コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

メディアリテラシーの教材

2009-01-28 17:30:52 | 
以下の記事は、ニュースではなく、シリーズ物らしいが、新聞記事はリンク切れになることが多いのでまた全文引用しておく。


安心・安全ナビ:携帯電話のパケット定額サービス。利用するとき気をつけることは。

◆携帯電話のパケット定額サービス。利用するとき気をつけることは。
 ◇「対象外」使い高額請求 料金体系よく理解して
 ◇「PC接続し120万円」「海外で通信13万円」…

 一定料金で携帯電話のデータ送受信が使い放題になる「パケット定額サービス」。対象外の使い方があると知らず、数万~数百万円もの高額請求を受ける利用者が続出している。携帯電話各社は、通信料が高額になった場合にメールで警告するなど対策強化を進めるが、利用者も料金システムを熟知する必要がある。

 メール送受信やウェブ閲覧、音楽やゲームのダウンロードにはパケット通信料が発生する。例えば、音楽なら1曲ダウンロードすると数千円。通信時間でなく、通信量で課金されるため、高速通信が可能な最新機種では理論上、1分間使っただけで1万2000円もの料金がかかってしまう。データ量の大きい音楽や動画を頻繁にダウンロードする利用者にはパケット定額サービスが欠かせない。

 ただ定額の対象外もある。パソコンとケーブルで接続しての通信▽パソコン用ウェブサイトの閲覧▽海外での通信--などは、サービスの対象外か、別に高額な定額サービスに申し込まないと接続し放題にならない。通信量が過大になると他の利用者に迷惑がかかるというのが理由だ。

    *

 「就職活動のためパソコンとつなぎ、ネットで情報をやり取りしていたら料金が120万円になった」(20代、女子学生)、「外国でネットを見ていたら帰国後13万円の請求が来た。販売店に海外で使うと伝えていたのに」(30代、自営業男性)。国民生活センターには相談が相次ぐ。

 センターは07年4月、販売時の説明不足を指摘した。携帯各社は「対象外」について店頭説明の徹底や、カタログの改善などの対策を取った。

 消費者団体「消費者機構日本」(東京都)は「パソコンとつなぐケーブルや、データ通信をするのにインストールが必要なCD-ROMが購入時の付属品になっているため、気軽に接続できてしまう」とインストール時の警告表示など改善を要望。ソフトバンクモバイルは08年冬から、半分以上の機種でCDもケーブルも付属しないよう改めた。

 また携帯各社は通信料を確認できる専用サイトを設け、通信料金の概算ソフトを提供するサービスも始めている。

    *

 国民生活センターは相談に対し、高額になった事情を携帯会社に説明したうえで減額を頼むよう勧めている。あっせんで請求が半減したケースもあるが、センターは「最近は販売時の説明が徹底されてきたので『聞いていない』では通用しない。減額は難しい」と注意を呼びかける。

 適格消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」(京都市)が、「契約自体に欠陥がある」として契約条項の差し止め請求を検討する動きもある。安心して携帯電話を使えるよう、分かりやすい料金体系と説明が求められている。【熊谷豪】

毎日新聞 2009年1月28日 東京朝刊



この記事のことは、昨日2NN経由で識った。
そこで「パクリ」の指摘が何度かあったのだが、2chにありがちな大きなうねりにはなっていない。
まぁ、内容にそれだけ議論する価値があると言うことなのか。


指摘されたもとの記事は
2007年 04月 24日allabout記事。
100万円!? パケット代の高額請求に注意(2)

タイトルから解るように、これも連載記事で、1はこちら(更に分割された連載記事なので、とても長いです。細かく比較すると面白いと思う)。

この記事は、
「国民生活センターは2007年4月5日、携帯電話のパケット料金に関するトラブルの事例を公表した。」
ではじまり、国民生活センターにも、その報告書にもちゃんとリンクしてある。
パケット料金にご注意!予想以上に高額になることも-携帯電話のパケット通信関連相談をめぐるトラブル-」(国民生活センター発表資料)


で、昨日の毎日新聞の記事に戻ると、「センターは07年4月、販売時の説明不足を指摘した。」などと断りはある。


記事の終わりの方に出てくる
>適格消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」(京都市)が、「契約自体に欠陥がある」として契約条項の差し止め請求を検討する動きもある。

というのは、去年の9月頃の話

だから、さすがに07年のネット記事だけから作ったと言うわけではなさそうだけれど、それにしても、実際、取材したのかどうだか。

そしてなにより、連載記事とはいえ、新しい情報を追加せずにこの記事を書くことの意味はどこにあるんだろう。
07年4月からここまでの間にも、携帯電話の料金設定をめぐっては随分いろんな事が起こっているはずだ。
それなら、「事例」も、新しくなって以降どうなっているのか、とか。
「対策」の実効性とか。





「利用するとき気をつけることは」という消費者向けのアドバイス記事のはずなのに、結びはこれで良いのか(もっと深読みをすれば、なぜそういう結びになったのかと言う問題も)とか、つっこみ所満載で、教材としてとても美味しい。

で、ついでに一つ、細かい「作文」技術の話をすると、毎日の記事の中で

センターは07年4月、販売時の説明不足を指摘した。携帯各社は「対象外」について店頭説明の徹底や、カタログの改善などの対策を取った。

と言う部分をどの段落とどの段落の間に入れるかで、この記事のオリジナル部分と引用部分との印象が全く違ってくる。

さすが、と思うけれど、禁じ手だと思う。








ネットで「調べ物」をする学生もこまったものだけれど、こうやって記事が出来てしまうのは如何な物か。
ニュースじゃないんだから良いじゃないか、ってこと?



学生達も、こういうプロも、本当に「裏を取る」と言うことをしなくなっているように思う(と言うのも私の印象なんだけど)。

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2 コメント

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訂正 (小二田)
2009-01-29 21:15:36
この記事の「投稿日次」は、最初に下書きを保存した時間をそのまま残してしまったものです。

今気がつきました。

本文と矛盾しますが、今更変更するのも何なので、このままにします。

実際にアップしたのは、多分1/29、昼頃。
返信する
おっと (小二田)
2009-01-29 21:16:45
更に訂正。
上のコメント


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