現実逃避

コタロウの歯のことは相変わらず悩んでいて、
病院を調べたりしていたのだけど
そんなことしても意味無いんだった。
一都三県探せば歯科専門病院も設備が整った病院もあるにはあるけど、
私は車の運転できないからバスや電車で連れて行かなくちゃ、なのだ。
でも、コタロウはバスや電車が苦手で。
タクシーっていう手もあるけど、
片道2、3時間の移動は乗り物に慣れてないコタロウには負担だろうなぁ。

意味のないことをしながら先送りにしてる。
だめな私。

私がうだうだやってる間に、行動力ある人はどんどん動いていく。
悩んでるだけで立ち止まってたら、何も変わらないのにね。

コタロウの病気の治療についてだって、
もしも私が車の運転ができてフットワーク軽くどこでも行ける人だったなら、
もっと違う決断をしていたのではないか？
私のせいで、最新、最善の医療をコタロウに受けさせられないのだ。
いや、違う。悩みに悩んで決断したのだ。
本当に？心から？・・・わからない。
心の中では今でも、もう何年も、葛藤は続いている。
相反する思いがせめぎ合っている。


コタロウは肥満細胞腫をはじめとするさまざまな不調と
幸いにも、そして奇跡的にも上手に共生してくれている。
それが、私にとって救いになっていて、自分を責めずにいられる。
私は、コタロウの体力、免疫力、自然治癒力にすがっているのだ。

現実逃避している私の心。


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