キッチンの片隅に貼ってあって、
もう壁紙の模様と化しているこのシート。
以前、とあるイベントをやったときの、
宣伝グッズですが、
それをふと見て、あの頃と自分が変わったなあ、
とあらためて思いました。
「笑顔になれば、心が変わる」
以前はこのフレーズを正直、信じられない、と思っていました。
そうは言っても、形だけ作ったとことで、
心の奥まではかわらないのでは? と思っていました。
そうありたい、と思いはするものの、
そうなれない自分と、いつも葛藤していた、
そんな感じです。
でも、いまは、その言葉が真実だと思っています。
もちろん、形だけの笑顔をたった1回だけしてみたところで、
根本的には心が変わることはないだろうと思います。
でも、体のどこかを変えることで、心も変わる、というのは、
事実だと思っています。
なぜなら、心と体はつながっているからです。
失敗したり、悲しいことがあったりしたら、
そのときの気持ちを味わっている体は、
おそらく下を向いていたり、背中が丸まっていたりするはずです。
顔も筋肉が全体的にしたに下がっているのではないかと思います。
その逆で、楽しいこと、嬉しいこと、誇らしいことなどを
感じているときの体は、
胸が開いていて、どちらかというと上を向いていて、
顔も口角が上がり気味だと思います。
やってみるとわかります。
試しに、楽しかったことや嬉しかったこと、
また、悲しかったことやつらかったことを思い出し、
その時の感情をじっくり味わってみてください。
体がどうなるか、わかると思います。
(私も実際、やっているところを見て、
その様子についてフィードバックをもらう、というワークを
つい先日やったのですが、
つらかったことを思い出しているときは、
顔のしわが目立った、
楽しいことを思い出しているときは、
顔のしわが消えた、
ということを伝えてもらい、かなりショックでした。笑)
そんなふうに、心(感情)と体は連動するのです。
であれば、体を先に動かしたら、
心も動く、のは当然ではないでしょうか?
だって、つながっているんですから。
どちらが先だとしても、互いに影響し合うのは当然ですね。
だからこそ。
心をありたい状態にするためには、
体を動かしていく。
ランナーズ・ハイ、というものなどは、
その状態の一つの代表ですね。
もちろん、なにも42キロを走らなくてもいいのです。
でも、今の状態から少しでも動く。
座っているなら立つ。
立っているなら歩く。走る。
場所を移動する、というだけでもいいと思います。
体を動かすことで、
動かさないとわからない感覚を知っていくことになり、
そうすると、動かないでいたときにはわからなかったことが
見えてくるようになります。
つまり、
考えているだけじゃなく、行動する。
やってみる。
私が自分で変わった、と思うのは、
行動できるようになったということだと思います。
以前は、考えてばかりでやらなかった。
シナリオがちゃんと描けないと、
結末までいちおう見えないと、
動く気にならなかったのです。
後始末しなくちゃ、誰かに迷惑かけちゃいけない、
そんな思いもありました。
終わり方まで考えないと、始められなかったんですね・・・。
やれない理由、失敗する理由を考えていたつもりは
ないのだけれど、
結局は、失敗を恐れてやらない、ということと
変わりはない、と言われてもし方がない状態でした。
でも、結末までのシナリオを描けなくても、
始めてしまってもいいではないか、
ということを、自分に許可したんですね。
そのとき、それをやりたい、と思ったら、
そこが真実なら、始めてみればいい、と。
もし、それが連続ドラマだとしたら、
もしかして1回目で終わっても、3回目で終わっても、
それでいいではないか、と。
ドラマというのは、つくる側にも、それを見る側にも
自分以外の人がいます。
他人が絡む以上、自分が「こうしたい」と思っていても、
そのとおりにはいかないことが多々あります。
自分がコントロールできない要素が必ず含まれるのです。
そして、それは、やってみないとわからないのです。
そこまで、コントロールしようとするのは、
他人をコントロールすることにもなりますし、
そもそもできないことだし、
それこそエゴというものかもしれません。
見る側の反応にいたっては、見てもらわないことには
まったくわからない。
修正することもできません。
でも見てもらい、フィードバックをもらえれば、
どこをどう修正したらいいのか、
何を喜んでくれて、何はつまらないのか、
そんなことがわかります。
自分一人でつくって、自分で演じて、自分で見る、
というわけではない限り、
アウトプットして、フィードバックをもらわないと、
進まないし、良くしていくこともできない。
そんなことにも、やってみることで、気づけるのだと思います。
大切なのは、感覚。
そして感覚は、頭だけじゃなくて体のものです。
『自転車の乗り方』、『クロールの上達法』、
そんな本をどんだけ読んでも、
自転車に乗れるようにも、クロールが上達することにも
ならないのと同じです。
頭でわかっていることも、実際に体を使ってやってみること。
それによって、「ああ、この感覚」というのを
自分の腑に落とすこと。
そこなんだなあ、と思います。
だから、自転車に乗りたければ、乗って、実際に練習してみる。
大事なのは、できると思えているときの、その「感覚」なのです。
なぜ、できないのか、の原因を知ることも
失敗を繰り返さないためには大切ですが、
なぜ、できるのか、の原因を知ることは、
成功を再現するために、
もっともっと大切。
そして、そこにあるのは「感覚」なんだと思います。