■こならの森196号■2004.8発行
表紙 「ひまわり 」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森9月号■
結婚しました。………………………4
ヤンバルのー子の青春レストラン…5
特集 安佐の2億年ロマン
「珊瑚礁を見に行く」………6
JCジャーナル……………………14
風の独り言…………………………16
書評/絵本紹介……………………17
三鴨の窓辺から……………………18
各市文化会館情報…………………20
インフォメーション………………22
[映画・CD・ビデオ・コンサートetc.]
イベント情報/協賛店マップ
■■■■■■■■■■■■■■■
【本文抜粋記事】
■この夏に南国気分
「栃木のミステリー」という本に、葛生は珊瑚礁だったという記事をみつけました。確かに石灰の分布図は珊瑚礁のような半円形です。
そこで私なりにいろいろ調べてみました。葛生町史の地図を図書館でコピーして実際の地図と照らし合わせると、不思議なことに、石灰採掘の場所と一致します。試しに、やってみてください。夏休みの自由研究などにもってこいですね。25000分の1位の安佐地区の地図を参照して、(これは学校の教材等で配布されています)石灰採掘の場所を塗りつぶしていくと、不思議と(もちろん不思議ではないが)半円形の痕跡が浮かび上がります。ただ、葛生町史の地図では、あたりまえですが、佐野や田沼地区の石灰の分布が分かりません。そこで、佐野市立博物館の企画展で行われた、展示図(新生代の地層と岩石)を参照すると、はっきりすると思います。かすかですが、佐野地区にも所在が確認できます。もちろん現在の石灰採掘の分布と一致します。田沼三好地区と出流原の間にも分布しているようなのですが、見あたりませんでした。後で分かったのですが、図と一致する戸奈良地区では、少し昔に採掘をやめているそうです。
前出の栃木県全体の地層図だけを見ていくと、実は県北地区にも、半円形の地層形態を確認できるのです。形も、安佐地区のものを少し拡散したようで、半円形の向きも同じです。そう疑ってみると他にも怪しき地点がありますが白亜紀から古代3紀の地層で、新しいものです。ですから年代でみると安佐地区のこの時期(2億年前)は明らかに突出しています。そして、コンパスで描いたように綺麗な形です。
■珊瑚礁のなりたち
安佐の石灰層の年代は、2億年頃ですが、大陸移動が始まったのもこの頃です。そして、珊瑚礁は南国の暖かい海で発達します。
現在でもハワイでは、キラウェアなどの火山が活動していますが、火山島の回りにそれを取り囲むように、珊瑚礁ができてきます。富士山のようなすり鉢状であれば、円形に発達します。大陸が移動して下に引き込まれると島も徐々に沈んでいきます。珊瑚礁は光を求めて、上へ上へと発達していき、最後には浮き輪のように珊瑚礁だけが残されるということです。
実際に行ってみました。
[ 現場検証? ]
■佐野地区 半円形の最端部、出流原弁天池周辺
ここが地層上は珊瑚礁の切れ目に当たる地区。もともとの形が円形(環礁)だったと仮定すればこの先にも、何らかの痕跡が確認されると思うが、2億年代の地層はここだけだ。
少し前に、栃木の鍋山地区で産廃問題が起こったとき、「栃木の出流山と佐野の出流原弁天池は、地下水脈がつながっている。だから佐野(の弁天池)も無関心ではいけないのだ」とささやかれ、そうかもしれないけれど無理があるだろうと内心思ったものだが、あながちそうでもないらしい、ということが今回実感できた。
■仙波地区
山深いところだから、ここまではと思っていたら突如として表れる採石場、あたり一面は銀色の世界へと変わる。この先の、羽鶴地区はもちろん日本一のドロマイド産出地区である。まさに石灰地区であるのだ。
■長谷場・作原地区へ
三好地区から白岩地区を望む。いつもなら変わらぬ風景なのだが、異様な山を見つけると、これも?などとあたりかまわず思い始める。すぐ右手を見ると、三好鉱業だ。大仏山といわれている山も珊瑚礁なのか? そう思うと、あれも?これも?と疑心暗鬼となる。
■白岩地区
いつも通っているところなのに、その白岩地区がこれまた珊瑚の「礁」を形成していたとは。そういえば、確かに他の山とは違った形である。特徴的とも思える。逆に言えば、特徴のある山があればそれは………と極論したくもなる。実際に白岩地区に急に現れる絶壁などは、不思議に思ってきたのだ。
■鍋山地区
(日本のエアーズロック鍋山)
栃木市や出流原町に行ったことがある人なら、鍋山という地名はよく知っていると思う。著者などは、そばを食べに満願寺方面を国道293号線から分かれて目指す時の目標ともなる。途中には西部劇に出てきそうな、廃墟(?)の鉱山町を通過する。土日なら、それほどでもないが平日ともなるとその通りの主役は、10トンを越える大型ダンプだ。そしてこの地区一帯が石灰の分布図上では一番規模が大きい。
■南の国でバカンス気分?
この熱いのに、南の国をイメージしろったって無理、余計暑くるしくなった。そういわれるかも知れません、でも葛生町会沢の宇津野鍾乳洞だけは請け合いですよ。ともかくどんなに外の気温が上昇して蒸し暑くとも、ひとたびここにはいると、異次元の世界。冷蔵庫か、はたまた闇夜の世界、黄泉の世界へ、オカルトチックが好きな人には特におすすめ(近くの会沢トンネルもお忘れなく)、二重のヒンヤリ感がたまりません。
平均気温が15度というのは、驚きです。ちょうど、鍾乳洞から出ていくところだったカップルの歓声、「おー、あっちー」が印象的でした。
ここに向かうまでクーラーを全開にしていたのですが、車を降りると、湯気の立つ熱い風呂場に入ったような蒸し暑さ。それが一歩中にはいるともうでてこられません。クーラーの一番真ん前に居座っているような気持ちよさ。それも本当に一歩、入っただけなのにこれですから。
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表紙 「ひまわり 」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森9月号■
結婚しました。………………………4
ヤンバルのー子の青春レストラン…5
特集 安佐の2億年ロマン
「珊瑚礁を見に行く」………6
JCジャーナル……………………14
風の独り言…………………………16
書評/絵本紹介……………………17
三鴨の窓辺から……………………18
各市文化会館情報…………………20
インフォメーション………………22
[映画・CD・ビデオ・コンサートetc.]
イベント情報/協賛店マップ
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【本文抜粋記事】
■この夏に南国気分
「栃木のミステリー」という本に、葛生は珊瑚礁だったという記事をみつけました。確かに石灰の分布図は珊瑚礁のような半円形です。
そこで私なりにいろいろ調べてみました。葛生町史の地図を図書館でコピーして実際の地図と照らし合わせると、不思議なことに、石灰採掘の場所と一致します。試しに、やってみてください。夏休みの自由研究などにもってこいですね。25000分の1位の安佐地区の地図を参照して、(これは学校の教材等で配布されています)石灰採掘の場所を塗りつぶしていくと、不思議と(もちろん不思議ではないが)半円形の痕跡が浮かび上がります。ただ、葛生町史の地図では、あたりまえですが、佐野や田沼地区の石灰の分布が分かりません。そこで、佐野市立博物館の企画展で行われた、展示図(新生代の地層と岩石)を参照すると、はっきりすると思います。かすかですが、佐野地区にも所在が確認できます。もちろん現在の石灰採掘の分布と一致します。田沼三好地区と出流原の間にも分布しているようなのですが、見あたりませんでした。後で分かったのですが、図と一致する戸奈良地区では、少し昔に採掘をやめているそうです。
前出の栃木県全体の地層図だけを見ていくと、実は県北地区にも、半円形の地層形態を確認できるのです。形も、安佐地区のものを少し拡散したようで、半円形の向きも同じです。そう疑ってみると他にも怪しき地点がありますが白亜紀から古代3紀の地層で、新しいものです。ですから年代でみると安佐地区のこの時期(2億年前)は明らかに突出しています。そして、コンパスで描いたように綺麗な形です。
■珊瑚礁のなりたち
安佐の石灰層の年代は、2億年頃ですが、大陸移動が始まったのもこの頃です。そして、珊瑚礁は南国の暖かい海で発達します。
現在でもハワイでは、キラウェアなどの火山が活動していますが、火山島の回りにそれを取り囲むように、珊瑚礁ができてきます。富士山のようなすり鉢状であれば、円形に発達します。大陸が移動して下に引き込まれると島も徐々に沈んでいきます。珊瑚礁は光を求めて、上へ上へと発達していき、最後には浮き輪のように珊瑚礁だけが残されるということです。
実際に行ってみました。
[ 現場検証? ]
■佐野地区 半円形の最端部、出流原弁天池周辺
ここが地層上は珊瑚礁の切れ目に当たる地区。もともとの形が円形(環礁)だったと仮定すればこの先にも、何らかの痕跡が確認されると思うが、2億年代の地層はここだけだ。
少し前に、栃木の鍋山地区で産廃問題が起こったとき、「栃木の出流山と佐野の出流原弁天池は、地下水脈がつながっている。だから佐野(の弁天池)も無関心ではいけないのだ」とささやかれ、そうかもしれないけれど無理があるだろうと内心思ったものだが、あながちそうでもないらしい、ということが今回実感できた。
■仙波地区
山深いところだから、ここまではと思っていたら突如として表れる採石場、あたり一面は銀色の世界へと変わる。この先の、羽鶴地区はもちろん日本一のドロマイド産出地区である。まさに石灰地区であるのだ。
■長谷場・作原地区へ
三好地区から白岩地区を望む。いつもなら変わらぬ風景なのだが、異様な山を見つけると、これも?などとあたりかまわず思い始める。すぐ右手を見ると、三好鉱業だ。大仏山といわれている山も珊瑚礁なのか? そう思うと、あれも?これも?と疑心暗鬼となる。
■白岩地区
いつも通っているところなのに、その白岩地区がこれまた珊瑚の「礁」を形成していたとは。そういえば、確かに他の山とは違った形である。特徴的とも思える。逆に言えば、特徴のある山があればそれは………と極論したくもなる。実際に白岩地区に急に現れる絶壁などは、不思議に思ってきたのだ。
■鍋山地区
(日本のエアーズロック鍋山)
栃木市や出流原町に行ったことがある人なら、鍋山という地名はよく知っていると思う。著者などは、そばを食べに満願寺方面を国道293号線から分かれて目指す時の目標ともなる。途中には西部劇に出てきそうな、廃墟(?)の鉱山町を通過する。土日なら、それほどでもないが平日ともなるとその通りの主役は、10トンを越える大型ダンプだ。そしてこの地区一帯が石灰の分布図上では一番規模が大きい。
■南の国でバカンス気分?
この熱いのに、南の国をイメージしろったって無理、余計暑くるしくなった。そういわれるかも知れません、でも葛生町会沢の宇津野鍾乳洞だけは請け合いですよ。ともかくどんなに外の気温が上昇して蒸し暑くとも、ひとたびここにはいると、異次元の世界。冷蔵庫か、はたまた闇夜の世界、黄泉の世界へ、オカルトチックが好きな人には特におすすめ(近くの会沢トンネルもお忘れなく)、二重のヒンヤリ感がたまりません。
平均気温が15度というのは、驚きです。ちょうど、鍾乳洞から出ていくところだったカップルの歓声、「おー、あっちー」が印象的でした。
ここに向かうまでクーラーを全開にしていたのですが、車を降りると、湯気の立つ熱い風呂場に入ったような蒸し暑さ。それが一歩中にはいるともうでてこられません。クーラーの一番真ん前に居座っているような気持ちよさ。それも本当に一歩、入っただけなのにこれですから。
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