古今東西 珠玉の言の葉めぐり

これまで心に響いた珠玉の言葉を写真とともに掲載します

2015年 No.1 (2/28)

2015-02-28 | 言の葉



「こぬ春にあらぬ物から待ほとを梅は心にまかせてそ咲」 藤蓑冊子  
上田秋成(1734-1809)
写真は、奈良公園にて2011年2月撮影








「難波津に咲くやこの花冬ごもりいまは春べと咲くやこの花」
この歌の作者は、王仁(生没年未詳)といわれている。  
王仁は、応神天皇の時代に百済から渡来して、「論語」と「千字文」を伝えた。
大阪市の「浪速区」「此花区」は、この歌にちなんで名付けられたそうです。
この歌について紀貫之は、古今和歌集の仮名序の中で下記のように記しています。




紀貫之(866?-945?)
「おほささぎのみかど」とは、仁徳天皇のこと。
日本書紀によれば応神天皇の崩御後、兄の「おほささぎのみこと」と弟の「うじのわきいらつこ」が、互いに皇位継承をゆずりあって三年間空位であった。
写真は、2枚とも京都城南宮の枝垂れ梅(2012年3月撮影)

本ブログ 2009年6月号 で、古今和歌集仮名序の冒頭部分を掲載しています。


* 主な参考資料
  中央公論社「上田秋成全集」第10巻
  角川ソフィア文庫「古今和歌集」
  講談社学術文庫「日本書紀」



著作・制作 KY企画

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第4巻 目次

2015-02-01 | 目次
 第 4 巻 (2014年 3月4月号~11月12月号)  目 次

 年月(クリック)  作 者        詩 歌 句      [ 出 典   写 真
2014年
3月4月号
 
(作者不詳)
(作者不詳)
有度部牛麻呂
[万葉集] 防人の歌 三首
・防人に立ちし朝明のかな門出に手離れ惜しみ泣きし子らはも
・置きて行かば妹はま愛し持ちて行く梓の弓の弓束にもがも
・水鳥の立ちの急ぎに父母に物言ず来にて今ぞ悔しき
イリヤ・レーピン
 「初年兵の門出」
西行法師吉野山去年のしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねん
[新古今和歌集]
桜の吉野山 2枚
宮澤賢治はるきたりみそらにくもらひかるともなんぢはひとりかなしまず行け木蓮白花
5月6月号細川幽齊
細川幽齊
細川幽齊
細川幽齊
古も今もかはらぬ世の中に心のたねを残す言の葉
もしほ草かき集めたる跡とめて昔に返せ和歌の浦波
岩がねに流るる水も琴の音の昔おぼゆるしらべにはして
植へわたすふもとの早苗一方になびくとみれば山風ぞ吹く
舞鶴公園
 城門、庭園、石碑など 7枚
鴨長明の庵跡 3枚
早苗の水田
吉川五明転寝の瞼を徹す若葉かなもみじ若葉
7月8月号多賀葉子天界に接する富士の大いなる孤独を癒すか月昇り来る富士昇月
与謝野晶子厭々する労働はかえって人を老衰に導くが、自己の生命の
 表現として自主的にする労働は、その生命を健康にする。
満開のひまわり畑
橘曙覧たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見るときあさがお開花
 ー世の中に寝るほど楽はなかりけり昼寝の虎
9月10月号左京大夫顕輔秋風にたなびく雲のたえ間よりもれいづる月のかげのさやけさ
[小倉百人一首]
夜の唐招提寺金堂
笠金村

(作者不詳)
高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに
[万葉集]
高円の野辺の秋萩な散りそね君が形見に見つつ偲はむ
[万葉集]
白毫寺参道の萩
若山牧水吾亦紅すすきかるかや秋くさのさびしききはみ君におくらむ吾亦紅、すすき、かるかや
 ー実るほど頭を垂れる稲穂かな実る稲穂 2枚
11月12月号(よみ人しらず)秋霧はけさはな立ちそ佐保山のははそのもみぢよそにてもみむ
[古今和歌集]
奈良公園大仏池の紅葉
猿丸大夫
 
奥山にもみぢふみわけなく鹿の声聞く時ぞ秋はかなしき
[小倉百人一首]
 
奈良公園 紅葉と鹿 3枚
 


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