●同じものが違ってくる●
先日、VR(virtual reality)について、話題にすることがありました。
そして、VRデバイスである「メガネ」(ゴーグル?)をかけたことのある人から、
その時の話を聞きました。
そのメガネは、かけると本当はないものが見えて、
その仮想の世界に自分がいるように感じられるというもの。
たとえば、本当はフラットな床の上に立っていても、
そのメガネによって高い屋根の上にいるように見える、というわけです。
すると、そのメガネをかけた人は、
思わず怖くなって足元がふらつき、背をかがめたりした、
ということを 話してくれました。
脳科学的な話では、「脳は現実と非現実を区別できない」
と言いますが、
こうした話を聞くと、なるほどそうなんだな、と改めて思いました。
●「世界」とは●
つまり、その人が立っている場所が本当は平らで安全な場所であっても、
脳が「高くて不安定」と認識すると、
体も感情も、そのように感じて、振る舞ってしまう、ということです。
たとえば、どんなに外が明るくて青空が広がっていても、
窓もドアも締め切った暗い部屋で、今は夜なんだと思い込まされていたとすれば、
その人にとって、今は「夜」になるわけです。
こうした事実は
その人にとっての世界は、その人がかけているメガネを通して認識したもの
だということを、証明しているものだと言えるのではないでしょうか?