産卵場所。また各種、越冬場所の提供を目的としてクヌギ、コナラの伐採木を使用。この日はその伐採木の継ぎ足し作業。そのついでに落葉溜めを掘り起こしてみた。すると...

幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
米ぬか等の発酵促進剤を加えず自然のまま。特に発酵が進んでいる様子にはなかったが一頭だけカブトムシの幼虫が出てくれた。以外は多分リュウキュウツヤハナムグリの幼虫。何故か土繭はなかった。
完熟カブトマットでも問題なく育成しているので言うまでもないが、リュウキュウツヤハナムグリの幼虫はカブトムシの幼虫と同じ環境下に順応性を持っていると言う事が判明。それなら、カブトムシの幼虫は常緑樹の林床に棲んでないのか?今のところ常緑樹の林床でカブトムシの幼虫は未確認。もしカブトムシの幼虫も常緑樹の林床に順応性を持っているなら、沿岸部の樹液場にカブトムシの成虫が沢山見られるはず。でも成虫は稀。と言う事はカブトムシの幼虫は常緑の林床をあまり好まないと言う事になる。沿岸部のフィールドに虫捕りに来られるご家族の方からカブトムシは居ますか?と言うご質問を数多くいただくので、この記事を一例として参考にして下さい。後、気になるのはコアオ、シロテン、シラホシ、同じコガネムシ科のカナブンの幼虫の環境と幼虫の相違点。飼育して検証を楽しんでみたい。

撮影日:2月10日、15日